
Photo by
subarasikiai
【SS】プロのバナナ②|#毎週ショートショートnote
「井上はバナナは好きか?」
ある日、植物学者の木下は助手の井上に質問をした。
「食べ物としてのバナナですか?それともバショウ科バショウ属の植物としてですか?食べる方なら、普通に好きですね、博士。」
「そうか、良かった。研究所から品種改良したバナナが近々届くんだが、実の方の対応にも協力してもらいたくてね。タンパク質の成分を増やした、高プロテインのバナナ、なんか『プロのバナナ』とか愛称つけてた気もするが… それの味の評価もして欲しいそうだ。」
「お安い御用ですよ、博士。」
二人は届いた『プロのバナナ』を、まず食べてみた。思わず顔が強ばる。
「味の研究は、食品研究所のプロに任せた方がよさそうだな、井上。」
「容易に良質なタンパク質を得られる手段としてのプロのバナナの存在価値について、我々は研究していきましょう、博士。」
「うむ。バナナとプロテインを混ぜてシェイクするのは面倒だしな。」
[400字]
ちょっとは学者っぽくしてみましたが、何を言ってるんだか…な会話になりました。
植物系タンパク質の供給源としての新種のバナナ開発に、博士と助手もお手伝いする…の巻です。