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Panasonic ゲーミングネックスピーカー(SC-GNW10) 使用感レビュー
はじめに
こんにちは、ご無沙汰しております。
いつもはゲームを遊び尽くした上で抱いた感想をレビュー記事としてまとめております。
今回は番外編ということでパナソニックのゲーミングネックスピーカー(SC-GNW10)を使用してみて感じたことをレビュー記事にまとめようと思います。
なお、この記事はゲームレビューと同様に製品の普及を目的とした販促記事ではございません。
個人的に興味があって当然ながら自腹で購入した製品になりますのでメーカーへの忖度やポジティブキャンペーンは行いませんのでご留意下さい。
製品に関して
デザイン
黒一色でまとめられ、シンプルで余計な部分のない良いデザインだと思います。送信機に関しては思うところがあるので後ほど触れます。
高音の音質
※音質すべてに対して言えることですが、音質の良し悪しは解像度の面を除いて究極的に言えば個人による好みの違いでしかないと思います。
その為、音質の項目では音が良い悪いではなく、一般的に音が綺麗に聞こえると感じる、解像度が高いかどうかを音質として記載させていただきます。
(ここで言う一般的とは4万円ぐらいまでの市販のオーディオ機器(イヤホンやヘッドホン、サウンドバーを指します。)
中音や高音に関しては、一般的に高音質と感じられるレベルに仕上がっていると感じました。
正直、スピーカー*でここまでの音が出るならば不満はありません。
それほどにスピーカーとしてのクオリティは高いものだと感じました。
*ここで言うスピーカーとはイヤホンやヘッドホンといった耳に直当てするものではなく、サウンドバーやホームシアターシステム、外付けスピーカーといった音を正面に出す機器を対象としています。
この違いは圧倒的に音質に対する評価の仕方が異なります。
イヤホンやヘッドホンで感じる高音質を求めるならば、今回の製品はジャンル違いで的外れであるということになります。
低音の音質
こちらは個人によって評価の分かれるところですが、音楽を聞く分にはやや物足りない印象を受けました。
パソコン専用のソフトウェア内のバスレベル設定やイコライザー調整で増幅は可能ですが、最大に設定しても満足度は変わらない印象です。
(もちろん、設定内の最小と最大では鳴り具合の違いが顕著にわかります。)
なお、ゲームにおいての低音という観点ではそこまで物足りなさは感じません。これは音楽における低音とゲームで感じる低音が違うからだと感じています。
いずれの場合でも、送信機の裏側に別売りサブウーファーを接続できるポートがあります。低音を欲するならばそれで補って下さいというメッセージでしょうね。選択肢が用意されていることは良いと思います。
フィット感
私はネックスピーカーという製品自体がはじめての利用となりますが、よく考えられたフィット感になっていると感じます。
4点の突起を体に当てることで支えるようになっていて、それらの突起はうまく鎖骨などの骨部分を避けています。
とはいえ、本体は約400gあるのでいくら重さを分散していても長い時間利用していると重さによる肩の疲れは感じます。
また、これは時期的な問題で不運だとも思いますが、今の時期は冬に近づき寒くなってきた影響で室内では暖房を効かせない限り普段より厚着になってくると思います。
その為、服の形状によってはネックスピーカーの設置や固定に対してマイナスに働くなと感じました。
特にパーカー等、フードのある服を着ているとフードが完全に邪魔になります。フードを持ち上げてその下に設置しても持ち上げたフードが耳との間で音の出力を阻害するので聞こえ方が大幅に異なる印象を受けました。
なので、このネックスピーカーをメインとして使用するならば耳と肩の間に布が干渉するような服装は避けた方が良いと思います。
まさか着る服を選ぶとは考えてもみなかった…
シャツ1枚とパーカーで比較すれば全く別物みたいな聞こえ方になるよとだけ報告しておきます。※どちらの音が好きかは個人によって感想が変わりそうですけどね。
一概に良い悪いという形ではなくて、定位性というか聞こえ方が変わるんですよ。(語彙力)
外音遮断性
ノイズキャンセリング機能があるわけでもないのでこの項目は必要か考えましたが一応用意しておきました。
こちらのネックスピーカー、着用者*からすると実は結構外音遮断性があります。
というのも、本体がなかなかの音圧を持っていて、それを全力で耳に向けてのみ(本体から見れば上へ向けて)出力するので着用時は顔の周辺が音の壁になり、周りの音は聞こえづらくなっています。
この点から耳をふさがない割には集中できるのではないかと感じました。
もちろん、外の音や自宅の環境音などは聞こえます。
お母さんのご飯コールはどうでしょうね、場所や音量によっては聞こえないかもしれないので気をつけようね。
音漏れ防止
先程着用者からすると結構な外音遮断性があると記載しました。
そう、逆に非着用者からするとサウンドバーや一般外付けスピーカーのように周りに対してがっつり音が聞こえます。
これに関しては音量によるところもありますが、あくまでこのネックスピーカーは本体から見て上に向けて音を出しているのでその点で見ればスピーカーと相違ありません。
