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お手頃なエステートは安いだけなのか、それとも…… Toyota Corolla Touring 試乗記録 #3

今回はToyota Corolla Touringに乗ってきた。

このクルマはCorolla Sportをベースとしたエステートで、主に日本国内市場とニュージーランドで販売されている。日本国内市場などではCorolla Fielderの後継として、欧州などではAuris Touring Sportsの後継として2019年にデビューした。

欧州ではTouring Sportsという名称でCorollaのエステートが販売されているが、こちらはホイールベースがTouring, Sport, 日本等向けサルーンの2,640mmより60mm長い2,700mmとなっており、前後のオーバーハングも拡大して、より利便性もスタイリングと向上している。

さて、かつてエステート(ステーションワゴン)はファミリーカーの定番だった。斯く言う私も幼少期は母親のToyota Vista Ardeoや祖父のSubaru Legacy Touring WagonとAudi A4 Avantで育った。そのため、エステートが国内市場で絶滅危惧種となっている現状に憂いている。確かに、ミニバンは広いしSUVはバリエーション豊かで最低地上高が高いのが魅力的なのはわかる。しかし、クルマとしての性能と利便性の両方を取ることができるエステートこそ、クルマとしての基本的なパフォーマンスと乗り心地を犠牲にせずに、ドライバーもパッセンジャーも妥協せずに幸せになれる最適な選択肢ではないだろうかと常々思っている。しかし、この記事を執筆している現在、日本国内で販売されているCセグメントベースのエステートはSubaru Levorg、VW Golf Variant、Peugeot 308 SW、(シューティングブレークも含めると)Mercedes-Benz CLA Shooting Brake、そして今回乗ってみたToyota Corolla Touringの5つしか選択肢がない(多分)。今回は、特に直接のライバルとなるSubaru LevorgやVW Golf Variant、同じくCorollaの派生車種であり利便性も同程度のToyota Corolla Crossとの比較を軸に、このクルマの性格や利便性などを見ていく。

Information

Toyota Corolla Touring
年式:2019年
グレード:G-X
パワートレイン:1.8L 直列4気筒 自然吸気
トランスミッション:CVT
駆動方式:FF
最高出力:138hp(6400rpm)
最大トルク:170Nm(3900rpm)
車両重量:1.26t

Driving

このクルマの全体的な方向性は安定感と快適性だ。サスペンションはライバルであるVW Golf VariantやSubaru Levorgと比べてソフトな印象を受けた。路面の荒れた部分やマンホールといった凹凸の処理に優れている。重厚感は薄く、どちらかというと良く言えば軽快な感じ、悪くいえばGolfやLevorgと比べて価格相応のチープな印象があるものの、ソフトなのに安定感は十分ある。このクルマと同じGA-Cプラットフォームを採用するToyota Corolla Crossもそれなりにソフトで快適だが、重心高の違いもあるためかTouringのほうが安定感に優れている。ソフトな足回りでありながらコーナーでリーンしないので、郊外の峠道や山間部を走る高速道路でも不快感なく気持ちよく走り抜けることができる。しかし、完全に優秀な足というわけではない。高速域に於いて、マクロな凹凸(波打っているような路面)に遭遇するとサスの揺れが抑えきれず、縦揺れが持続しやすい。これに関しては同じようにソフトなセッティングでもLevorgの方が揺れを減衰させるのが上手い。

リアサスに独立懸架を採用したことは乗り心地と操縦安定性の向上に大きく寄与している

続いて操縦性だが、ステアリングはCorolla Crossなど同じメーカー同じプラットフォームのモデルと比較するとやや重めで操舵に対する反応には優れるものであり、先代型にあたるCorolla Fielderと比較すると大幅に良くなっている。ただ、特にレスポンシブなステアリングを持つCセグメントのライバル(Mazda 3, Honda Civicなど)と比較するとやや緩い印象はある。Sportモードにすると若干重くなり高速域での操舵性が向上するが、どの速度域でも総じて微小角程度の緩さ、遊びがある。クルマ自体の挙動や安定性は問題ないものの、操縦の安定感は一歩及ばすという印象だ。同様にステアリングの遊びが特徴的なLevorgはステアリングの中央位置から左右にそれぞれ5度程度明らかに軽く無反応な遊びがあるがその領域を超えると緩さがなくなり操縦した通りに綺麗にライン取りができるようになるが、Corollaはステアリングがどの位置にあっても常に微小角の緩い領域が存在し続けるため、クイックな操縦体験は勿論、気持ちの良いコース取りも厳しいと言わざるを得ない。故に、先代型Corolla Fielderのように軽すぎて極端に操舵に対する追従性が悪いわけではないが、ライバルとなるエステートと比較して荒削りな感じが否めない。

