ゲーム開発とマーケティングの距離が近いからこそ成功につながる。「ジャンプチ ヒーローズ」プロデューサー白井氏、マーケティング佐藤氏インタビュー
みなさん、こんにちは。
今回のSHOWCASEでは、ゲーム事業より、白井氏と佐藤氏に登場いただきます。
プロデューサーとマーケティングという異なる役割ですが、お二人とも2018年にリリースされた「ジャンプチ ヒーローズ」を担当されております。
それぞれの役割で、どのように一つのゲームに関わっているか、そのような点を中心に、お話しを伺ってきました。是非ご覧ください!
※尚、現在LINEでは新型コロナウィルス対策として在宅勤務を行っておりますため、インタビューはオンラインによって実施しております。
1.キャリアについて
——まずはお二人のキャリアについて教えていただけますか?
白井:私のキャリアは、家庭用ゲーム開発会社のプランナーからスタートしました。経験を重ねるごとに、プランナー→リードプランナー→ディレクターというように役割が変わっていきました。
そして、8年前にモバイルゲームの開発運営会社に転職し、モバイルでの経験を培った後、次のステップとして、プロデューサーを志してLINEに入社し、現在に至る……という感じです。
——プロデューサーになろうと思ったきっかけは何ですか?
白井:私の場合は明確にキャリアプランを持っていまして、ディレクターを担当していた頃から、将来的には開発の現場に居続けるのではなく、ディレクターやプロデューサーを育成することで、より多くのタイトルに関わり、より多くのユーザーを喜ばせたい、と考えていました。
——LINEを選んだ決め手はどのような理由でしたか?
白井:転職先を考えていた時に、開発会社にいた時よりも大きな裁量を持てるということで、パブリッシャー側に行こうということは最初から決めていました。
そして数あるパブリッシャーの中でも、ちょうどミッドコアタイトルに注力し始めていたLINEであれば、一番自分の価値を発揮できると考え、LINEを選びました。
——佐藤さんのキャリアについて教えてください。
佐藤:新卒として求人広告の会社に入りまして、新規開拓営業や既存営業を担当していました。
その会社で4年半ほど働いた後ネットの広告代理店に転職し、主にゲームアプリのクライアントを担当しており、その後、LINEに転職しました。
——佐藤さんがLINEに入社を決めた理由は何ですか?
佐藤:LINEに転職したのは、大きく成長できる環境があると考えたからです。そう考えた理由は2つあります。
1つ目は、代理店の営業時代にLINEのカンファレンスに参加したことで、優秀な人が集まる会社だなと感じたためです。
そして2つ目は、LINEはゲームだけではなく色々なサービスがあることで、他のゲーム会社では得られない成長の機会があるのではと思ったためです。
2.業務について
——お二人の現在の業務について教えてください。
佐藤:年間戦略・予算の企画や現状分析からの課題設定など、裁量権の大きいマーケティング施策を、主体者として推進しています。オンラインだけでなく、オフラインマーケティングも担当し、生放送の企画を行うなどユーザー起点から効果的な施策を検討しています。
現在実施しているマーケティング施策には大きく2パターンありまして、
1つは、新しいユーザーを獲得することです。
例えば、オンライン広告の出稿やSNSを使ったキャンペーンの企画を練って実施しています。
もう1つは、既存ユーザーの満足度を上げることです。毎月実施している生放送の企画や、ファンミーティングの企画も担当しています。
白井:私は、プロデューサーとしてはジャンプチ ヒーローズをメインで担当しています。
プロデューサーの主な役割は、新規タイトルであれば、2年後のマーケットを想像して、『コンセプト』『ターゲット』『コア部分のゲーム性』などを考える必要がありますが、
運営タイトルの場合、もちろん先々の市場動向は意識しつつも、『ユーザー、特に自社タイトルのファンになってくれた方々の満足度や納得感』を重視するようにしています。
市場成長が鈍化している中で、数ある優良タイトルとの競争を勝ち抜くためには、ユーザー数の規模感はもちろん、その中でも自社タイトルのファンになってくれた方、あるいはファンになってくれそうな方を、いかに繋ぎとめるかが重要だと考えているからです。
ジャンプチ ヒーローズは後者ですので、ファンの方々とのコミュニケーションを大事にしてますし、そのためにマーケティング担当の佐藤さんと、どうすればファンが喜んでくれるのか、といった議論をし続けている感じですね。
3.ジャンプチ ヒーローズについて
——お二人が関わっている「ジャンプチ ヒーローズ」について教えてください。
白井:週刊少年ジャンプの創刊50周年を記念して制作したオールスターゲームです。一言で表すなら「ジャンプキャラオールスターパズルRPG」ですね。
——「オールスター」という点はポイントだったのですか?
