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魔法
こころの調律のために森で暮らしていたときのこと。
ある日の真夜中、ピッとはりつめたような気配で目をさました。
窓から庭をのぞいたら月のヒカリであたり一面がみどり色に発光している。
ふだん月あかりの下では景色は白黒に染まるのに?と吸いこまれるようにみていたら、真っ白なナニカがスッと向こうから近づいてくる。猫だった。
こんな、街灯もなく標高も高く人里も遠く、たべるものもあまりなさそうなこの森に猫?? 一瞬フリーズした。
猫が窓のこちらのわたしにきづいたかどうかはわからない。美しく発光する庭を、すました顔で通りぬけていく不思議な光景をみながらふとおもった。
「まてまて、もしかしたらこれが本当の世界なのかも」
って。
普段みている不自由な「現実世界」こそ、誰かによってネガティヴな魔法にかけられてる状態なんじゃないかなって。
魔法のようにすべてが色鮮やかに輝くこういう世界こそがリアルで、本来なのかもしれない。
晴れた日に深く青い空をみあげたとき、飛ぶ疑似体験をしたとき、大きな花火がひたむきにのぼってゆくのをみたとき、わけもなく泣きたくなることがある。それは知っているからなのかも。
自由自在で圧倒されるほどに美しいことがあたりまえの、そういう世界にいた記憶があるから…そんなふうに考えると辻褄があうことはいっぱいある。
でも「魔」という文字からつまみのついたヴェールと木を消し去ると鬼がでてくる。鬼を封じこめるためにかけられたのがそもそもの魔法?
そういえば今、日本のあちこちで、とても平和的とは思えない手段で、かつどういうわけか大急ぎで、立派に育った木を森をごっそり伐ろうとしている不穏な動きがある。
まさか鬼を呼び起こすつもり? でも鬼って何だろう? 鬼を封じこめたここはいったい何?
あぁ、謎めいた漢字からゾロゾロわからないことだらけの数珠をひっぱりだしてしまった。本当は知っているようなきもしなくもないけど。
それにしてもこんな作文、夏休みの宿題だったらいい点はもらえそうにない。そういえばこども時代は先生ウケする予定調和の作文しか花まるをもらえないと知っていて、いいコぶった作文をかいていたっけ。
おとなになっても「あっ💡✨」とニヤニヤするような独創的な思いつきはやっぱりヘンジンと思われるばかりだし、これはgood ideaと思ったこと、すてきだと思った自由なふるまいも叱られることはよくある。
ネガティブな魔法にかけられたひとびとは、そこからはみでない魔法をかけあうんだな。
ひとまずは鬼がでてこないよう木は大切にしよう。
リリィミンツ
* ずっとウタうシゴトしています*
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