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耳当てのついたふわふわのぼうし
ひとりで海辺の街に住むんだ。というけれど、
みんながすきだな、。
どうしても、みんなのことがすきだよ。
ニットのぼうしをもらった。
かわいらしいふわふわの耳当てのついたぼうし。
うれしくて、愛おしくて
ぼくはこのために死にたいんだなと思った。
ちがうよ、このために死にたいんだよ。
きみは、何かをつくるひとをどうしても諦められないんだよ。
そう言われたでしょ。
言われたことに抗ってばかりで僕はどこへ行くんだろうね
みんなのことを嫌いだと思った。
自分のことを嫌になったからだね
だから、海辺の街に住むんだ。
かわいらしいふわふわの耳当てのついたぼうしを抱いて電車に乗ったよ。
情けないな、とっとと死んでおけばよかったんだよ、
ぼくにはふわふわのぼうしは編めないでしょ、
真っ黒の海を見たあの日から僕はなんにも変わってないな。
死んでしまえばよかったな。
どうしても、みんなのことがすきだよ。