「彼女はリリー」@着物ドレスデザイナー

夜中に「ボンド」で作ったドレスで出歩くうちに反響を呼び、半年で2000万円を売り上げたリリードレスの物語。毎月残高0円になるけれど家賃86万円の豪邸で暮らすリリーさんは「今を生きる」「自分に正直に」がとても上手。人々の心を打つのは、ドレスだけでなく、その生き様なのかもしれません。

「彼女はリリー」@着物ドレスデザイナー

夜中に「ボンド」で作ったドレスで出歩くうちに反響を呼び、半年で2000万円を売り上げたリリードレスの物語。毎月残高0円になるけれど家賃86万円の豪邸で暮らすリリーさんは「今を生きる」「自分に正直に」がとても上手。人々の心を打つのは、ドレスだけでなく、その生き様なのかもしれません。

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[1話]ボンドで作ったドレスで出かけると、「お鞄お持ちしましょうか?」と言われるようになった

◆ただ、「着る物」を変えただけで「お鞄、お持ちしましょうか?」 「お冷はワイングラスに入れてお持ちしますね」 レストランでもコンビニでも。 どこに行っても、面白いほど丁重に扱われてしまう女性がいる。ひと目見た瞬間、思わずそうさせてしまうオーラが溢れ出ているのだ。 「本当におもしろいの。このドレスを着ると自分を大切にできるし、それが表れているからこそ、周りも私を大切にしてくれるのかも。中身の私は同じままなのにね」 そう笑うのは、「リリー着物ドレス」のデザイナー、リリーさ

    • [10話]ファッションショー開催!自由すぎるショーは「始まる前から成功している」@着物ドレスデザイナー

      ◆ショー開催のきっかけは、お客さんとの偶然の出会い家賃86万円の豪邸「リリトリアノン」を大満喫して卒業したリリーさんは、引き続きまた全国のホテルを点々としながら「ドレス試着会・リリーお話会」を開催していた。 ある日のこと。大阪に行く予定ができたので、それに合わせて急遽「大阪でお話会・試着会を開催します!」と告知した。開催日はなんと「明日」だ。 突然すぎる告知にも関わらず、会に惹かれた6名が参加してくれた。そのうちの1人に、「リリードレスを着ている友人がいて、リリーさんやド

      • [9話]夢に見た「白亜の豪邸」暮らし。払った家賃は1000万円@着物ドレスデザイナー

        ◆「白亜の豪邸暮らし」の幕開け家賃86万円の豪邸をネットで見つけてから、わずか10日で契約まで駆け抜けたリリーさんは、ついに、夢に見た豪邸暮らしをスタートさせた。 ここでの暮らしは、指紋で開ける玄関ドアにもワクワクするし、真っ白な空間には何を置いてもときめくし。 「あ〜〜これやりたかったやつだ!っていうエネルギーが、溢れ出てたの」 リリーさんはこの豪邸に「リリトリアノン」と名付けた。これは、マリーアントワネットの、はなれの城「プチトリアノン」への憧れに由来する。 「こ

        • [8話]私に家賃86万円が払えるの?違う、払うの!@着物ドレスデザイナー

          ◆いざ、豪邸オーナーにご対面…豪邸を内見した翌日、不動産会社から「豪邸オーナーが、リリー様に大変興味を持っているようで…一度お会いしてみませんか?」と声をかけられたリリーさん。 ドキドキしながらオーナーを訪れてみると、オーナーの自宅に招かれるのかと思いきや、そうではなく「話すめだけの邸宅」に通された。そんな邸宅があるなんて…。 そこでオーナーとご対面。知的な印象を受けたが、話してみると「見えていない世界」のことも大切にするような感覚を持っている人で、なんだか波長が合って話

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          [7話]豪華な空間が好きなら、豪邸に住めばいいじゃない@着物ドレスデザイナー

