クジラについて

セルフライナーノーツ、赤裸々、恥の上塗り

自分の過去曲を振り返ろうの会。

クジラという曲について

クジラ

真夜中に鳴ったアラート
生ぬるい風が頬を刺す
ゆっくり落ちていく
その速度にゲインを足して

まどろんだ朝日
鼓膜に刺さる固定音に溺れて
息継ぎが上手くできないまま
声は泳ぐ

おやすみが上手く言えなくて
少し長引く夜
きっと不幸ではなかったんだろう
半透明な青春の中に君はいない
思い出してしまうよ

君のこと

おやすみが上手く言えなくて
少し長引く夜
きっと不幸ではなかったんだろう
半透明な青春の中に君はいない
思い出してしまうよ

夢の中

白色が僕らを飲み込んで
巨鯨が鳴らすその汽笛が二人を揺らす
ゆらゆら

クジラは、個人的に思い入れが強い曲です。
初めて身近な先輩のバンドが解散するってなった時に、そのフロントマンに向けて書いた曲です。


全体的にかなりわかりにくい歌詞になっていると思いますが、それは俺が素直に解散を認めたくなかった証拠でもあります。
その人は今新しくバンドをしているのでこの感情はもはやどう消化したらいいのかわからないのですが、大切な曲です。

テーマは鯨。俺にとってそれくらい大きな存在だった人もバンドを辞めてしまうんだと思った瞬間の感情を曲にしました。

真夜中に鳴ったアラート
生ぬるい風が頬を刺す
ゆっくり落ちていく
その速度にゲインを足して

ここのゲインは鯨飲と掛けてたりします。言葉遊びですね。まあハヌマーン節、山田亮一節です。

おやすみが上手く言えなくて
少し長引く夜
きっと不幸ではなかったんだろう
半透明な青春の中に君はいない
思い出してしまうよ


あんまり歌詞の解説をするのもどうかと思うのですが、ここはどうしても伝えておきたいので解釈の一つとして解説します。

おやすみが上手く言えなくて
少し長引く夜

ってのは、ライブをして打ち上げが始まって、楽しくて中々帰るにも帰れなくて、終電を逃して朝まで騒いでたあの時期を指します。
そんな日々もきっと、不幸ではなかったんでしょう。酒飲んで騒いで、それが少し心地よくて、、

そんな半透明な青春、俺がバンドを始めたのは19歳からなので、青春というには遅かったんですよね、だから半透明。
そんな日々にはもうあの人はいなくなるんだなぁと、そんな意味が込められています。

個人的にこの曲のベースソロ好きなんですよね。パンが考えたんですけど、結構ぶっ飛んでて良きです。普通ベースソロってスラップとかにいっちゃう気がするですが、普通にリードギターみたいな動きをするベースソロって少ない気がするので、俺の勉強不足かもしれませんが。

ラスサビ、落ちサビからのドラムだけになるところあたりは、サウシードッグのゴーストバスターの構成を参考にして作ってますね。これだけコード感もダークでサビも暗めなら展開だけでも最近のバンドに寄せようと思って、当時のメンバーと相談しながら作った気がします。

俺はいまだに息継ぎもうまく出来ないまま生きていますが、それでもバンドや、音楽や、言葉といったものに救われて生きています。そんな人が少しでも、一人でも居れば良いなと思います。そういう人がしんどい時にこの曲が抗うつ剤みたいになってくれれば、俺はすごく嬉しいです。

俺の半透明な青春はまだ終わっていません。
続きます。これからも、これまでも。
だからどうか、皆さんも、下手くそで良いので、息継ぎを繰り返して生き延びていきましょう。

駄文、散文。

以上、セルフライナーノーツ。
クジラについてでした。

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