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ビアン主催のMIXバー(大賑い)

ちょっと頭を冷やしたい。

多様な人と出会うというのは、色々な人がいていいんだ、自由に生きていいんだと考えることにつながると思っていたし、そういう人ならば私の自由を理解してくれるという期待もあった。それで機会があればコミュニティに参加することを選んだのだ。

それはそれは楽しかった。見た目も趣味も様々な人が立て続けに来店し、MIXの意味が分からないで来てしまったノーマルの人も受け入れてワイワイ騒いだ。私は明日が早いから抜けたが、今もカラオケを挟んでシャンパンを空けているのだろう。
 また行きたいと思えた。人柄の良さに囲まれた空間だった。

自己紹介としては、Aセク自認だけど女の人のことも試してみたいと話した。「試してみなきゃ分からないじゃないですか。」もう何回言った言葉だろう。

私はその土地自体が初めてだったし、LGBT系のバーも初めてだった。持ち前の積極性を受け入れてくれるお店だったので、目が合う人とお辞儀しあって沢山話し、後半は誰かの紹介でそこに居る人みたいに馴染んだ。

でもやっぱり、この世は恋愛が分からないことが分かる人と、分からない人の2種類がいて、Aセク以外の性を自認したということは、彼らは「好き」を経験し追い求める側なのだった。

最初っから最後まで
ずーっと下ネタ。酒が入ったらもっと凄い。

下ネタはいい、軽口は叩ける。恋愛もいい、応援してるよ。
だけど私は場のそういう空気をヨイショするための、これまで苦しかったときと変わらない記号的存在になっていたんだ。

Aセクにとって自分らしさを表すということは、「何もしない」ことだと思う。そして「何もしない」ことを認めてくれる場所こそが安心できる場所だと思う。

これなら「普通」のバーに入って、恋愛のためにはある程度相手へのリスペクトが必要だと学んだ人の中で、拒否されるのを怖がる文化の中で、居心地良く過ごした方が私らしいんじゃないか?

まあ私は下ネタを殆ど感知せずサラリと受け流せるからこそAセクなところがあるから、ノリで発されるセクハラで傷つくことはないですよ。でも私は生ハムを人手に食べさせて貰ったからってネコ適性はありませんよ。
 そういうこと言うの、LGBTの外でも性の尊重にならない行為でしょ。

と、図々しく思って、しかしそれは「外」の感覚と同じだ。

とある性の尊重が出来ない空間というのは、そのほかに守るべき性があるということで。
 あの環境こそが性を表現する場所に丁度いいからこそ、おおらかで優しい人たちの居場所になっている。

ならば私の性が尊重される場所はどこかというと、とっても楽しかったけど、何もしないことを尊重されるのは、あの場所じゃない。

アクションせよアクションせよ、変われ変われ頑張るんだ。

人は誰かに恋をして、恋をしたら性行為したくなるんだ。
まだ若いんだから、諦めちゃだめだよ。
そこ仲良いね、付き合っちゃえよ。

……変わらないことを選べるのが、レインボープライドじゃないのか。
 もしかしたら将来誰かを好きになる可能性があるとしても、今はマイペースで居させてほしいよ。

今はAセク、今はレズビアン、今は異性愛者。
LGBT QIA。
↑この間だって分かり合えないんだ。
自分を守るために図々しくなってしまうんだ。

それならマイノリティを抜け出して、まだ私のことを分かってくれる人のところへ。居ないかもそんな人。じゃあせめて、自分らしさを自作できるところへ。

とっても暖かい場所で、良い人たちだったな。
 でも性的恋愛的なことに興味がありませんと言ったら、もう入れなくなってしまうんだな。あの場所に守られている誰かの性の自由を壊してしまうんだな。

望ましい人間関係が恋愛ではないことは、それ以外の全てのセクシャリティーから分かってもらえない。

ダメだった、同性を好きになれるか試すということは、誰かと恋愛することを将来の予定にして、また焦ったり傷ついたりを覚悟することなんだ。

やっと納得出来たのに、前の暮らしに戻りたくない。私は自分の信じる世界を大切にして生きると決めたんだ。この信念が折れるくらいの重要なことが起きるとすれば、それはその時で、さらに他のAセクもそうだという証明にはならない。

ありがとう、また遊びに行きたいです。
でもその前に、最初からAセクとして他のバーに遊びに行って、どういう関わり方をすれば上手くいくか、それとも

あぁ、だめだ
 また私だけが相手を尊重して、私のことは誰も分かろうともしてくれないで、それが苦しくなって関係が終わる。
 もう関わらないことが、お互いの世界を守ることになるんだ。

人との繋がりが欲しいくせに、頑張って作ったそれを自分から切り落として絶交絶交絶交。大学に入って何度目だ?
 でも最善のやり方を学んでもう誰も傷つかないようにできるってことは、それだけ成長しているということかな。勇気を出してバーに入って、学べて良かった。

あと地元にもそういうバーは沢山あるらしい。
 もう興味はないかな、私は「普通」のバーで美味しいモヒート飲むんだ。私と程よく距離を置いてくれる人たち、「Aセク」って言ったらとりあえず配慮を試みてくれるだろう人たちと良い夜を過ごす大人になるんだ。

エスニックバーとか興味あるな、カレーが美味いらしい。

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