海老で鯛を釣ったのは誰?。
前回のお話しの続きです。
ゆうがたになって、野菜をお配りした親戚の叔父から電話が掛かってきました。
叔父は大変な釣り好きで、お魚がたくさん釣れたのでお裾分けしてくれるそうです。
他力本願で作った野菜のお礼に魚が頂けるとは、まるで我が家はわらしべ長者状態であります。
なんでも、叔父は昨夜から釣りのメッカ、隠岐の島まで船を飛ばして釣ってきたのだそうです。
あ、舟は飛びませんからね。あしからず。
そして大型のクーラの蓋が閉まらないほど釣ったと自慢げであります。
釣り人の両腕は縛って話をさせろと言います。どんどん話は大きくなりますからね。
で、舟から自宅まで、魚をばらまきながら帰ってくると言っています。
でも、我が家は叔父の家より1時間も内陸になるのですが、どういう事でしょう。
まあ魚がもらえるのであれば小さい事にはこだわりません。
まったく異議なし。
妻がバケツを持って玄関で待つというので、我が家でいちばん大きいバケツを引っ張り出して、持たせてやりました。
「絶対優勝してくるから!」
彼女はわけの分からない事を言いながら意気揚々と出陣します。
待つこと五分。やがて、出るタイミングを間違えた真夏のサンタクロースのように、プレゼントの入ったバケツゆっさゆっさと揺らして帰ってきました。
流石にでかい魚ばかりでした。
金目の目玉は500円硬貨くらいあります。
こういうのを、棚から牡丹餅とでもいうのでしょうか。
こちらの呼び名で「ボッカ」「金目」「チダイ」
チカメキントキは高級魚でとってもうまいです。これはお刺身ですね。
根魚は煮つけ。
チダイは小骨も多いけれど、焼き魚。
一般の家庭ではこれくらいの料理が限界でしょう。
で、妻が作ってくれたお刺身を頂きながらふと考える。
結局、一番得をしたのは私ではないかと。
こういうのを漁夫の利というんですね。