見出し画像

つぶやき日記#24 ー 値上げはともかく品質下げは・・・

先日、
新しくリフォームしたトイレに、

トイレ掃除ブラシを奮発しました。

せっかくきれいになったトイレだから、
見るからに百均ですね、
じゃないものを置きたかったのです。
そう考えること、ありませんか?


でも、これが間違いのもと。
5000円以上のデザイナーものになればわからないですけど、
私の奮発というのは、
たかが2000円以内。
ということは、
確か、1650円ぐらいだったと思う。

百均でいつものように買えばよかったのに
近所のスーパーの
日用品コーナーで買いました。

ぴっちり透明な用紙で包まれていて、
中を確認することはできなかったけど、
まあ、この値段なら、それなりのものでしょう、
と、思ってました。

ブラシ受けにブラシを上から差し込むだけの
単純構造は嫌で、
ブラシを包み込む
ブラシホールダーに入っているセット
が欲しかったの。
この場合、
ホールダーがスムーズに開かないと、
ブラシを抜くのに難儀します。
また、
トイレを掃除した後のブラシには、
どんなに水を切っても、多少の水滴が残っていて、
それがブラシホールダーに溜まっていく。
その溜まった水を
手を汚さずに、
傾けるだけでトイレに捨てるには
ブラシを包み込むホールダーの
開口部の角度が十分でなければならない。
などなど、
そういう経験に基づいた知識を持って、
私なりに、
「これなら大丈夫」
と思って決めた商品です。
以前に似た商品を使ったことがあって、
その時は、
オープンがスムーズでブラシが取り出しやすいし、
水を捨てるのも後ろに水滴が回ったりしないで
使いやすい、その上見かけも悪くない
と感心したので、
同じようなものを買ったつもりでした。

でもでも、
全然違ったんです。
まず、
ブラシを軽く持って手前に引くと、
ホールダーがパカっと開いて
ブラシが簡単に取れる、
はずだが・・・
取れない。
というか、ホールダーがパカっと開かないのである。
引っ張ったら、
ホールダーごと倒れて、
ブラシが取り出せない程度に、
中途半端に開いている。
新品だからいいけど、
すでに使ってたら、
ここでホールダーに溜まってる水が流れ出して、
さらなるお掃除が必要となるところでした。

結局、
手でホールダーの後ろを押さえないと、
パカっと開かないことが判明。
いいえ、
パカっとは開かなくて、
ギシギシと開きます。
2個買ったのですが、両方同じ。
プラスチックの質が悪いのか製法が悪いのか。

座ったまま簡単に開くことはできなくても、
立ち上がって
ホールダーと正面から向き合えば開くかな、
と思って試したけど、
絶対にホールダーを手で抑えないと
ブラシを取り出せない代物なのです。

アーン、
トイレでもなんでも、
掃除っていうのはまとめてやるから大変なので、
毎日しょっちゅう
気付いたところはキレイにしちゃう
という主義の私にとって、
いちいちゴム手袋をはめて
ホールダーを押さえないと取り出せないトイレブラシなんて、
最悪なのです。

しかしまあ、

こういうこと、最近よく経験します。

先日通販で、
一番安いコーヒーメーカーを買った時も
似たような体験をしました。

本体部分がプラスチックでできているのですが、
上の蓋が開かない。
蓋を開いてコーヒー豆をセットし、
お水を注ぐ作りです。
それなのに・・・
以前使ってたのは、
左手でパカっと蓋を開けて、
右手に持っっていた水差しから、
簡単に水が注げました。
でもこれは、
バチっと閉まったプラスチックの蓋を開けるために、
片手で本体を抑え、
もう一方の手で蓋を開かないと、
ラッチが外れてくれないのです。
これじゃあ、毎日の生活がめんどくさくなる。
どうもプラスチック本体がねじれていて
真っ直ぐじゃない、
だから、
トイレホールダーもコーヒーメーカーも、
開けるには押さえが必要になってくるわけです。

で、心配なのは、
こういうものが世の中にたくさん出回っている世界に
なってきたということです。
ものつくりの精神がある
日本人のような人たちだけが、
ものを作っている世界ではなくなってきているわけです。

私が子供の頃の職人さんというのは、
「これ、素敵だから売ってください」
と言われても、
「いいや、これはまだ完璧じゃないから他人には売れない」
的な精神を持っている人が多かった気がします。
そういう人がたくさん集まって、
働いてるんだから
品質がいいのも当たり前ですよね。
片手でプラスチックの蓋が開けるか、
何千回もチェックして、世の中に送り出してくる。
(というのは例え話の想像に過ぎませんが・・・はい。)


いつ頃から、
この

「値段は変わらないけど品質落としたよね」

問題が感じられるようになったのだろうか。

振り返ってみると、
百均が日本社会を席巻し始めたのは
90年代のように思います。
バブルが弾けて、価格の低いものに
社会の目が行ったということもありますが、
90年代に100円で買った包丁は、
今でも私の愛用品です。
お試しのアイデアものもたくさんあったけど、
着実に家庭で必要とされるものを、
本当に安く、
使う人が満足できる品質で売ってました。
でも、2010年代に百均で買った包丁は、
「なんだこりゃ」
な品物になっていました。
刃の厚みが5ミリぐらいあって、
全然切れないんです。

とはいえ、
日本の百均は、今でも頑張っているし、
しょっちゅうお世話になってる
ありがたい存在だと思ってます。
トイレブラシも、
100円とは言わないまでも、
300とか、500とかで探し求めれば、
今回のようなことにはならなかったと思うのです。

