歌詞の書き方 part1

どうも。なんの因果か分かりませんが6年くらいバンドをしているちゃーりーです。
パートはギターボーカル。作詞曲。
メロディラインの書き方やコードの分析などは多分俺より詳しい人がたくさんいるしある程度理論的に証明されているので、今回は俺なりの歌詞の書き方をご紹介したいと思います。

もちろん良い歌詞ってのも人によって解釈が分かれますし、プロの作詞家って多分一番道のり的には険しいと思うのであくまで俺の歌詞の書き方。俺みたいな歌詞をどうやったら書けるかって話をしたいなと。

実はポイントは二つくらいしかないです。

一つは抽象と具体の繰り返し。
もう一つは物理的な距離の遠近感の繰り返し。

もうマジでこれだけです。

この手法自体は短歌の時代から擦られ続けてるので知ってる人からしたら当たり前のことではあるんですが、当たり前のことを当たり前にできる人が結果的にすごかったりしますからね。

要は歌詞の中で緩急をつけろって話です。
曲を作る際、オケでAメロはギターを弾かなくてBメロからブリッジミュート、サビでコードかき鳴らし、みたいな流れがあると思うんですが、それも緩急です。
音楽で起承転結をつけようということです。

例題を出します。

何があったって構わない 君と生きていくよ
たとえ奇跡なんか一つも起こらなくても
縺れ込む歩幅 アルペジオ 準急で神戸まで
たとえ時代が遠ざかっていっても

夜は天使みたいに二人をどこかへ連れ去って
ユニットバスの水蒸気と公転周期 君とメロディ
軌道傾斜角に五度で当てるコーラス ただ君のために
銀河巡礼概論a 飛ぶコツは振り向かないことさ

何があったって構わない それでも生きていくよ
たとえ世界一とか、そういうのじゃなくても
Twin Reverbはどこまでも消えないで遠くまで
たとえすべてを忘れてしまっても

僕ら情熱をなぜか正義か何かと決めつけて
心斎橋の水曜日は最終定理を唱えてる
平衡定数と二度でぶつかるコーラス 君を信じてる
夜空周遊体論a 飛ぶコツは振り向かないこと

夜は天使みたいに二人をどこかへ連れ去って
ユニットバスの水蒸気と公転周期 君とメロディ
軌道傾斜角に五度で当てるコーラス ただ君のために
銀河巡礼概論a 飛ぶコツは振り向かないこと

何があったって構わない、君と生きていくよ
たとえ奇跡なんか一つも起こらなくても
縺れ込む歩幅 アルペジオ 準急で神戸まで
たとえ時代が遠ざかっていっても

これはpk shampooの3D/Biela
という曲の歌詞ですが、この曲がわかりやすいかなと思います。

何があったって構わない 君と生きていくよ
たとえ奇跡なんか一つも起こらなくても
縺れ込む歩幅 アルペジオ 準急で神戸まで
たとえ時代が遠ざかっていっても

頭Aメロの歌詞、
最初の何があっても〜から一つも起こらなくても。まではすごく抽象的なんですね。何一つ具体的なことは言ってない。ただそのすぐ後、

縺れ込む歩幅 アルペジオ 準急で神戸まで
たとえ時代が遠ざかっていっても

ここら辺がめっちゃ具体的ですね。神戸って単語出すくらいですから、アルペジオも言うてしまえば具体的な要素ですね(まあアルペジオって単語は具体的だけどこの流れで出てくると抽象に含まれそうだから中間って感じはしますが、だから言葉区切って突っ込んでるんでしょうかね)
ちなみに準急で神戸まで行く電車なんて存在しないので、その辺りオシャレですね。ここら辺も具体に見せかけた抽象です。

縺れ込む歩幅〜=おそらく視覚的には近い
たとえ時代が遠ざかっていっても=遠ざかってるんだからそりゃ遠い。
みたいに、物理的な距離感的にも遠近感を利用してる気がします。

ここのバースは抽象→具体に行ってるように見せかけてずっと抽象という、まあ隠喩とかを使って上手く表現しているところです。普通の人は真似できないです。

夜は天使みたいに二人をどこかへ連れ去って
ユニットバスの水蒸気と公転周期 君とメロディ
軌道傾斜角に五度で当てるコーラス ただ君のために
銀河巡礼概論a 飛ぶコツは振り向かないことさ

天使みたいにってところがかなり抽象ですね、
そのすぐ後にユニットバスの水蒸気〜の流れで具体の雰囲気を出してギャップ、緩急を作ってる感じです。

天使みたいに二人を連れ去ってる=遠い
ユニットバスの水蒸気=視覚的に言えば近い
こういうちょっとしたことでギャップが生まれたりもします。そんな気がします。

軌道傾斜角は具体なんですが、それに付随する「五度で当てるコーラス」が具体に見せかけた抽象(pk shampooはこれを多用します)で緩急とギャップを作って、
最後に「飛ぶコツは振り向かないことさ」
普通に考えれば薬とかで飛ぶの「飛ぶ」のニュアンスなんですが、頭に天使を突っ込んでるので意味に含みを持たせていますね。このバースだけで綺麗に起承転結させているのですごく耳に残る歌詞になっているのかなと。

こんな感じでこの曲は終始
具体→抽象
或いは
抽象(言葉の響き的には具体)→具体

の繰り返しでできている気がします。
それとまあpk shampooはよく使うのですが、多少バンドに詳しい人間しかわからない言葉を使う。というのも一つのコツだったりします(コーラスとか、ツインリバーブとか)

まあ詳しいコツとかを言い出すとマジで終わらないんでやめますが、大切なのは具体と抽象。
遠近感(物理的)だと思います。

漫画を描く時とかでも、視線誘導っていうのが普通にあるので、それを歌詞でも利用しようという考えです。歌詞の構成を考えるとき、歌詞を見た人が頭の中でイメージした時に、上のコツを大切にすると頭に残りやすい歌詞になりやすいかと思います。


今回はここら辺で終わりたいと思います。
あくまで俺の考えの良い歌詞の書き方なので、もちろん人それぞれです。

次回はワードパワーのお話でお会いしましょう。

駄文、散文。失礼しました

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