ブレーキは、Levorgのように反発が強く硬い踏み心地ではなく、その逆で柔らかい踏み心地だった。ブレーキの踏み込み量と実際のブレーキの挙動に大きな乖離はなく、純ガソリン車なのでハイブリッドカーによくあるような最後に強くブレーキがかかることもない。また、Corolla Crossでは意識的に最後まで優しくブレーキを扱わないと完全停止直前で前後に揺れる感じがしたが、重心の高さの違いが原因であったのだろうか、このクルマにはそういう挙動はなく快適であった。

静粛性に関しては、全体的にウィンドウノイズが大きい。80kmあたりからフロントウィンドウ上方や特にAピラーから風の音が強くなる。車体自体の静粛性はライバルと比較して劣るが、このクルマが210万円から購入できることを考えるとかなり頑張っていると思う。

今回乗ったモデルに積まれているのは1.8Lの直列4気筒自然吸気ガソリンエンジンで最高出力138hp、最大トルク170Nmとなる。トランスミッションはCVTだ。このパワートレインは街乗りから高速域まで可もなく不可もない程度のパフォーマンスを発揮する。ハイブリッドモデルもあるが、純ガソリンモデルの方がバッテリーの分軽量であり、エンジン単体のスペックが上なので(街乗りや低速域では加速時のモータのトルクは魅力的であるものの)、高速巡航や山間部のコーナーの多い道も含めると、総合して純ガソリンモデルの方が機敏で良い感じがするし、街乗りではエンジンがスムーズに吹き上がるためストレスなく走ることができる。

2ZR-FAE型 1.8L 直列4気筒 自然吸気エンジン

一方でこのクルマは当然ながらパフォーマンス重視のクルマではないので、高速域での追い越しや高速道路の合流ではパワー不足を感じるし、CVTであるから加速中は一定の回転数を維持したまま頑張るので、ノイズやリニア感の面で欠点となる。また、減速からの再加速といったシチュエーションでのもたつき、追い越しなど加速時のワンテンポの遅れは不満だ。ここはATのMazda 3やDCTのVW Golfに軍配が上がるし、同じCVTでもHonda Civicの方がATに近くストレスが少ない挙動をする。

アダプティブクルーズコントロールは全グレード標準装備となる。ただし、レーンキープアシストの介入は弱め。安全装置について気になったことは、パーキングセンサの作動音が甲高くて耳障りであることくらいか。とはいえ、Pレンジに入れないと安全装備の設定ができない一部のHonda車や、タッチパネルで設定の奥深い階層まで行かないといけないSubaruやVolvoと異なり、メータのディスプレイから簡単にon/offの切り替えができて使いやすい。特にパーキングセンサについては街中の信号待ちで歩行者を認識している時のような「ちょっと切っておきたい」時にステアリングスイッチ右の中央ボタンを押すだけで一時的にoffにできることを提示してくるので良心的だ。

最後に取り回し性についてだが、ボンネットが意外と短いので扱いやすい。明確に直線基調なデザインであるLevorgには劣るものの、窓の下端が低いこと、CピラーとDピラーの間に小窓があることなどから総じて視界良好だ。最小回転半径は5.2m。Levorgが5.5m、Peugeot 308SWとCorolla Touring Sports(欧州仕様)が5.3mであることを考えるとかなり良好な値で、日本の街中でも非常に取り回ししやすく、Levorgとの差は数値上だけでなく運転してても結構感じる。(それでもさらに上を目指すのであればGolf Variantの5.1mがある。)

Interior and Practicality

Front

正直言ってチープすぎる内装

まず、内装の印象についてだが、非常に安っぽい。確かに今回乗ったグレードは廉価グレードではあるが、正直(以前乗る機会があった)上位グレードでも印象は全く変わらない。全体が黒い樹脂で覆われていて、上位グレードはステッチ付きの合成皮革になるとはいえ、造形が安っぽいからどうしようもないし、シルバー加飾パーツの樹脂感が強すぎる(MazdaやHondaのような金属感が弱い)。Fielderよりは大分マシだが、あまり価格帯の変わらないMazda 3のようにデザインで質感やインテリアの雰囲気を改善しようとする気概が感じられない。

