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ありがとうに秘められた魔法
【ポジティブサイコロジー(ポジティブ心理学)】
ちょっとした日常の行動を見直すことで、幸せに生活するきっかけを提供するコラムです。
誰かに親切にされた時、どう答えますか?
「ありがとう!」
「申し訳ありません(すみません)、、、」
『ありがとう』と答えると、「申し訳ありません(すみません)」よりも、
みんなをハッピーにできるよ、というお話です。
語源から考える「ありがとう」
「ありがとう」は仏教由来の言葉とも言われています。語源的には、このようなことが起こったのはありえないくらい素晴らしいことで感謝します、という意味だと言われています。
「申し訳ありません」「すみません」というのは、東洋的な発想だと言われています。
相手の方に「お手数をかけた」ことに対して気を遣ってのべる言葉です。
さてさて、西洋ではどうでしょうか?
英語ではThank you. です。ThankはThinkと語源が同じで、相手のことを考えて、感謝しています、という意味です。ドイツ語のDanke. も、同じ語源で同様の意味です。
フランス語では、Merci. です。Merciは英語のmercyと同じで、恩恵に預かる、という意味になります。なので、Merciは相手に恩義を感じています、という意味が含まれています。
西洋では恩義を感じる、相手のことを考える、というような意味合いなのです。
日本:
申し訳ありません、すみませんー 相手を考えて気を遣って言う
ありがとうー ありえないようなことが起こったと思えるほどの気持ち
西洋:恩義、相手を考える
こうしてみると、実は「申し訳ありません」「すみません」の方が、西洋的な考えー 相手を考え、恩義を感じているのに近いようにも思えます。
実は受け取る方の意味合いが決定的に違う
語源的には、むしろ「申し訳ありません」の方が、西洋のありがとうに近い感じもするのでした。
でも、欧米では厚意に対してはほぼ、Thank you. としか言わないです。
もちろん、「こんなに準備してくれて、大変だったでしょう?」みたいな相手を労う言葉を付け加えることはありますが、Sorry. や I apologize. のような謝りで返すことはありません。
日本人のクセで、アメリカに来たばかりの頃は、相手の厚意に対して、よくSorry,...と返していました。
すると、必ずと言っていいほど、
"Don't say sorry. "
と返されるのです。
むしろある時、アメリカ人に「なんで日本人は何かしてもらうと謝るの?」と聞かれることもありました。「謝られると、なんかこっちが悪いことをしたような気分になってしまうよ。」と言われたこともあります。それ以来、謝ることはなくなり、なんでもThank you. で返すようになったのは言うまでもありません。
そうです、謝られると、自分は相手のことを考えている気になりますが、相手からすると、悪いことをしたような感覚を植えつけてしまうこともあるのです。
極論でいうと、相手を気遣う言葉が、逆に相手にネガティブなイメージを与えてしまう。そして、実はそれを言う自分も、ネガティブな言葉を発し、否定形で完結することで、自分自身のセルフイメージを低くしてしまうこともありえるのです。
相手に感謝を伝え、ねぎらいの気持ちも込めるには?
実は、『ありがとう』だけでいいのです。
でも、ちょっとしたコツがあります。
それは、気持ち(エネルギー)を込めることです。
どういう気持ちかというと:
相手の労力を考える気持ち
「ありがたい(起こりえない)」ことが起こったことに感謝する気持ち
自分の受けた厚意を、周囲の人に還元する気持ち
です。大事なのが、相手をきちんと評価し、自分のセルフイメージを下げず、そして感謝の気持ちを周りにシェアすることなのです。
これが、実は幸せに関係する3つの幸せホルモンに関係するのです。
ドーパミン:物事を達成したり、報酬を得ることで感じる快楽
セロトニン:優しさや、人とシェアすることで得られる悦び
オキシトシン:人とのつながりを感じる喜び
そうです、気持ちを込めた『ありがとう』は、自分、相手、そして周囲の人に伝播するポジティブなエネルギーを持った魔法の言葉なのです。ホルモン的に見ても、相手は癒され(ドーパミン、セロトニン)、自己評価や自己肯定感は高まり(ドーパミン、セロトニン)、そしてその結果として、自分から他の誰かへそれを伝播したくなる(セロトニン、オキシトシン)のです。
今日からぜひ、『ありがとう』でしっかりと厚意を受け取り、何倍にもして返す気持ちで生活しましょう!