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コロナで、スリランカでは何が起きたのか?

2020年、世界中に感染が拡大しているCOVID-19。

スリランカではその影響が、2020年1月終わり頃から徐々に色濃くなってきました。

もともと経済的には中国の影響力が強いスリランカ。中国から多くの人々が観光・ビジネスで訪れていました。またイタリアとも特にビジネスで交流が深く、在イタリアのスリランカ人が帰国したことも感染拡大につながった、と言われています。

2020年6月17日現在、スリランカ感染者数は1,924人。亡くなった方は11人。隊員者数は1,397人と発表されています。

さて、コロナ禍でのスリランカの動きを時系列で見ていきましょう。

2020年3月上旬、感染者数が増加傾向。外国人の入国制限・アライバルビザ停止措置が取られ、同国の玄関口であるコロンボ・バンダラナイケ国際空港の閉鎖が報道されます(その後到着便は全てストップ、外国人の入国も禁止に至ります)。

2020年3月中旬、プッタラム・チラウ・ニゴンボ・ワッタラなどの都市で、外出制限・禁止措置が発令。やがて全土で外出禁止になります。

外出禁止発令期間中、これを破ったとして逮捕された60,000人を超えています。みんな外に出たかったんだね…ではなく、かなり厳格に警察が取締りを行なっていたからです。スリランカでは、テロや暴動に起因する緊急事態宣言・外出制限・禁止措置を取られたことが、コロナ以前に何度かあります。この時も警察はかなり厳しい取り締まりを行なっていました。おそらく警察にとっては、テロでも暴動でもコロナでも関係なく、いつも通りの取り締まりを行ったということなのでしょう。

外出禁止は、一時解除される時間帯がありました。1週間に一度、日中に5時間程度といった感じです。この時多くの人は食料品など生活必需品を調達するのですが、一部の人々は金(ゴールド)を買いに走ったとの情報があります。それも身の回りのものを質屋に入れて、そのお金でゴールドを買ったそうです。

なぜそんなことをするのか。

スリランカの通貨はスリランカ・ルピーです。これがコロナ禍で米ドルに対して暴落をしました。これはコロナ禍で輸出産業が打撃を受けたことに起因した為替の動きで、スリランカだけでなく多くの途上国通貨で発生したと言われています。高所得層や大手の会社は米ドルなど国際通貨をある程度保有していますが、一般層は自国通貨のみです。表現が悪いですが、このままでは手元のお金が紙切れになってしまうという恐怖心から、一部の人々がこの様な行動に走った様です。

5月に入ると、少しずつ経済活動を再開させようと、外出禁止が段階的に緩和され始めます。

ソーシャルディスタンス維持のため、工場など生産現場の人員抑制、夜間外出禁止措置継続のため24時間操業の禁止などまだまだ制限はありますが、経済が動き始めます。

しかしスリランカで主力の公共交通機関であるバスが、全く動きません。平時では、バスとバスがデッドヒートを繰り広げる光景がそこ彼処で見られるくらい元気なスリランカの公共バス。外出禁止の段階的解除で制限付き事業再開許可を得たのですが、特に都市部のバス事業者が感染の恐怖から再開を拒み、バスが走らず、結果多くの人々がオフィスに出社できないという事態が発生しました。

スリランカ政府が在宅ワークを奨励していましたが、出社しなければいけない人々、在宅ワークの準備をするためにオフィスに行かなくてはいけない人々も多くいました。彼らを運ぶ通勤手段が、再開できずにいたのです。

6月に入り、スリランカようやく日常を取り戻しつつあります。

夜間外出禁止・ソーシャルディスタンス維持・在宅ワーク奨励など、どの国でもある感染防止対策を遵守しつつ、バスは動き、人々はオフィスや工場など、職場に戻って来ました。

8月には、外国人の入国再開を予定しています。



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