なぜこんなにもトンデモ商品が売れ続けるのか?
人は誰でも生まれつき神秘的なものに心を惹かれる性質を持っています。それは、古代から現代にいたるまで受け継がれてきた「ヒト」という種の根源的性質なのかもしれません。まずこの種としての性質が人が簡単に詐欺商品に騙されてしまう理由の根本にあるのは確かですが、もちろん、それだけが原因ではありません。逆説的ですが、人が騙されてしまうのは近代以降の科学の発展が原因となっているのです。科学が著しく発展した近代以降、人は科学の恩恵を受け、科学の正しさと偉大さに信頼を置いてきました。しかし、得てしてその理論は難しく、一般の多くの人は「理論を理解する」ことにあまり興味がありません。故に、購買者の心のハードルを下げるのには「なんとなく科学的に正しそう」であることが重要で、それで十分なのです。さらに騙される人の背中を押すのは、「有名人が使っている」「大手の会社が販売している」「新聞・雑誌に書いてある」などの「お墨付き」です。基本的な科学知識があれば、あるいは調べてみれば、それが科学的にアヤシイことは簡単にわかるのに、つい評判や権威に頼って判断してしまうのです(ちなみに世界の各国と比べてみたとき、日本人の科学的リテラシーは大変低いと言われています)。でも、考えてみてください。そんな詐欺商品が実は健康を害するものだったとしたら? 詐欺師たちが、そんなことはお構いなしに人々を食い物にしているいるとしたら? あなたは許せますか?
【大学の先生もデタラメ】
大学の先生が言っているからという理由で簡単に信じるのも止めましょう。彼らはメーカーから多額の研究費をもらっており、メーカーの言うことには逆らえないという構造が現実としてあります。マスコミがスポンサーに逆らえないのと同じ構造です。そこには事実として「忖度」があり、酷い場合には「自分が儲けるため」に名前を貸したり記事を書く方もいます。ここまでくると、もはや科学者でも何でもありませんね。こういった輩に騙されないために、私たちは、権威主義に陥らないように気を付けなくてはいけません。
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この本の、特に「πウォーター」の項をぜひ読んでいただきたい。大学にもこんないい加減な御仁がたくさんいらっしゃるのです。
【大学院生も騙される】
少し前に、ある本を知人に読んでもらった時のことです。「たとえ内容がデタラメでも、専門用語がちりばめられたそれっぽい論文には大学院生でも騙されてしまう」という部分について、その人の感想は「大学院生でも騙されるんだから、私たち一般人にそれが正しいかどうかなんてわかるはずがない。だとしたら、正しいかどうを専門家がちゃんとチェックして世に示してくれないと困る。専門家にはその責任がある」というものでした。なるほどとも思いましたが、でも、これでは自己の責任を放棄していることにならないでしょうか。こういう人が騙されやすいんだろうなと思うのと同時に、「騙されたのは国の責任だ!」なんて言い出しそうな気がしました。騙されないための努力を何もしないで、騙されたら大騒ぎをする……何か違うような気がします。
【google先生は詐欺師!?】
ところで、googleで「トルマリン」を検索してみて気が付いたのですが、マーケティングがらみの情報ばかりが出てきて、必要な科学的情報がなかなか出てきませんでした。きっと、たくさんお金を払っている会社のリンクから優先的に上位に配置されるようになっているのでしょう。つまりこれは、googleが自社の利益に叶うかどうかによって情報の提供をコントロールしているということに他なりません。「わからないことはgoogleさんに聞いてみよう!」もまた、決して万能ではないと悟った瞬間でした。昨今流行りのAIにも警戒が必要です。AIの裏で何が行われつつあるのか、これからは本当に注意しないといけないと思います。われわれ消費者にとって、ますます「騙されやすい社会」がやってくるのかもしれません。
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