41.日本が独立・自尊の国になるためにーロシアのプーチン大統領はソ連邦復活を目指しているって本当か?
ソ連邦が崩壊したのは1991年(平成3年)です。タイトルに記したようにプーチン大統領は「旧ソ連邦の復活を目指している」と言われても、俄かに信じがたいですね。
「筆者は、リオ・オリンピックを見ていて驚いたことがある。ロシア選手が金メダルを取って表彰式に臨むときに流れていたのは、ソ連の国歌だったからだ」
と書かれるのは、国際エコノミストの亡長谷川慶太郎氏です。
リオ・オリンピックは2016年(平成28年)ですから、4半世紀(25年)も経っています。
長谷川先生は続けて書きます。
「ロシアに作曲家はたくさんいるから、変えようと思えば国歌などすぐに変えられるはずだ。ソ連が崩壊して新しい国家に変わったのだから、その象徴として国歌を変えるのが普通である。国歌を変えなかったのには、ソ連をいずれ復活させたいという意図が透けて見える。
ロシア連邦になっても、ソ連時代の体制はそのまま受け継がれた。
それどころか、ソ連崩壊で失った構成国を取り戻そうとしている。
ウクライナへの侵攻もソ連復活への一里塚と考えると、わかりやすい……内部改革をせず、旧ソ連時代を受け継ぐつもりのロシアは、今後も発展することはない。以前のようにアメリカと対等の立場になりたいのであれば、ロシアはまず変わらなければならない」
(長谷川慶太郎著・世界が再び日本を見倣う日・PHP研究所刊126頁~131頁)
この著書が発行されたのが2017年(平成29年)3月ですから、体制の崩壊、体制からの脱却とは、いかに難しいものかが分かります。
なお、ロシア連邦国歌は2,000年にプーチン大統領の提案で、新しい歌詞に変え、ソ連邦の国歌と同じメロディを使用しているようです。
やはり大国であった頃の体制が忘れられないのですね。
日本の国歌は「君が代」です。小渕内閣の時、平成11年に「国旗及び国歌に関する法律」として、第1条に国旗は日章旗とする、第2条に国歌は君が代とする、とし歌詞と楽曲が制定されました。
もちろん国体の変更はありませんので、国歌の変更はありません。
(つづく)