6.日本が独立・自尊の国になるためにー役人は先輩を見習い勉強せよ!

「カミソリ後藤田」として名の知られた後藤田正治は、内務省から警察庁として官僚の道を歩き警察庁長官になった。その後、徳島県から政界に進出して政治家にった。

戦略、人脈、交渉力、決断力に優れた政治家であったが、自社さ政権の時、危機時に「権力の行使から逃げた」と批判された(「リーダーは権力の行使から逃げてはならないー2024/10/3投稿済」参照)。

しかるに万能の政治家も人間もいません。最近はどの分野をとっても「劣化」、が叫ばれています。例えば、「政治家の劣化」、「弁護士、裁判官、検察官の劣化」等々。

官僚が「劣化」して国民に良いことはありません。

今日は、カミソリ後藤田は如何に勉強家だったか、という事実を評論家の長谷川慶太郎(故人)さんが紹介している一文によって示します。

「ベトナム戦争終結後、円が200円を切りいよいよ100円代に入ったころのことだ。もちろんソ連がまだ存在していたときのこと、……私(=長谷川慶太郎氏のこと)が『これは何とか手を打った方がいいという意見がありますが、後藤田さんはどうお考えでしょう』と聞いたときに彼はすぐに、『ならないことはない。為管9条がある』と答えた。

私はびっくりした。……

後藤田が口にした『為管9条』というのは外国為替管理法第1章第9条のことで、……これは『大蔵大臣が緊急の必要があると認めた場合、取引を停止できる』という条文なのだ。

後藤田は、専門家でもすぐにはわかりにくいこの条文を熟知し、場合によってはこれが『使える』ことを知っていた。それほどに広範な知識を持つ戦略的な『勉強家』であったのだ」(長谷川慶太郎著・経済国防 ヴィレッジブックス発行 174頁~177頁)。

(注)#外国為替及び外国貿易法(現行)
 第9条 主務大臣は。国際経済の事情に急激な変化があった場合において、緊急の必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、政令で定める期間内において、この適用を受ける取引、行為又は支払等の停止を命じることができる。

 2.前項の規定により命じる停止は、その停止の時までにこの法律により認められている支払を不可能とするものではなく、その停止による支払の遅延は、政令で定める期間内に限られるものとする。

金融の専門家でない役人でも、できる人は勉強しているのです。役人の皆さん、皆さんに国民は期待しているのです。
誇りをもって勉強してください。

(つづく)


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