【SS】深煎り入学式|#毎週ショートショートnote
幸飛偉大学の今日は入学式だ。新入生が非常に多いので、式は三回に分けて行われる。
午前の朝一番に行われる『朝入り』その次の『中入り』そして午後に行われる『午後入り』かと思いきや、駄洒落とコーヒーが好きらしい学長の趣味で『深煎り』と呼ばれる三回目の入学式が自分の学部のものだった。
三回も祝辞を述べる学長としては、何か少しずつ趣向を変えての原稿を用意したのだろう。
「ようこそ、幸飛偉大学へ。まずは君たちに心から歓迎の意を伝えたい。君たちが最終学府として本校を選んでくれたこと、我々は真摯に向き合い深い理念の元、精一杯応えたいと思う」
「…(中略)… と、話が長くなると欠伸やらスマホチェックなどの不快リアクションが見受けられるので、そろそろ終えたいと思う」
「それでは最後に、学問も恋愛もスポーツも本校でとことん勤しんで欲しい。ただ深入りしすぎないように。深煎りはコーヒーに限る。以上」
よくわからない挨拶だった。
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本当によくわからないお話…