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リンデン
2019年2月15日 21:50
「あのう…こんにちは」私はロサさんがいつもいる部屋の窓をノックした。しばらく経ってから、ガチャン、という音がして、扉が開かれた。「こんにちは。上がって」ロサさんはそう言って、私を出迎えてくれる。特別に笑顔を作ることのない、ごく自然な振る舞いが、緊張した私の心を穏やかにさせてゆく。ロサさんは、村から少し離れた林の傍のこの家屋で暮らしていた。軍人さんと共同生活をしているようだが、私がお邪魔