個人的な考えではあるが、左右に広がるインパネがセンターコンソールと独立して浮いているように見えるのが、ベンチシート採用の軽自動車やコスト削減でセンターコンソールを簡素化したYarisのエントリーグレードのような雰囲気を醸し出していると思った。もっと、センターディスプレイからセンターコンソールにかけての造形や存在感を改善して、コックピットの包まれ感を重視したデザインにした方が良いのではと思う。せっかく運転体験を大幅に改善したのだから、それ相応の"雰囲気作り"もしてほしいものだ。

センターコンソールボックスには12Vソケットと(現行モデルは)USB Type-C端子があるため、利便性は悪くないが、容量は小さい。また、センターコンソール全体とコンソールボックスの蓋の建て付けは良くない。価格相応の質感だ。

コンソールボックスは若干物足りないサイズ

ドアパネルはここまで営業車感を出されるともはや潔さを感じる。上位グレードでもアームレストが合成皮革になってシルバー加飾が加わる程度なので、Mazda 3やHonda CivicなどCセグメントのライバルと比べてしまうと華がない。

質素なドアパネル

とはいえ、利便性に関しては悪くなく、ドアポケットには500mlボトルが2~3本入る。特別大きくはないが、十分なサイズだ。

十分なサイズのドアポケット

流石にこの価格帯でもサンバイザーにはちゃんとバニティミラーがあるのでそれは安心したし、バニティミラーに照明がないのは価格的に許容範囲内だが、このクルマ、どこにも駐車券を挟んでおけるクリップがないのだ。当然、ŠKODA Octaviaのようにフロントウィンドウにクリップなんてないので、今回の運転で結構困った。しかし、現行型はバニティミラーのカバーにチケットホルダーがついているようなので、今は問題ないらしい。

駐車券の置き場に困った

メータはアナログで、4.2インチのTFTカラーディスプレイが備わる。現行型は中間グレードのGで7インチ、最上級のW×Bで12.3インチのフルデジタルディスプレイになる。しかし、最上級の12.3インチのディスプレイでもLevorgやGolf Variantのようにマップ表示などはできない単なるメーターの機能しかないので、あまりフルデジタルの恩恵がないのは残念だ。

メータクラスタ

Rear

実はCorolla Sportと大差ない後席居住空間

この記事の冒頭で述べた通り、このクルマはCorolla Sportとホイールベースが同じになっている。故に、後席の居住性はイマイチだ。シートの座り心地や床面から座面までの距離などは十分で快適だが、膝回りは成人男性であれば前席の位置にもよるが拳が1個入る〜ちょうどピッタリくらいになる。幸いにも前席下に爪先を挿入できるが、床面自体狭い。このクルマよりも後席が広いCセグメントハッチバックはいくらでもあるし、BセグメントのVW Poloの方が圧倒的に広い。

期待してたほど後席の居住性は良くない

後席に成人男性が3名並んで乗車するのは厳しい。頭上空間は特別狭い訳ではないが、足元空間の狭さが最大の要因だ。中央席の乗員の分の床はない。

頭上空間はSportやSaloonよりマシ。ルーフラインの傾斜がより車体後部になるので、その分圧迫感がなくなり、後席全体の閉塞感も薄い。とはいえ、身長176cmの私で頭上空間は拳一個あるかないか程度になるので、Levorgのようなライバルには劣るし、実は後席の頭上空間は(数値でも体感でも)Fielderが勝っている。

このクルマの後席の最も注意すべき欠点は乗降性の悪さだ。まず、最大の原因としてリアドアの開く角度の小ささが挙げられる。

リアドアの開口角度はかなり小さい

また、ホイールベースが短いためか、ドア開口部に対するリアのホイールアーチの張り出しが大きいことも原因だ。

張り出しが大きい

以上の原因によって乗降性が悪くなっており、当然ながらチャイルドシートの取り付けや大きな荷物の積載はかなり苦労する。

乗り降りのしにくさは要注意

リアセンターアームレストはシンプルな構造。特にスキーハッチのようなスルーローディング機構は存在しないので、それ以上語ることはない。

リアセンターアームレストはあるだけマシか

ISOFIXアンカーポイントはリア左右席にあり、蓋を着脱するタイプ。このタイプのアンカーポイントはチャイルドシートを装着しやすいものの、蓋を紛失しやすいし、蓋を再装着するとき結構硬くて大変なので私はあまり好きではない。