白井:今回は週刊少年ジャンプの創刊50周年記念ということで企画されたゲームです。ですので、オールスターキャラを登場させて創刊50周年を盛り上げようということは企画の最初から意識していました。
——オールスターということでジャンプファンには様々な世代のファンがいると思いますが、マーティング担当として心がけた点はありますか?
佐藤:作品ごとのファンの心に寄り添った企画を考えることを大事にしていましたね。
毎月特定の作品をピックアップした大特集祭というイベントを、ゲーム内で実施しているのですが、その際のプロモーションに関しては、『取り上げる作品のファンの心に響く広告』を展開しようと心がけています。
作品ごとに世界観は絶対的なものとしてあり、その世界観に寄り添った企画を展開することで、このゲームを楽しんでプレイしてもらえることに繋がると考えています。
——ジャンプチだからこそのやりがいや気をつけたことはありますか?
佐藤:先ほどもお話ししたように毎月イベントがあるため、生の声をSNS等を通じてダイレクトに知ることができます。
企画したキャンペーンが上手くいった、上手くいかなかった、ということがユーザーの反応で分かることはプレッシャーもありますが、やりがいも感じています。
白井:今回のような原作ありきのタイトルの場合、プロデューサとして一番大事にすべきは『原作のファン』だと考えています。
だからこそキャラクターの見た目、クリエイティブ、ゲームの中での動き、演出などトータルで、ファンが納得するそのキャラらしさをだすのが一番大事だと思って開発を進めていました。
さらに、50周年分のオールスターゲームということを考慮し、「どの年代の方が遊んでも面白く、分かりやすい」という点は常に意識していました。
オールスターということで、これまでゲーム化されていなかった作品のキャラも登場しているため、ジャンプチが初めて遊ぶスマホゲームという方もいらっしゃいます。その作品のファンからすると、「ついにゲームになった」ということになるわけです。
そういった、初めてスマホゲームを遊ぶ方もいるという前提で「分かりやすく、誰でも楽しめるゲーム」ということを大事にした結果、パズルRPGというジャンルに落ち着きました。
4.最後に
——プロデューサー、マーケティング担当としてLINEだからこその強みはなんでしょうか?
白井:「LINEというプラットフォームの強みを活かしつつ、そこにどういうタイトルを載せて、どういう形でお届けすると喜んでいただけるのか」という部分は、LINEだからこその面白味だと思います。
しかし正直に言えば、まだまだプラットフォームとの連携は活かしきれていないと思っており、これまでの経験を踏まえて強化していこうとしているところです。
佐藤:そうですね、連携ということで言えば、公式アカウントがつくれることや、LINE GAMEのHPに広告が出せたりというシナジーはありますね。
白井:あと、強みと言えば、マーケティング担当とプロデューサーの距離感が近いことも強みですね。
ゲームの中身とプロモーションの足並みを揃えながら、一緒に方針を考え、コンテンツをお届けすることにチャレンジできる環境だと思います。
——今、チームとして求めているのはどのような方でしょうか?
白井:今、我々が一番求めているのは、運営力です。
今回ジャンプチという一定の成功事例は作れましたが、今後さらに飛躍していくためには、もっともっと運営力を伸ばしていく必要があると感じています。
運営に自信のある方にとっても、LINEは強みを発揮しやすい環境だと思っています。
最初にお話したように、厳しい市場環境にあるからこそ、『ファンを作り出し、ファンを大事にする運営力』が私たちには必要です。
佐藤:当たり前かもしれませんが、当事者意識を高くもっている方は良いと思います。
白井:僕みたいな人です、じゃないの(笑)
佐藤:いえいえ、そんなことはないです(笑)
あとLINEで大切なことは、ユーザ―ファーストで物事を考えられることですね。これはとても重要なことだと思います。
以上、今回は、ゲーム事業から白井氏、佐藤氏のインタビューをお届けしました。
プロデューサー、マーケティングと異なる役割のお二人でしたが、それぞれが信頼を持って連携していることが伝わってくるインタビューでした!
次回のSHOWCASEもお楽しみ!!