モリアオガエルと私のだまし合い。
工場の中庭にモリアオガエルが卵を産みました。
希少種でもあり、なりゆき上私が育ての親となってしまい、オタマジャクシを育てています。
庭は雨模様。
そこで相変わらずモリアオガエルが鳴いて居ます。
どこにいるのだろう?
そっと近付くと鳴かなくなります。
しばらく離れていると、また鳴きはじめます。
足音を忍ばせて、一歩ずつ、抜き足差し足。
あと10メートルほどになるとまた鳴き止みます。
ダッシュで駆け寄り、探しますがやはりわかりません。
沈丁花の葉の色ときっぱりと保護色になり、見分けがつかないのです。
きっと沈丁花と密約を交わして、匿ってもらっているのに違いありません。
私は忙しいのです。
こんなことをしている暇はないのです。
お客様からお預かりしている衣類のクリーニングに追われています。
それでも気になってモリアオガエルを探します。
いちどだけ、きんもくせいの枝に止まっているのを見かけ、あわててカメラを持ってくるとすでにその姿はありませんでした。
あの木の後ろだろうか?息を殺しそっと近づく。
見えそうで見えない(笑)
こうしてモリアオガエルと私の、だまし合いの夏はまだ続きます。
追伸
2日後、オタマジャクシは山に返してやりました。
そしたら、モリアオガエルも鳴かなくなりました。
ふしぎです。