ISOFIXアンカーポイント

リアドアにはカップホルダーが1つあるが、500mlのボトルがちょうど入るくらいの浅いタイプなので、必要最低限の利便性と思った方が良い。ウィンドウは一番下まで開くので、閉塞感はかなり薄い。

センターコンソールの後ろ側は小物入れがあるだけで、特にこれといった機能はない。ただし、廉価グレードのX(MC前はG-X)以外のグレードでは後席用のUSB Type-Cポートが2つ装備されるため、充電設備には困らない。また、このリア用小物入れを見た時「上位グレードはエアコン吹き出し口があるのかな」と思ったが、Touringは全グレードリア用エアコン吹き出し口の設定がなかった。日本国内向けはCrossの上位グレードのみリア用エアコン吹き出し口があり、欧州向けなど一部の仕向地ではSportやTouring Sports、Saloonにも設定があるらしい。ちょっと残念。

最上位グレードでもリア用エアコン吹き出し口は設定なし

Boot

意外と奥行きがない……?

このクルマの荷室容量は392L。この数字はCorolla Sportの352Lと比較すると拡大している。しかし、Honda Civicの452L、Peugeot 308の412Lといった利便性に優れるCセグメントハッチバックと同程度だ。そもそもあまり幅の広いクルマではないし、お尻がLevorgやGolf Variantと比べて絞りこまれている形状であり、傾斜が大きいため、意外と大きな荷物の積載は苦手な印象を受けた。エステートたる積載性を求めるなら、Subaru Levorg(561L)やVW Golf Variant(611L)、Peugeot 308 SW(608L)を選ぶべきだ。これらなら容量だけでなく幅や奥行きも十二分にあり、角張った形状なので使いやすい。

また、Corollaシリーズを見ていくと、Corolla Crossの487L、Corolla Touring Sportsの596Lとなっている。特にCorolla Crossは(日本国内でほぼ同価格で購入できるし)幅が広くてより扱いやすい荷室を持っている。

とはいえ、Corolla Touringの荷室もCセグメントハッチバックと比べてば決して悪いわけではない。例えば、荷室の入り口は段差がなくフラットであるため、重い荷物の積載もしやすいし、Corolla Crossより床面が物理的に低い位置にあるので、重い荷物を扱う機会が多いならTouringの方が良いだろう。

入り口がフラット

また、エステートらしく荷室から後席を倒すレバーもちゃんとある。後席を倒す際にわざわざリアドアまで回り込む必要はないため、結構便利だ(Corolla Crossにはこれがない)。12Vソケットがないのは残念だが、荷物をロープ等で固定する時に必要なタイダウンポイント(リング)も十分な数あり、利便性は悪くない。

レバーで楽に後席を倒せる

後席を倒すとエステートらしい広大な荷室になる。アジャスタブルブートフロアが標準装備なので廉価グレードでも段差のないフルフラットな空間を実現できる。

フルフラットな空間

Infotainment System

今回乗った個体に装着されていたのはToyotaのインフォテインメントシステムとしては先代型にあたるもので、Apple CarPlayもAndroid Autoにも非対応なシステムであった。このシステムは操作性も視認性も悪く、デビュー当時の基準で評価しても決して褒められたものではない。しかし2022年10月のマイナーチェンジ以降はToyotaの最新のものが装備されているので心配はいらない。Xを除くグレードで8インチのディスプレイが標準装備となり、上位グレードにメーカーオプションとして10.5インチの車載ナビゲーション機能付きディスプレイが装着される。どちらもApple CarPlayはワイヤレス対応、Android Autoは有線のみだが対応している。これらのシステムであれば、十分にレスポンシブな挙動と視認性に優れたUIを持つため、インフォテインメントシステムに関する不満はないだろう。

このシステムはかなり不便だが、現行型はかなり良いシステムなので心配はいらない

Efficiency

WLTCモードの14.6km/Lのところ、実燃費は12.9km/Lであった。空気抵抗や車重などの影響だろうか、以前同じエンジンのCorolla Crossを使った時の実燃費より2km/Lほど良い値だ。最近は燃費の良いハイブリッドカーが台頭しているので見栄えのしない数値だが、Levorgなどと比較すると決して悪くない数値だ。

Is the Toyota Corolla Touring a good car?

