新素材「LIMEX」の会社が国内最大級のリサイクル工場を運営する理由
TBM横須賀工場は、使用済みのLIMEXも廃プラスチックも一緒に回収し、再生ペレットに変えていくリサイクル工場です。
工場の紹介動画を基に、横須賀工場が目指す未来について、ご説明します。
LIMEXと各種プラスチックを近赤外線で自動選別
TBM横須賀工場は2022年11月に竣工しました。
工場長の福山によると、
「世の中で行き場を失った廃プラスチックを、いかに形を変えてまた資源として社会に循環させていくか。ここで寄与したい。
横須賀工場は年間の処理量が4万トン。使用済みのプラスチックやLIMEXを受け入れ、4万トンのうち2万4000トンを再生材化して世の中に再び循環させていきます」。
年間処理量4万トンというのは国内最大級!
まずは、雑多なプラスチックやLIMEXが混在したごみの山を自動選別機に投入。赤外線照射によってLIMEXはLIMEX、プラスチックはPP、PE、PSなど種類ごとに自動的に選り分けていきます。その上で破砕・粉砕し、水比重選別によってさらにしっかり選別して、最後に押し出し成形機で、素材ごとに再生ペレットにしていきます。
単純焼却とサーマルリサイクルが7割
サーキュラーエコノミーの実現には、プラスチックを燃やさず、物から物に再生利用する「マテリアルリサイクル」が重要です。
でも、ご存じでしたか? 日本国内で廃棄されるプラスチックは年間約800万トンに及びますが、そのうち単純焼却とサーマルリサイクル(エネルギー回収)を含めると、約7割は焼却されています。国内のマテリアルリサイクル率は低い水準にとどまっています。
TBMが開発した新素材LIMEXは、単一素材と同様にリサイクルができます。しかも、既存のリサイクル設備をそのまま使えます。これまでにも企業や自治体と連携して回収ボックスを設置したり、限られた場面では効率的な回収の仕組みを作ってリサイクルの事例を積み上げてきました。
しかし、LIMEX製レジ袋など市中に出回ったLIMEX製品を、大規模な分別回収によって資源循環のサイクルに乗せていくのは容易ではありません。そこでTBMは、LIMEXと併せて、社会課題になっている廃プラスチックも回収して、共に価値のある素材に生まれ変わらせる循環型の仕組みづくりに取り組んでいます。
新素材を世に出す以上、メーカーはその処分方法まで責任を持つのは当然のことですが、一緒にプラスチックのマテリアルリサイクルの問題まで解決してしまおう、というわけですね。
横須賀工場のモデルと国内外に横展開
その先駆けが横須賀工場です。そして、この工場のモデルを横展開して、国内各所でリサイクル拠点を形成していきます。さらにリサイクル工場の運営をグローバルに広げていく計画です。
最後は、TBMプラント部長の杉山のコメントです。
「TBMは、国内でもダントツの資源循環のトッププレイヤーになっていく。 そして、グローバルではリサイクル業界がエクセレントカンパニーであり、優秀な人材が集まっていく業界であると認知されているように、国内でも業界自体がそのようになっていきます。
それを先陣を切って実現する会社でありたいと思ってますし、それを海外にも展開して、グローバルでの大きな貢献をしていきたいと思っています!」
映画「アルマゲドン」では、ラスボスに挑む主人公たちが横一列に並んで歩くシーンが印象的でしたが、横須賀工場のメンバーたちも負けず劣らず、地球の未来を守るため、常に前進し続けます!