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[詩]樫と榧

樫の木は私とは関係のないことですが、
彼方の黒い尾根の賢者は、
そのことを知っているようですね。
その豊かな教えを預けようかと迷う賢者は、
彼方のその海のような太陽の神のような、
そのあちらの抱擁を抱きしめていますね。
私は彼方を知ります。知りうる加護を渡すまでです。

どうしてでしょうか。
稲妻でも、梟の雪の走ります。
真っ新な書でも、深草の香りの残ります。
永遠でも、さら地の百年の恋は愛します。

どうして、榧の実を捨てようとするのですか。
私には考えられようもありませんが、
彼方に夢は似合います。
あなたは知らないのですか、
満月の踊りのかさの必ずお天道様の青となる場所の美しさを。
それでも、
葉月の月はいつも照り輝き、
彼方のこない夜も輝きます。

哀切たる雪は要りません。
衰えたこの身も射りません。
彼方の想い出がこの世から消えようとも、
私はあなたを愛します。

   瞳に月を映します、、、

      威小より

花の色は うつりにけりな いたずらに
 わが身世にふる ながめせし間に

「いたづらに」を「いたずらに」に変えました。

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