で、
値上げはしないけど品質は下げる、
言い換えると、
「必ずしも最高の品質で勝負しなくていいじゃないか」
というマーケティング戦略は、
日本のバブルが弾け始めた頃、
中国やインドが台頭してきた頃と
同時に広まったと思うのです。
それまで、
有色人種の国としては
日本しか先進国と呼ばれなかった時代、
日本は常に、
品質で勝つ、
良いものを作って
周囲(この場合はアメリカとかイギリス)を納得させてやる、
という気概で
頑張っていたと思うのです。
有色人種でもできるんだな、とか
有色人種も信用できるな、とか
そういうことを地道に積み上げてきたわけです。

でも、

中国やインドのやり方は違いました。

そんないい品質のものなんか、
誰もわからないんだから作る必要なし。
それより、
自分たちでも作れる品質のものをたくさん作って、
みんなに行き渡るのが先決。
アメリカを黙らせるためには
最高級の品質で勝負するのではなく、
トップの政治家とかに賄賂と言ってもいいような
贈り物をして黙らせておく、という戦略なのかも?
(証拠があって言ってるわけではないです。
ただ、大統領をやると大金持ちになるのはなぜ?
という疑問から推測しているに過ぎません。
悪しからず)

ちょっと古いけど、
私の疑問に部分的にお答えする文章が
ワシントンポスト紙の2014年のものに出ています。

How the Clintons went from ‘dead broke’ to rich: Bill earned $104.9 million for speeches
クリントン一家はいかにして「破産寸前」から大金持ちになったのか:ビルは演説で1億490万ドル稼いだ

www.washingtonpost.com

https://www.washingtonpost.com/politics/how-the-clintons-went-from-dead-broke-to-rich-bill-earned-1049-million-for-speeches/2014/06/26/8fa0b372-fd3a-11e3-8176-f2c941cf35f1_story.html


上のリンクは有料かもしれないので、ほんの一部をご紹介。

Bill Clinton has been paid $104.9 million for 542 speeches around the world between January 2001, when he left the White House, and January 2013, when Hillary stepped down as secretary of state, according to a Washington Post review of the family’s federal financial disclosures.
<訳>
ビル・クリントン氏は、ホワイトハウスを去った2001年1月から、ヒラリーが国務長官を辞任した2013年1月までに、世界中で542回の演説を行ない、代価として1億490万ドルが支払われていたことが、連邦財務情報開示調査で明らかになったと、ワシントンポストが伝えている。

www.washingtonpost.com

講演会ねえ。
香港にいた頃、このかた、
しょっちゅう来てました。
でも、日本もお得意様だったみたいですけど。

話を戻すと、
品質が下がっても
大きなパイを取る。
これから伸びようという国にとって、
このやり方は正しいんでしょうけど。
確かに頭もいいんですけど。
でも、
横から見てると、
自国民同士でも、
あんまり信頼しあってないように見えるのは、
余計なお世話?
先に金持ちになった人が、
後から来る人を
食い物にしているマーケットみたいに見えるのは
私が偏見に満ちているからでしょうか。
いろんな分野で
世界のトップを行くようになった中国製品の、
トイレブラシホールダーのプラスチックのクオリティなんて、
私が僻み多き日本人だから
(日本人全員ではなく私個人です)
問題に見えるだけかしら。

でも、そうやって考えると、
貧乏な庶民を食い物にしないばかりか、
その人たちが技術の恩恵を受けられるように頑張った
松下幸之助とか、
その同時代の企業家は偉かった。

うがった見方をすれば、

例えばプラスチック製品を作るときに
その使いやすさを追求しないのは、
使いやすい品質のものを
使ったことがない人たちが集まって作っているから。
と考えるのは、
間違っているでしょうか。
結構最近まで、
トイレを掃除するためのトイレブラシの存在や、
家庭で毎日飲むコーヒーメーカーの存在を、
知らなかった人たちが作る場合、
どんなふうに作ったら、
使いやすい良いものができるか考えるでしょうか。
これは、
もう一歩進めて考えると、
引っかかる質の悪い製品を、
当たり前だと考えて使っている
日本の若い世代が心配
ということです。

おばさんが若い頃はね、
トイレブラシのホールダーも、もっと安いけど品質が良かったのよ
なんて言われたら、
若い人も引いちゃいますよね。
はい、すみません。

でも、そういうものを毎日当然のように
買わせてもらい、
使わせてもらった世代の私。
一体どんな良いことをして、
そんなラッキーな世代に生まれたのでしょうか。

日本はかつて、
マーケティングテスト市場として最適、
と言われていました。
どういうことかというと、
使う人たちの要求が高くdemanding で、
製品の本質を考えてよく勉強して使う人が多かった、
ということでしょう。
私みたいに、取説読まない派も、
少し混じってますけど。

でも、
たかが一億人しかいない市場で、
高評価を取るよりも、
10億からの人がいる市場を制覇する方が、
ビジネス的には全然成功ですよね。
プラスチックがパカっと開かない商品でも、
10億の人たちがそれで幸せだ、といえば、
それでいいんです。
と、思います。

自分たちがいつマイノリティになっていくのか、
考えてみればはっきり線引きされてるわけじゃないから、
しっかり気をつけてないと、
気づいたときにはもう少数派、ということですね。

え?ブラシホールダーは捨てたかって?
開きっぱなしにして、使ってます。
ケチですから。
それにプラスチック製品を捨てるのは面倒くさいし。
最初から、
スポって差し込むだけの、
安いホールダーを買えば良かった。
あ~あ。


いいなと思ったら応援しよう!

リンゼ
よろしければサポートお願いします。それを励みに頑張ります。I would appreciate your support a lot.