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SPEEDAデザイン原則のビジュアルができるまで

SPEEDAデザインチームは、以前デザイナーが制作の際に共通した認識を得るためのSPEEDAというキャラクター像、マインド、ビジュアル要素を "デザイン原則" として制定しました。(原則については過去のnoteをご参照ください)
いつでも原則に立ち返り、デザインに取り組む際のワクワク感や意思表示として原則ビジュアル制作のPJが立ち上がってから約10ヶ月、いくつかの波乱や思いを経て無事完成しましたのでお披露目させてください👏👏👏


SPEEDAの5つのデザイン原則


多面的だが、明快さがある
伝えたい内容を整理しながら、直接的に魅力を伝える。
多くの情報量と、わかりやすいデザインは共存できる。

Intricate but self-explanatory.
Clarify all you want to convey, but make it appealing on an intuitive level.
Say a lot without overcomplicating the design.

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先進的だが、親しみがある
新しい表現を探求しながら、日常に馴染ませる。
先駆けた美しさと、見る人を拒まないデザインは共存できる。

Progressive but familiar.
Explore new ways of expression, but make them feel familiar nonetheless.
Be progressive without putting off the viewer.

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洗練されているが、遊び心がある
世界を秩序立てながら、ユーモアのある創造性を育む。
美しさを保つ原則と、心が踊るデザインは共存できる。

Polished but playful.
Keep things orderly and polished, but infuse with playful creativity.
Find beauty in conventions without sacrificing play.

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寛容だが、闘志がある
冷静に物事を受け入れながら、情熱を表現に込める。
柔軟な対応と、熱狂的なデザインのこだわりは共存できる。

Flexible but bold.
Embrace change with a calm heart, but express your passion with a flare.
Be flexible without compromising the design vision.

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潔いが、余韻がある
削ぎ落とされた要素で構成されながら、人々の印象に残る。
簡潔な佇まいと、感性に残るデザインは共存できる。

Simple but enduring.
Remove the excess, but leave a lasting impression.
Craft something simple without it turning into something forgettable.

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Illustration : TANIA YAKUNOVA


いやー 感慨深く非常に洗練を感じますね。

原則ビジュアルにはApple, Google, Facebook, The Washington Postなどさまざまな企業をクライアントにもつウクライナ出身のイラストレーター、TANIA YAKUNOVAさんを起用させていただきました。
お察しの通り、決してイージーなPJではないことがお分かりかと思います。
その話に振れる前に、なぜ彼女に依頼することになったか、そして交渉につながるまでの過程をここでお話できたら思います。  


原則ビジュアルPJ

ビジュアル表現を検討すべくPJが発足したのは昨年の9月頃のこと。デザイン原則が出来上がった直後のことです。

手始めにSPEEDAデザインチームメンバー総出でデザイン原則らしさをビジュアライズするための方向性をリサーチして持ち寄り、ワークショップすることから始めていきました。その中でよりSPEEDAらしい表現を検討していきました。アイディアとして上がったのは、5つの原則それぞれのビジュアルに連動性をもたせること。またSPEEDAの洗練された世界観を表現する上で適したビジュアル表現には5つ手法があること。

リサーチ検証を繰り返しながらいくつかのアイディア候補を絞っていきました。リサーチする過程で、TANIAさんのアートワークがSPEEDAの世界観にとても近く、メンバーのワクワク度が高まり、独特な抽象的表現が原則の意図をうまく表現してくれるのではないかと合致し、最終的にはアーティストを起用することで原則を体現していくことになりました。

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Global Communication

方向性が決まったものの、海外のアーティストということもあり、グローバルコミュニケーションしていくことになります。
彼女への直接アポイントから約1週間、ようやく返事をいただくことができて細かく詳細を詰めていきました。
契約内容、条件、金額交渉、そしてビジュアルの方向性など多忙な彼女からのメールは1ラリーに2weekを要したため、2021年10月から始まった交渉は、年明けにようやく着地しました。そしてウクライナ侵攻がはじまったのは、契約書のサインをやり取りしていた最中のことでした。

まずは彼女の安否が心配でした。無事を確認できるだけでもよいと連絡を続けました。1週間が経ち、無事であることと避難している状況だという連絡がきました。同時にこのまま依頼制作を続けるのは難しいという内容でした。無事であることを確認できとてもほっとすると同時に、難しい状況に私達は唇を噛み締めざるを得ませんでした。

続行が不可能な状況でPJの期限もあり、他の案も考えなかったわけではありません。別案の検討に難航している頃、ちょうど侵攻が始まって3ヶ月が経とうとしていました。「もう一度TANIAさんに連絡とってみたら?」とCDO平野さんからの一言で、はっとさせられました。”そうだよね、諦めたくないな"と。可能であるなら彼女にお願いしたい、戦争を障害にはしたくない”と。 それからはダメ元で再度相談をすることになります。思いの丈をぶつけ、すると奇跡的に状況が落ち着いて再開できるとのお返事をいただく事ができたのです。

原則ビジュアルPJを経て

こうして世界情勢を巻き込んだ一大PJは、グローバルな視点を目指す我々Uzabaseと、戦争には屈しないというTANIAさんの諦めない信念が形となりました。原則と共創への強い思いが詰まったこのビジュアルは、私達の心に刻まれ、弊社のオフィスに、また現在制作中のSPEEDA Design Bookに収められます。
Design Bookの話もnoteで近々メンバーがしてくれることを期待し、ぜひお楽しみにしていただければと思います。


Project Member: Yurie Yokota, Kasane Shindo, Kurumi Fujiwara, Yuichiro Koga
Special Thanks: TANIA YAKUNOVA, Tomoki Hirano, Hiromi, Murakawa
OGP:Kurumi Fujiwara

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