GNSSとは?「準天頂衛星みちびき」を勉強しています
最近、私の会社が宇宙ビジネス共創プラットフォーム『cross U』に加入し、宇宙に関する学びの機会が増えました。その一環として『準天頂衛星アカデミー』に参加したので、そこで学んだ内容をシェアしたいと思います。
イベント詳細はこちら
はじめに
私は、これらの専門家ではなく、アカデミーの受講者として知り得た情報を自分なりにまとめたものです。将来的に自分の会社に活用する場合もありますが、書く内容によっては古い情報や認識の違いがあるかもしれないので予めご了承ください。
GNSS(ジーエヌエヌエス)とはどんなものか
GNSSとは、地球上の位置を測るためのシステム全体を指します。中でも『みちびき』は、日本が独自に運営する衛星システムで、特に日本国内での位置情報の精度を高めるために使われています。
アメリカのGPS、ロシアのGLONASS、欧州のGalileo、中国のBeiDou、日本のQZSSなどが代表的です。
日本の準天頂衛星「みちびき」は、GPSと連携することで日本国内における高精度な測位を可能にし、さまざまな産業において重要な役割を果たしています。各国のGNSSシステムが連携することで、位置情報の信頼性と精度が向上し、グローバルなインフラとして機能しています。
詳細はこちらもどうぞ:https://qzss.go.jp/
GPSとの違い。
お恥ずかしいながら、GPSは、位置計測をする衛星が「GPS」だと当たり前だと思っていました!
勉強するとそれは違いました^^;
自分の知識の無さとの失望しつつ、以下のようにまとめてみました。
GPSとGNSSの違い
GPSはアメリカ合衆国が運営するGNSSの一つで、1993年に運用が開始されました。
GNSSはGPSを含む複数のシステムの総称で、各国・地域が独自に運営する複数の測位システムを指します。
GPSはGNSSの一部であり、他にも異なる国や地域が提供するGNSSが存在します。
みちびきとは?
一言で言うと、日本版のGPSですね。
日本の準天頂衛星「みちびき」
日本では、この「準天頂衛星システム」(QZSS)という独自のGNSSを運営しており、このシステムは「みちびき」という衛星群で構成され、GPSと連携して位置精度を高める目的で使用されます。特徴として、以下の点が挙げられます:
準天頂軌道(8の字のような動き)により、日本上空に長時間とどまるため、山間部や高層ビルの影響でGPS信号が遮られやすい場所でも安定した測位が可能。
センチメートル級測位などの高精度測位を提供。(CLAS)
日本国内の利用者を優先したシステムで、農業、建設、災害対策などさまざまな分野で活用
航空機での利用 (SBAS)
海外のGNSSシステム一覧
以下は、各国・地域で運営されている代表的なGNSSシステムとその特徴です。
アメリカ:GPS (Global Positioning System)(ジーピーエス)
世界で最も普及しているGNSSシステム。
カーナビやスマホなどでよく使われている。
軍事・民間の両方で利用されており、高精度な測位が可能。
他のGNSS(例:QZSS)と連携して、さらに精度が向上する。
ロシア:GLONASS (グロナス)
GPSに次いで広く使用されているシステム。
厳しい寒冷地でも安定した性能を発揮する設計。
冷戦時代に開発され、現在は軍事・民間の両方で利用されている。
欧州連合:Galileo (ガリレオ)
民間利用に特化したGNSSシステム。
高精度な位置情報を提供し、ユーザーのプライバシーを重視。
将来的に独自の緊急通信サービスもサポート予定。
中国:BeiDou (北斗) (ベイドゥ)
アジア太平洋地域で特に高精度の測位を提供するシステム。
多くの中国国内アプリや機器に採用され、軍事利用も含む。
グローバルな運用も目指しており、全世界でサービスを展開中。
インド:NavIC (Navigation with Indian Constellation) (ナブアイシー)
インド国内およびその周辺地域に特化したGNSSシステム。
地域限定での高精度測位を提供し、インド国内のさまざまな産業で活用。
災害対策や漁業など、地域密着型の利用が進んでいる。
日本:QZSS (Quasi-Zenith Satellite System) / 準天頂衛星「みちびき」
GPSと連携して、日本国内向けの高精度測位を実現。
準天頂軌道を使用することで、日本上空に長時間とどまり、山間部や都市部でも安定した測位が可能。
農業や建設、災害対策など、多岐にわたる分野で活用されている。
訓練との相性
私は現在、セスナ機でパイロット免許取得に向けて訓練中です。実際に飛行する中で、GNSSや準天頂衛星システムの重要性を改めて感じることが多々あります。
今までは、すでにある者をAPIや何かしらのライブラリで簡単に使える範囲でサービス化をしていましたが、これからは、もう少し一歩進んだ使い方をしたいなと思いました。
あと、航空系や宇宙系を進めていると言葉の頭文字を取ったネーミングが多いですね。QZSSやGNSSなど書くときに間違えそうです。
次回は、、、
次回は『みちびき』のさらなる活用例として、SLACやSBASといった高精度測位サービスについて詳しくご紹介したいと思います。これにより、農業や防災、そして航空分野でどのように役立つのかを掘り下げていきます!
参考情報