自分の髪の毛を抜いてしまう自傷行為「抜毛症」になった話
私は高校生の時、いろいろな家庭や学校でのストレス(ここでは書かないけれど)で抜毛症を発症しました。今回は「抜毛症」という病気について私の経験談を交えて書いていきたいと思います。そして今「抜毛症」で悩んでいる方に届きますように。そしてこの病気を知らない方も、こんな病気もあるんだという学びにしていただければ幸いです。
抜毛症(トリコチロマニア)とは
・自分で髪の毛を引き抜いてしまう精神障害の一種
・自傷行為の一つ。
・発症年齢は小学生~思春期が多い
・女性が90%を占めている
・発症する人は大人しく内向的な性格の人が多い
・原因は主に精神的なストレス
・髪の毛以外に、眉毛やまつ毛を抜いてしまう人もいる
・本人は抜毛行為を自覚しているが、無意識に抜いてしまうこともある
・抜くことで満足感や開放感がある。抜いた後に罪悪感が襲う
・1人になったときに抜毛してしまう(他人がいる場所では抜かない)
・自然に髪の毛が抜けてしまう、脱毛症とはまた別の疾患である
ざっくりまとめると抜毛症は上記のような病気です。髪の毛を抜くことがエスカレートすると、自分の髪の毛がほとんどなくなってしまいます。また、自分で抜いた毛を食べてしまう「食毛症」を合併している人もいます。
高校2年生で発症。現在も少し・・・
私は高校2年生で発症しました。抜毛症と知ったのは大人になってからです。1年間くらいは抜毛症だったかな?現在は抜毛症ではありませんが、たまにストレスやモヤモヤと考え事をしているときに抜いてしまうこともありますので、完璧には治っていないのかも。でも頭が禿げてしまうまで抜いたりはしません。
抜毛しているときは心が落ち着いた。でも抜き終わった後は罪悪感でいっぱい。
高校生の頃は髪が薄くなるくらいまで自分で髪の毛を抜いていました。抜いているときは、スッと心が落ち着く感じがしました。でも、抜いた後に猛烈に罪悪感が自分を襲ってきます。1人でいるときに抜いてしまっていました。机に向かって勉強しているときとかね。そして、どんどん頭皮は薄くなり、隠したくても隠せなくなりました。黒彩スプレーという禿げを目立たなくするスプレーを頭に振りかけて学校に行っていました。友達は何も言ってこなかったけど、絶対気づいてたと思います。
薄くなった髪の毛を目立たなくすることに神経を使っていた思春期。
どうにか薄くなった頭皮を目立たないようにしたくて、ロングヘアの髪の毛を切って、ショートカットにして少しでも頭皮が目立たないように気を使っていました。美容院でも「髪の毛どうされたのですか?」と聞かれて、「自分で抜いています」なんて言えず、「髪の毛が勝手に抜けてしまうんです」と答えていました。
ある日、母に自分で髪の毛を抜いている場面を見られた
ある日、母に自分の髪の毛を抜いているところを見られてしまい、とても怒られて自己嫌悪に陥る毎日でした。考え事をするたび手を髪の毛にもってきてしまう衝動が止まらなかったです。麻薬もこんな感じなのかな?やめたくてもやめられない。髪の毛を抜かないように手袋をしていた時期もあります。でも、手袋を外してまた抜いてしまう。とにかく毎日辛かったです。
私があまりに髪の毛を抜くので、母も怒る気力もなくなったのか、私が無意識に抜いているときは気を遣いながら注意してくれるようになりました。私はたぶん、家庭のストレスもあって抜毛症になったと思うのですが、自分の心の内を母に話すことはありませんでした。
がっつり抜いていた時期は1年弱ぐらい
1年弱ぐらい抜毛症でなんとか黒彩スプレーを毎日振りかけながら登校していましたが、いつのまにか抜かなくなりました。10年前であんまり覚えてないけど、少しストレスが和らいだのかな?私は高卒後、すぐに就職したので1人になる時間が作れなくなるほど、忙しかったので髪の毛を抜く暇もなかったんじゃないかなと今では思っています。(高卒後働いたのちに看護学校に入学し看護師になりました)
抜毛症の治療と、当事者としての考え
抜毛症は心療内科などの医療機関に相談することが多いようです。私は抜毛症だった当時は、そんな病気だとは自分では認識していませんでした。もし、自分のお子さんや友人が自分の髪の毛を抜いていると知ったら・・・決して怒ったり、責めないであげてほしいです。「なんで抜いてるの?」「気持ち悪いよ」などと言われても、本人ももう十分わかっています。自分の髪の毛を抜きたくて抜いているわけではないし、抜いていることも自覚しています。
まずはストレスになっていることを一緒に考えてあげたり、話を聞いてあげてほしいです。1人になると抜毛したくなる衝動に駆られる人が多いので、1人にせず一緒にいてあげたり。それから、本人と話し合って心療内科などに一緒に付き添ってあげてもいいかもしれません。私は、そっとしておいてほしいタイプだったので、家族は何も言わず見守ってくれてたのかもと思っています。(放置されてただけかもしれませんが、それはわかりません。見守ってくれてたということにしておきます。)
今「抜毛症」で悩んでいる方へ
髪の毛、ついつい触ってしまいますよね。今日から「やめよう」と思ってもまた髪の毛を抜いてしまう。そんな自分が嫌で苦しいと思います。この病気は女性の人がほとんどで、しかも思春期に多いので、抜いちゃうと頭皮が薄くなって、見た目も気になりますよね。この病気はあなただけじゃなく、思春期の女性が誰でもなりうるものです。思春期の女性はいろんな悩みを抱えている人が多いです。もし誰にも相談できなかったら、今はSNSがあるので、同じ病気で悩んでいる人を見つけやすいです。きっと同じ悩みに共感してくれる人が現れるはず。あなたに寄り添ってくれる人がいることを心から願っています。
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