現地の人に紛れて暮らすことと外国人として暮らすこと
同じ異国暮らしをしていても、現地の人と同じような生活をして溶け込んで暮らしている人と、完全に”外国人”として暮らしている人がいると思います。
私たち親子は中国で生活しているとき、完全に現地の人と同じように暮らしていました。それは住むことになった場所が内陸の4線都市で、マックもスタバもなく、外国人が市内に10人ほどしかおらず、日本人は私たち親子だけという環境だったので、地元の人と同じように生きるより他に方法がなかったからです。
そしてそれは18歳から中国語を勉強してきた私の何よりやりたいことの1つでした。
私が外国語を学ぶ最終目標は、「現地で外国人とバレないこと」だったので、17歳のオーストラリアホームステイで外見によって早々に外国人だとバレた経験から英語から中国語にシフトチェンジしたのです。
台湾にいるときは見ようみまねで台湾人のように振る舞い、移住1ヶ月目には後から来た日本人に「長年住んでるのかと思いました!」と言われ、3年目には日本から来た家族を連れて旅行している時に、お店の人に台湾人ガイドだと思われるほどなりきることに成功しました。
その後広州に移ってすぐの頃には広州のタクシー運転手に台湾人だと思われていたのに、1年も経たない間に今度は台湾に行って逆に大陸人だと思われるほどのなりすましっぷり(笑)
さらにマレーシアにいる時にも日本人ではなく中華系の人だと現地の人に思われることが多く、驚きべきは日本の空港や東京のお店の行列に並んでいる時にさえも、中国人だと思われて係員や店員に中国語で話しかけられる有様。
中国語が上手だとかそれだけの話ではなく、話していない時にも間違われるので、きっと中華系の振る舞いなのか雰囲気なのかを身につけてしまったんだと思います。(いいのか悪いのかはさておき…)
さて内陸では、中国人も多く暮らしているアパートに住み(勤務先の提供ですが)、ローカルのスーパーや市場で買い物をし、現地で免許を取得して電動バイクや小型車に乗り、子どもは現地の公立校に通い、週末は中国人の友人と遊びに行き、子供は中国人に混じって習い事をし、職場では中国語の会議に参加し、中国産のアプリを使い倒し、QRコードで中国の銀行から決済し、民間の保険にも入り、家族や故郷が中国にない以外は、現地の人と同じ暮らしをしていました。
このような生活をすることによって言葉は当然上達しますし、中国人の暮らし方や大事にしていること、不満に思っていること、どのような教育を受けているのか、いろいろ知ることができました。
そしてその結果、当初の予定より早めに彼の地を離れることになりました…。
それでも国際結婚して暮らしている人に比べたら全然分かっていないことがたくさんあるんだろうとは思いますが、中国語を学び始めた時からずっと情熱を持っていた、「中国を深く知りたい」という欲望のある程度は満たすことができました。
さて今、ベトナムという全く興味のなかった国に降り立ち、今度は言葉が全く分からない上に外国人も日本人も多く暮らしている大都市なので、今度は「外国人として暮らす」ことになります。
職場も日本語が分かる人ばかり、アパートの紹介も日本語、日本テレビが見られる部屋を借り、日系スーパーで買い物をし、子供は日本人学校へ行きます。
言葉が分からないし、そうしたものが揃っている街だから、そうなりますね。
コストはかかりますが、こんな感じで暮らしてみて、ベトナムのことが大好きになったらもっと溶け込んでみる、という形になるのかもしれません。
なんにせよ、今は言葉が分からないのがとても不便なので早く勉強を始めたいです。
ロシア語圏のベラルーシとラトビアではあいさつ程度のレベルのままそれぞれ半年間の滞在を終えましたが、ベトナム語は中国語に似ている部分もあって中国語ができれば学びやすいらしいので、やってみようと思ってます。