2025 年以降入学の大学生活 ー就活早期化・長期化と、公務員試験制度変更を受けた考察ー
結論:
大学 における「教養」は、公務員試験教養区分における合格 が証明し、教養が身につく対価として、大学卒業後 数年間における 国家公務員としての 就職保証を 大学 2,3 年生時点で確保することが一般的となる。
その結果、各大学の特性に合わせた大学 3,4 年生における「専門」を深めることが可能になる一方で、この流れに対応できなかった大学が淘汰されていくのでは?
特に
・企業との連携が取れている研究室については「公務員合格を前提とした、民間就職への挑戦と研究の両立」
・理論、アカデミアに偏る研究室については「公務員試験を合格とした、理論や各種実験を通じた学問の探求」
・各種資格やコンテスト挑戦等を行うゼミ形式 といった区分けが進んでいくのでは?
イントロダクション
1:近年の公務員試験制度
公務員試験教養区分が、総合職試験だけでなく、一般職試験でも 2025 年春試験から実施される。これらの試験は 大学最終学年でなくても受けることができ、合格が数年間保証される。
2:近年の大学生活
2-1【就職活動】
近年の就職活動において、空前の売り手市場、人手不足感などを背景に、早ければ大学 2 年生の秋冬、一般的には 3 年生の 夏頃から、インターンシップをはじめとした就職活動に勤しむ学生が多く見られる。
結果、早期内定確保により就活終了することから、公務員試験を目指すものの多くは「公務員が第一志望」が多くなる。公務員でもそれ以外でもいいという層は、早期に様々なきっかけに基づいて公務員試験を目指すグループから離脱しているという現状が見られる。
2-2【研究室生活】
大学最終学年付近において、多くの学生は研究室に所属するが、研究室における活動が就職活動や、公務員試験対策の学内講座等との両立が求められる。研究室運営側も、学生にとって魅力的であるために、これらの活動に対して可能な限りの配慮が必要となる。
一方で、所属学生の「研究室活動における人手」としての機能は年々失われている。これらの機能が大学院生に多くスライドする一方、修士学生にも就活があるため、博士学生に重圧がかかる。その対価として明確なものがこれといってなく、研究室活動の衰退、研究論文生産力の減少につながっている。さらに研究室運営及び予算獲得のための事務的手続きは増加しており、補助スタッフ等が増加しているという傾向は見られない。
以下は話題がそれたものであり、大学グループ別における 1 つの大学生活における過ごし方のモデル考察
薬学生の将来に関する戦略を考察した際の実感を流用すると、大学を3グループ程度に分けた際に、大学 1 ~ 2 年まで各グループごとのよい戦略に基づく 2 年間を過ごせると、それぞれのグループにおいて、固有の素敵な成長が見られると考えられる。
具体的には
・国公立や私大上位層は 国家総合職 教養区分試験を 1,2 年で合格するコース
・中堅私大層は 国家一般職 教養区分を 3 年前期で合格するコース
・中堅以下の大学生は 1 年目に自分の周囲環境構築に全振り → 国家一般職 教養区分 3 年前期合格を目指す。 4 年前期でもかまわないという目標設定で日々を工夫
各グループに応じた日常の積み重ねを通じて成長実感を得ることができれば、大学へ行った意義は見いだせると共に、明確に将来の選択肢が増える。一方で、漠然と過ごせば、どのカテゴリーであっても、機会を無駄にしたと感じやすいのではないだろうか。