このクルマは先代型にあたるCorolla Fielderと比較して明らかに進化しており、エンジン、挙動、足回りなど全ての面で大幅な向上を感じる。また、特に快適性と安定性は流石の仕上がりで、GA-Cプラットフォームの完成度の高さを実感した。そして、何よりもこの完成度を210.8万円~338.8万円で購入できるのは大変素晴らしいと思う。決して安いだけのクルマではない。

ただし、Cセグメントエステートのライバルと比較すると、まだまだ改善の余地があると思う。もちろん価格設定の低さから納得できる点もあるし、国内で販売されているほぼ全てのエステートがCorolla Touringの最上位グレードより高価格で販売されていることを考えると、優位性はある。しかし、荷室容量や後席の居住性といったエステートたる長所は、エステートというより普通のCセグメントハッチバックより若干良い程度と考えるべきだ。

したがって、低価格でありながら利便性が高く、乗り心地や安定性も良好なCセグメントのクルマを探しているなら、このクルマは有力な選択肢になる。同等の価格帯のCセグメントを考えると、ハッチバックに対しては利便性で多少は優位だし、SUVに対しては乗り心地や安定性で明らかに勝っている。

一方で、最初から"エステートレベル"の積載性と居住性の高さを要求しているなら、あまりおすすめできない。その場合は予算が高くなること覚悟の上でLevorg(363万円~)やGolf Variant(382.1万円~)を検討するか、予算そのままで同じCorollaシリーズのCorolla Crossを検討したい。

また、利便性、居住性、質感、運転感覚、乗り心地の全方位でより良い選択肢を求めるなら、Honda Civic(344.8万円〜)を見てみるのもかなり良いだろう。

Pros

  • ソフトで快適な乗り心地

  • ライバルと比較して圧倒的に低価格

  • ハイブリッドモデルの設定があり経済性良好

Cons

  • チープな内装

  • 後席(特に膝回り)が狭く乗降性が悪い

  • 荷室容量はライバルより大きく下回る

追補。個人的な意見として、60mmホイールベースを拡大してもこのクルマは取り回し性が明確に悪化することもないだろうし、大きく価格がアップすることも考えにくいから、Touring Sports(欧州仕様)と共通にしてもいいと思う。このクルマの欠点である後席(特に膝回り)空間の狭さと、荷室が(エステートにしては)かなり小さいことを改善できる。そうすることで、このクルマがエステートとして存在する意義が明確になり、持ち前の低価格と相まって本邦におけるエステートの復権に大きく寄与できるはずだ。

Alternatives

VW Golf Variant
価格帯は上がるものの、室内空間も荷室も圧倒的に大きい。エアコン操作などのインターフェースに難があるものの、クルマとしての基本性能が高い質実剛健なクルマだ。特に1.5L eTSIや2.0L TDIを搭載したモデルならパフォーマンスも良好で、持ち前の安定感と車体剛性と相まって、街乗りから長距離まで快適に運転できる。

Subaru Levorg
価格帯は上がるものの、室内空間も荷室も圧倒的に大きい。40:20:40分割可倒式の後席、優秀な運転支援システム、そしてAWD故のグリップ性能が魅力的。特に山間部や降雪の多い地域に居住している、あるいはウィンタースポーツを好むならかなりおすすめな選択肢。

Honda Civic
下位グレードのLXの価格帯がCorolla Touringのハイブリッドモデルと同等。ただし、LXでもCorolla Touringより装備が充実しており、質感も圧倒的に高い。特に乗り心地と快適性は大衆Cセグメントトップクラスの仕上がりだ。Corolla Touringに対して荷室の利便性は同程度に、それ以外(特に乗り心地と質感)をさらに求めたいなら非常に良い選択肢。

Toyota Corolla Cross
予算そのままで、より広い荷室空間を手に入れられる。Touringと比較して重心が高く、車両重量も約100kg重くなるため、コーナーでの安定感や運動性能、経済性はTouringの方が優秀だ。とはいえ、このクラスのSUVにしては安定感に優れていて、乗り心地もソフトで快適。運転感覚よりも車内空間の広さに重きを置くなら、こちらを選んでみてはどうだろうか。

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