32.日本が独立・自尊の国になるためにー終わった人

内館牧子さんの小説「終わった人」(講談社刊)が面白い。
題名を見ただけで、主人公が定年後のサラリーマンであることが分かります。

米ソ冷戦が終わり、アメリカ一強の時代も終わり、世界は各国が自国の利益を主張し、同盟を結び、並び立つ時代になりました。
日本の「定年も終わった」のだ、といえないでしょうか?

明治維新によって急いで西欧列強の「帝国主義を社是とする会社」に急ぎ入社した日本という「新入社員」が定年をむかえたのです。

すなわち嘉永6年(1853)年、浦賀にペリー提督が黒船4隻を率いて我が国に開国を迫ってから、開国し政治形態を改めなければならないと朝野一致して、令和6年の今日まで、欧米列強の真似をしてきた、といって悪ければ学んできたのが、日本の姿です。

まず、明治22年(1889)の大日本帝国の制定であり、次に日清戦争(明治27年/1894年)であり、日露戦争(明治37年/1904年)、そしてその結果が昭和20年(1945年)8月15日の玉音放送(9月2日が降伏文書に調印した日)に繋がります。そしてマッカーサー憲法(現行憲法)の制定です。

「憲法典」などという成文憲法を制定しなくても良かったのですが、西欧列強に一人前の国家として認めてもらうため(不平等条約の改正のためにも)、大日本帝国憲法は必要だったのです。

今後、問題となるのが「憲法改正」問題です。
敗戦後、種々の事情はあるだろうが、戦前に勝る繁栄を謳歌して、令和6年の今秋に(岸田首相の辞任及び石破首相の解散総選挙による過半数割れ、が黒船以来の欧米文明の「言うことをきかなければ戦争に訴えるぞ」という西欧式(第一次大戦後はアメリカ)の文明を学んだ結果の破綻です。

日本にアメリカや西欧列強のような武力を用いて、世界制覇を狙い植民地を増やす政策はあっていなかったのでしょう。

日本には126代続いている皇室があれば、成文憲法がなくとも十分に国家運営が可能です。

国際連合は戦勝国の作った組織体です。Noteの令和6年10月17日の記事No.9に書きましたように、「敗戦国条項の削除」を求めて、戦えばよいのです。

傀儡政権下でつくられた憲法は無効である、というのが西欧列強の作った「論理」なのですから、日本は論理をもって戦えばよいのです。不文憲法で良いのです。

定年後、どういう風に生きがいを見つけるのか?
「終わった人」なんているのか?

現代的な「今」を書いた内館さんの小説。定年後の人は「終わった人」なのです。

しかし、事実はそうではありません。だから、小説になるのです。
内容は読んでのお楽しみ!
(つづく)


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伊藤博峰
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