ソバーキュリアスって何?
今日家に届いた紅茶メーカーのお便りの中に、「『ソバーキュリアス』という言葉をご存知ですか?」という一節がありました。聞いたことがなかったので、ソバ?何だ?と思ったのですが、その後に英語でsober curiousと書いてあり、その英語に興味が湧いたので、読み進めてみました。ちなみにsoberは、「ソバー」ではなく「ソゥバー」と発音します。
「飲まない」をポジティブに捉える
soberは「しらふ、酔っていない」という意味、curiousは「好奇心を持っている、興味を持っている」という意味ですね。そのお便りの説明によると、「お酒を飲めるけれど、あえて飲まない選択をすることで、睡眠の質や美容効果など、生活全体の質を上げるというポジティブな考え方。『お酒を飲めるけれど、飲まない方がクールだ!』と捉えている」とのことでした。
これを読んで、(お酒を飲むとじんましんが出るため)飲めない私は、「何とありがたい世の中の動きだ!」と思いました。私はお酒を否定しているのではなく、お酒を好きな方はそれを楽しめば良いと思っています。ただ、他の人が「飲まない」という選択をした時に、理由を聞いたりせず、言い訳を求めることもせず、その選択をそのまま尊重して欲しいな、と思うことが日本ではたまにあります。
私が出張で会ったアメリカの医学博士は、レストランでの食事でも、パーティーで皆がお酒を飲んでいる時にもお酒を飲んでいなかったので、「お酒飲まないんですね。」と話しかけたところ、「私は人々のためにすべきことがまだ沢山あるから、アルコールを飲んで脳細胞を殺すわけにはいかないからね。」と笑顔で話していました。その瞬間、私のように飲めないのではなく、自ら「飲まない」という選択を堂々としているんだ、、、と心から尊敬の念が湧いたので、飲まない方がクールだという捉え方にとても共感を覚えます。
2018年にアメリカで出版されたルビー・ウォリントンの著書『飲まない生き方 ソバーキュリアス』が欧米で話題となり、それから広まっていった動きだとの説明があったので、英語の意味を調べてみました。
sober curiousの意味
„sober curious“と入力して出てきた検索結果の中に、以下のような説明がありました。
„sober curious” literally means getting curious about your alcohol consumption. The idea is to question the personal and societal reasons why you drink rather than mindlessly sipping.
「ソバーキュリアス」の文字通りの意味は、自身のアルコール摂取に関心を持つようになること。よく考えもせずただお酒をちびちび飲むのではなく、なぜ酒を飲むのか、という個人的および社会的理由を問うことが狙い。
以前の記事「drinking manって、飲んでいる男性?」でもお伝えしたように、drinkが「飲む」ではなく「酒を飲む」という意味で使われていますね。
これでやっと、curiousが何に対し興味を持っている状態なのか分かりました。自分がなぜお酒を飲もうとしているのか、なぜ飲むのか、ということに対し興味を持ち、mindlessではなくmindfulになってみよう、ということですね。mindful eatingにも通じるものがある気がしました。mindful eatingには、目の前にある食べ物や食べている時の感覚に意識を向けるだけでなく、なぜ食べるのかに意識を向けることも含まれているそうですが、sober curiousは、お酒に意識を向けるのではなく、しらふの状態で、自分がなぜ飲もうとしているのかに意識を向けてみよう、ということのようです。
原語で理解する
どの言語においても、日々新しい単語やフレーズが生まれたり、単語が持つ意味が変わっていったりと、変化はつきものですよね。今日は2018年から広まったsober curiousという考え方が目に留まったので、英語で検索してその意味を調べてみました。
日本語でカタカナ表記されている単語やフレーズを英語で検索すると、日本語の説明とはニュアンスが違っていたり、意味自体も違っていたりすることが時々あります。翻訳される前の、元の言語(原語)で、その言葉が持つ意味から根本的に捉え直すと輪郭がはっきりすることが多々あるので、やはり英語圏で生まれた単語やフレーズは英語の説明を読んで理解できる方が、正確にその意味を捉えられると感じています。また目に留まった言葉があれば、紹介していきたいと思います。
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