その仕様から、部屋の中央の地面に置いておけば部屋内が実質サウンドバーみたいな形にできます。
ゆえに、音漏れが気になるのであればイヤホンやヘッドホンとは比べ物にならず、サウンドバーや一般外付けスピーカーよりは着用者の距離に応じて気にならないレベルになるかもしれないといった形です。
※抽象的な表現なのはこの製品がネックスピーカーで人の首から上に対して音を出力しているという点、人が音の緩衝材になっているゆえです。
着用しなければ(使用方法と矛盾しますが)スピーカーと同じレベルで音漏れはします。※音量を小さくするという対処法は製品に矛盾すると思っているのでそんな仕方のフォローはしません。音漏れしませんよなんて言いきっているレビュワーがいたらメーカーへの忖度です。
なお、音量を下げても耳元への出力に特化しているので音は聞きやすいと思います。部屋の中で同居人がいるのであればスピーカーよりは配慮できます。距離にもよるけどほぼ確実に聞こえはするけどね。
ちなみに、この製品の質問として別のマイクを所持していて、このネックスピーカーを利用した際にそのマイクの音声にネックスピーカーの音声は乗るかというお話に関してはほぼ確実に乗ります。
この製品の内蔵マイクであれば音声カットの処理がされているので大丈夫ですが外部マイクだとまずカットできないと思います。
携帯性
まず、この製品自体に収納用のケース等は一切付属していません。
環境に配慮したであろう、パッケージ内にダンボール箱という形で収納されています。その為に携帯する用途はあまり考えられていないのでしょうね。
とはいえ、本体のサイズ自体は大きくなく、製品に目立った突起等もないので任意でカバンなどに入れて持ち運ぶことは可能です。
ただし、本体とは別に送信機が類似製品と比べると無駄に大きいので、これらをセットとして運ぶことを考えると選択肢にはならないかもしれません。
個人的なポイント
ゲーミングと言えばライティング!(光)
ゲーミングをうたう製品なら気持ちを上げてくれるライティングは外せません。(ゲーマー目線)
この製品は色こそ選べませんが、首にかけた際、左右の下部がライトブルーに光ります。
これだけでもゲーミング製品としてはありがたいよね!
マイクをミュートにすれば左右が赤く光ります。怪しいね!
ライティングなんていらないよ、誰もがゲーマーだと思うな。
わかります、そのお気持ちも。
ならば、その場合は設定から消灯させることもできますのでご安心を。
バッテリー
こちらの製品は約9時間利用できます。(スペック表を見ながら)
…そこまで利用していたらこんな早くにレビューなんてできませんよ。長い時間連続でゲームをするユーザーには向かないかもしれませんが、仮にPS5であれば先にコントローラーのバッテリーが確実に切れるので問題ありません。Dualsenseのバッテリー持ち最悪だよね。
ただし、昨今のワイヤレスヘッドホンに比べると利用時間は短めなのかもしれませんね。
どちらかと言えば、気になるのは満充電に約4時間かかることでしょうか。
昔の製品であればそんなもんでしょうけど、今の時代となって4時間もかかるのは長すぎるとしか…
一応USBケーブルを差しながら使用もできますが、その場合は最大音量が下がり、動作中は充電がされないという制約付き。
また、ワイヤレスが売りなのにケーブルを繋いでしまったら意味がない気もします。
遅延について
ワイヤレス(無線)と言えばこちらが気になると思います。
こちらに関してはBluetoothではなく2.4GHz帯による専用接続なので2.4GHz帯と記載してある他社製品と同じで感覚としては遅延を感じないと思います。
音ゲー?それはユーザー次第なので試してみてとしか言えません。
なお、2.4GHz帯の接続の弱点として専用接続の為に送信機と本体は固定になるのでどちらかが壊れれば片方は別の組み合わせでは使えなくなります。
故障したら丸々交換か買い替えですね。
本体内蔵マイクについて
こちらの製品にはマイク入力機能が付属しています。
駄声なので実際の音声をお知らせすることができませんが、一般的なヘッドセットマイクやお安めのマイクと比較すると明らかにクオリティは高いと感じます。
製品内蔵マイクなので製品から出る音声に対しては強力なノイズキャンセリング処理がされていて音声入力に環境音は乗りません。
※製品の音声以外の環境音、例えば雨や家事の音に対してもかなり処理が強いのではっきりと認識するレベルでは感じないでしょう。実際に指を慣らしたり近くでキーボードを打ってみましたが相当なカット具合でした。
これらの要素から、地味に配信初心者用としても利用できそうな感じはしましたね。
※ただし、サイドトーン機能はない為、自身の発する声は聞こえづらくなりますので注意は必要です。
音の定位性について
こちらの製品の売り文句として4chサラウンドというものがあります。
ヘッドホン等のステレオ表現に対して立体感を演出できるといったものです。
実際に聞いたところ、左右に対して音の定位性は感じましたが、前後に対しての表現はそこまでではないかなといった印象です。
イコライザーの調整について
パソコン専用のソフトウェアを利用することでイコライザーを自身で作成することができます。
