drinking manって、飲んでいる男性?
前回までの記事で、他動詞(目的語を必要とする動詞)の過去分詞(〜edなど)を名詞の前に置くと、delayed train(遅らされる/遅らされた電車→遅れている/遅れた電車)のように、「OOOOされる/された OOO」という受け身の意味の形容詞になることをお伝えしました。
そして、まとめの部分でお伝えしたことは、以下の表で表せます。
名詞の前に置いて、形容詞のように使う現在分詞と過去分詞①
では、上の表で空欄になっている、他動詞の現在分詞(〜ing)は、名詞の前に置いて形容詞のように使われることはないのでしょうか。あるにはあるのですが、少し特殊で、以下の2つのパターンに分かれます。
パターン1: shocking news
本来、他動詞は目的語を必要とする動詞なので、他動詞の後ろには目的語が来ます。なので、その目的語をくっつけたまま他動詞の現在分詞(〜ing)が名詞の前に来ることはありません。
例えば、shockという動詞は、「(誰か・何かに)驚きや衝撃を与える」という意味なので、The news shocked the girl. (そのニュースはその少女に衝撃を与えた。)のように使います。そして、The shocking the girl news のように、後ろに「誰を」(ここではthe girl)という目的語をくっつけたまま、「現在分詞+目的語」を名詞の前に置くことはできません。
しかし、このshockingは、The news was shocking. (そのニュースは衝撃的だった。)とも使われるように、完全に形容詞と化してしまっています。このように、他動詞の現在分詞(〜ing)が形容詞化してしまっているものは、単独で名詞の前に置くことができ、能動態(動作の主体である)の意味を持ちます。ですので、shocking newsは、「誰かに衝撃を与えるニュース」という意味から、「衝撃的なニュース」と訳されます。このパターンに当てはまるのが、surprising(驚くべき)、boring(退屈な)、charming(魅力的な)などです。
パターン2: drinking man
また、本来は他動詞であるものの、目的語が省略されて自動詞として使われる場合があります。その現在分詞が名詞の前に置かれると、自動詞の現在分詞と同様に能動態(動作の主体である)の意味を持ち、形容詞のような働きをします。
例えば、「酒を飲む」の文法的に正しい表現はdrink liqour、drink alcoholなどですが、諸事情から(詳しく知りたい方はググってみてください)目的語が省略されるようになり、drinkだけで「酒を飲む」という自動詞としても使われます。するとdrinking manは「酒を飲む男性」となり、慣習的に「酒飲みの男性」という意味で使われます。
パターン1も2も能動態の意味
文法書には以上2パターンの説明がありますが、目の前に他動詞の現在分詞があり、それに続いて名詞が並んでいた場合、これはパターン1なのか2なのか?と考えている暇はないですよね?私も試験中や何かを読んでいる時に「これはどちらのパターンだ?」と考えたことはありません。〜ingという形の他動詞が完全に形容詞化したものなのか、それとも他動詞の目的語が省略されて自動詞になり、それの〜ingという形になっているのか、分からないことも多いと思います。実際に、パターン2として挙げたdrinkingも、辞書によっては形容詞として「酒飲みの」という意味が掲載されているものもあり、そうするとこれはパターン1とも2とも言えそうです。「パターン1であれ2であれ、いずれにせよ能動態の意味なので、「OOOOする/OOOOしている」と訳し、後ろに何らかの目的語が省略されていると考えればOKです。そして文全体が過去形の場合には「OOOOした/OOOOしていた」と訳される場合もあります。
まとめ
今日お伝えした内容を表1に加えると、以下の表になります。
名詞の前に置いて、形容詞のように使う現在分詞と過去分詞②
次回は、この表に書かれていることを覚えなくても、形容詞のように使われている現在分詞と過去分詞の意味を捉える方法をお伝えします。