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リンデン
2019年4月14日 22:22
私たちは、ぽつりぽつりと話したり、あるいは心地よい沈黙を味わいながら、ゆっくりと朝食をとった。彼が話すのは、森の中でさえずる小鳥の名や、街に品揃えの良い楽譜屋を見つけたこと、私が調剤した頭痛薬が大変によく効いたことなど、他愛のない内容だった。彼は自分の過去を話そうとしなかった。森の中で薬草を摘んでいる最中に、全身に深い傷を負い、瀕死の状態で倒れている彼を偶然発見したのが1か月前。身なりから