          ◆夜景の最高な「タワマン」を発見!「毎日がスイートルーム」。そんなことを考えるうち、降りてきたのは「タワマン…?」だった。それはきっと、リリーさんにとって「綺麗な景色の見える暮らし」といえばタワマンだったから。 早速「名古屋 タワマン」で検索をしてみると、とんでもなく夜景の綺麗なタワマンの部屋を見つけ、「ここがいい!」とすぐに問い合わせた。 しかし家賃は、55万円。55万って、おいおい…。 しかし、「ここに行ってみたら自分はどのくらいワクワクするんだろう?」ということが

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          [6話]ドレスの試着は、全国のスイートルームで @着物ドレスデザイナー

          ◆リリー着物ドレスの買い方は2つリリー着物ドレスを発売して以来、よく聞かれるのが「どうやって買えるんですか?」という質問だ。リリーさんは、主に2つの方法を取っている。 方法(1)InstagramやHPで販売 作品が出来上がり次第、Instagramに投稿して並べておく方法。「これが欲しい」と連絡をくれた人に作品を届ける、最もシンプルなスタイル。 過去には、Instagramのライブ配信でドレスを紹介しながら、リアルタイムで実演販売をしてみたこともある。 なお、現在は

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          [5話]「どうしても着てもらいたい人」に会いに長崎へ@着物ドレスデザイナー

          ◆一番に思いついた「着てもらいたい有名人」ドレスをリリースする半年前のこと。 試作中のドレスを見たリリーさんの弟に、「有名人が着てくれたら面白そうだね。誰に着てもらいたいとかある?」と訊かれた。そこでリリーさんが思いついたのが、「さやちゃん(吉野さやか さん)」だった。 弟「え?レディーガガとかじゃないの?」 リリー「う〜ん。今はさやちゃんしか浮かばないな」 リリーさんは以前から彼女の書いた本を読んでおり、「この人、ものすごく自分に似てるかも」と思うところがあった。しか

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          [4話]ドレス発売開始にあたり、並々ならぬ覚悟を見せて @着物ドレスデザイナー

          ◆ついに発売開始!踏み出した2つの理由プロとタッグを組んで「ボンドを卒業」し、理想のドレスが作れるようになったリリーさん。2万5000円になった残高からは近々、寿司代が引かれる。 さあどうにかして、来月のカードの引き落とし日までに、この状況をなんとかせねば! ついにリリーさんは、作ってきたドレスをリリースすることにした。 売り出すのは、実はとても怖かった。売れなかったらどうしよう、と葛藤した。それでもドレスをリリースしたのには2つの理由がある。 1つ目は、「何かをやる

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          [3話]残高が2万5000円になったので、寿司を食べに行った @着物ドレスデザイナー

          ◆所持金がついに・・・そして寿司事件着物を仕入れたり、縫い子さんに依頼したりして、ついにお金が底を着いた。残高は2万5000円だ。 普通なら、「え?どうするの?」「仕事は?食費は?生活は?」と、これからのことに頭を抱えるだろう。 このころ長男は結婚して巣立ち、次男と暮らしていたリリーさん。次男に正直に伝えた。 リリー「やばいよ。ついにママさ、全財産が2万5000円になっちゃった」 次男「やばくない?」 リリー「うん。だからさ・・・ お寿司食べに行こ!」 次男「ハ

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          [2話]ボンド卒業!裁縫ができないなら、プロに頼めばいいじゃない @着物ドレスデザイナー

          ◆賞賛を受け、ドレスへの自信が膨らむお手製の「リリー着物ドレス(ボンドコレクション)」を着てランチに行くと、周囲からお褒めの言葉をもらったリリーさん。ポジティブな反応に背中を押され、他の機会にも着てみることにした。 試しに、ドレスを着て沖縄へ。すると…。 まず、飛行機やホテルで褒められた。そして国際通の着物屋さんたちにも、スーパーやコンビニの人々にも褒められ、生地を裏返してまじまじ見られたり、「写真を撮らせて」「ちょっと回ってみて」とせがまれたり。ステージ業界の人に「ドレ

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