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ハッピーシェアリングでステージを上げる

If you get, you have to give. 

アメリカの最初の職場のメンターが
ある時盛大なホームパーティーを開きました。

聞けば毎年開いているというこのパーティーは
自分がお世話になった人はもちろん
まだほとんど関わりのない入職したての人や
その家族や友達など、100人近くを呼んでいます。

海に近く、人を呼びたくなる素敵な庭のある一軒家。

ホームパーティーといえばハワイの主流はポットラックと呼ばれる
食べ物や飲み物を持ち寄ってシェアする方式。
当時は何を持っていけば良いのかわからなかったので
率直にメンターに聞くと、食べ物も飲み物も自分が
準備するので特に何もいらないよと。

当日パーティー会場に着くと、料理もデザートも飲み物も
おそらく倍の人数でもいけそうなくらい大量にあり
まるでホテルのビュッフェのようになっていました。

半分くらいはホストであるメンターが準備したようですが、
残りはゲストの持ち寄りとのこと。

もちろん自分も持ち寄りましたが、ちょっと少なかったかなと思い
メンターに聞くと、その気持ちで十分、との返事。
みんながそうやって気を使ってくれるから、あんなに食べ物があるよと。

後日、素敵なパーティーのお礼にメンターとランチをした時に、
思い切って聞いてみました。

「素敵なパーティーでしたけど、料理とか後片付けとか
大変じゃなかったですか?」

するとメンターは笑って答えてくれました。

メンター
「みんなが楽しんでくれれば大変とは思わないよ。
気を使って食べ物を持って来てくれる人、
掃除を手伝ってくれる人、盛り上げてくれる人、
ひたすら飲んで食べてる人、いろいろな人がいるけど、
目的はみんなが楽しい時間をシェアすることだからね。
ああいう状況だとみんな自然に何かシェアしようって思えるもの。」

自分
「なるほど、ハッピーシェアリングってわけですね。」

メンター
「ははは、それを言うなら sharing happiness だよね。
まあ、Happy Sharing Boxっていう、いらなくなったものを
集めて恵まれない人に寄付するボックスはモールとかに
置いてあるけど。Happy Sharingっていうとシェアを楽しんで!
とか他の人に呼びかける時に使う感じかな、、、」
「似たような話だけど、The Hacking of the American Mind で
話題になったように、ハピネスは人との関わりで生まれるし、
もらうよりも与えたりシェアする時に感じるものだよね。」

自分
「それってやっぱりキリスト教の文化からくる考え方なんですか?」

メンター
「お金に限った話ではないけど、自分が何かを得たら、
それをシェアしたりあげたりするのは、キリスト教に限らず
人間に生来備わっている倫理観なんじゃないかな。
日本人だって困ったら助け合うでしょ?」

自分
「日本人は辛い時に助け合う、みんなで我慢する、
みたいなのはとても自然な価値観かもしれません。
でも、幸せをみんなでシェアするのはアメリカ人
ほどはしないかもしれませんね。」

メンター
「なるほど。でも日本人はよく飲みに行ったりするでしょ。
仕事の後とか、忘年会とか。そういうのアメリカでは
あまりしないよ。楽しそうでいいよね。」

自分
「確かに、宴(utage)は好きかもしれませんね。何かを
達成した後にみんなで喜びを分かち合うのは楽しいし。
むしろ、宴のためにみんなで頑張るところもありますからね
(マンガ・ワンピースのシーンが思い浮かぶ)。」

メンター
「ほらね、人間はそういう生き物なんだよ。太古の昔から。
だからパーティーだって、みんなが楽しければ大変じゃないでしょ。
それにね、医者って患者さんを助けるのが仕事だし、
治療だけじゃなくて気持ちとか色々なものを与えているつもりだけど、
自分は幸せではないな、って感じることってない?
やっぱり、一方的に何かしても幸せは感じられないからこそ、
シェアの気持ちが必要だよね。医者が本気で喜ぶと患者さんが
すごく嬉しくなるって話もよくあるしね。」

メンター
「これから人生でも仕事でもステージをあげるなら、自分が
もらった分、周りの人に還元するのが大事だろうね。
アメリカではよく、
"If you get, you have to give."
って言うんだけど、お金だけじゃなくて、何でも
もらったら周りに還元しないと成功できない
って思われているんだ。
だから、シェアできない人はまだステージが低いと
思われるよね。仕事が job 止まりの人によく見られる
傾向だけど、仕事を career とか calling のレベルまで
引き上げようとすると、いつか自分の力だけでは
超えられない壁にぶつかる。
そういう時に初めて他力が必要になる。
普段からシェアする人はみんなから応援されて
そういう壁を超えていけるんだよね。
だからシェアの気持ちを忘れないようにね!」

なるほど、ワンピースでも強大な敵を乗り越える度に
宴をして仲間と喜びを分かち合い、コアメンバーの
キズナを強くし、応援してくれる人を増やしていく。

日本人には本来的に調和や協調の精神があるから、
それを辛いことに耐えて強くなることに向けるだけでなく、
みんなが幸せをシェアして手を引き合って「和」することが
できるようになるといいなと祈りつつ、今日も一日一善

Happy Sharing!

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