イコライザーと言えば個人的な印象として音を無理矢理変えている印象が強くて苦手でしたが、この製品のイコライザーはよく出来ています。
人工的な音の処理を感じないレベルで音の印象を結構ガラリと変えることができました。プリセットとして設定されている「RPG」や「FPS」、「Music」といった項目を変更するだけでもだいぶ印象が違いました。
余談ですが、私はPanasonicのイヤホンも所持しています。
そちらはアプリでしたが、こちらのソフトウェアも含めていずれもよく出来ていると感じました。Panasonicさんの一番の評価ポイントは調整ソフトウェアなんじゃないかなとすら思います。
ゲーミング用途という惜しさ
これは個人的な要望になりますが、この製品の対応プラットホームがPC、Playstation、Nintendo Switchなのが非常に惜しい。
というのも、モバイル機器やテレビに対応してほしかったというのが本音です。
大きな送信機なのでモバイル機器だと邪魔にはなりますが、この製品をゲーム機器だけで利用するのはもったいないし物足りません。
この製品のポテンシャルを見ればテレビで映画などを見るときに接続したいという思いが強かったです。
それもそのはず、この製品の音質は高額なサウンドバーを上回ると感じています。
(サラウンドや音圧といった点で個人的に受ける印象として。ここで言う高額とはこの製品の価格以上の他ホームシアターシステムやサウンドバーを意味します。)
だからこそゲームという限定的なプラットホームで出すのは惜しい…
むしろそちらに対応していればメインで利用する機器になったと思います。
もちろん、サウンドバーと違って一人で視聴する環境に限られはしますけどね。
付属品について
こちらは個人的に感じた余談です。
ネックスピーカー本体こそ無駄を省いた上で安さを感じない良いデザインをしていると思いますが、付属品の送信機に関してザ・プラスチックな張りぼてですごい安っぽい印象を受けました。
サイズもそんなに必要?と思うような大きさで、底面には滑り止めのグリップすらついていません。
重量も軽いのでテーブルの上で滑りまわる姿はちょっとどうなのかなと思いました。
ケーブルに関しても、送信機から機器への接続は専用ケーブルで1m(100cm)、充電用ケーブルは0.2m(20cm)しかありません。
つまり、送信機は対応プラットホームの1m以内に設置が制限されます。
1mか~、設置環境によっては電波状況の良い場所に置けなさそうだなと感じました。
まとめ
と、ここまで項目別に感想を記載していましたがまとめに入ります。
このゲーミングネックスピーカー(SC-GNW10)はスピーカーとして見た場合に十分な音質と没入感を持った製品であると思います。
ただし、それを活かせるかどうかは利用者の環境に大きく依存することも忘れてはならないのがポイントです。
私は戸建て一人暮らしという結構レアなケースの利用者です。
その為、別に音を出す環境に対して外部への配慮が必要ではなく、同居人もいないので自宅内配慮も必要ありません。
そうなってくれば優先されるのは長時間利用可能であるかの快適さと音自体が好みでずっと聞いていたいかと思える音質となってきます。
その視点でこの製品を選ぶかと聞かれれば迷わず選ばないと答えます。
この環境下では選ぶに値する優れた点がないですからね。
音質や没入感、音漏れへの配慮であればヘッドホンの方が圧倒的です。
では何をもって選ぶかと言われれば何かしら制約のある、もしくはヘッドホン環境に不満を持っている場合になるでしょう。
ヘッドホンの場合、髪がつぶれてしまったり、頭や耳への圧迫に対する痛みがあり、個人的に許容できない場合ネックスピーカーは画期的です。そのかわりに今度は肩こりと付き合っていく必要があります。
また、何かしらの制約という点で見ればコミュニケーションが必要な同居人(家族や恋人、友人)がいる場合ですね。
ヘッドホンでは基本的に周りの音は聞こえないので迷惑をかけてしまいます。その点で周りの環境にも対応できるアドバンテージはあります。
加えて、同じ部屋を共有している場合(リビング)やマンション等の周りへの配慮が必要な場合もスピーカーに比べてアドバンテージがあります。
音を正面に出すスピーカーに対して耳に対して出すネックスピーカーは部屋に対する騒音レベルで言えば比較的マシです。
音量を下げてあげればなおさらですがそれについては先程の記述を参照。えっ、さっき部屋の中央に置けばスピーカーとして使えると言っていなかったか。それは大げさな表現だ、首にかけておけば大丈夫だよきっと。
Q. ごちゃごちゃと言っていてわかりづらい!
A. ごめんなさい、比較でまとめたのでご覧下さい。↓
音質: ヘッドホン > ネックスピーカー > サウンドバー、外付けスピーカー(以下サウンドバー表記)
音漏れ(する順): サウンドバー > ネックスピーカー > ヘッドホン
快適さ: サウンドバー > ネックスピーカー = ヘッドホン
没入度: ヘッドホン > ネックスピーカー > サウンドバー
コミュニケーションを必要とする同居人への配慮: ネックスピーカー > サウンドバー > ヘッドホン
マンション等外部の人への配慮: ヘッドホン > ネックスピーカー > サウンドバー
こんな感じでしょうか。
自身の環境を踏まえてより良いゲームライフをお過ごし下さい。