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発達障害の育て方
良ちゃんは空前絶後の自由男児です。
「嫌な事は嫌だから嫌です。だってそれは僕の嫌な事だから嫌に決まってます。」と、嫌な事は本当に何があっても嫌なのです。
-食事と呼べるものは白ごはんだけである。
-おもちゃとは、並べるだけのものである。
-松ぼっくりは一番形の良い気に入ったものを常に手に持っておくものである。
-リンゴジュースとはあの赤いパッケージのリンゴジュースであり、それ以外はリンゴジュースにあらず。
-スプーンはプラスチックのみを真のスプーンとす。あの銀色の冷たいやつはスプーンとは認めぬ。
などなど、良ちゃん百ヶ条とでも言うべきこだわりがあって、それを無理やりやめさせたりすると、ちっちゃい雷が部屋に落ちたのか?というぐらいの大号泣が始まってしまうのでした。
はじめは色々と試してみました。白ごはんにおかずをコッソリ混ぜてみたり、別のパッケージのリンゴジュースをコップであげてみたりと様々な小細工を弄してみましたが、どれも上手くいきません。
僕らの浅知恵など良ちゃんにはお見通しなのです。
困り果てた僕らは、もう良ちゃんの好きにさせてあげる事にしました。
白ごはんは、変に何も混ぜないで、サプリ米で栄養を取りましょう。
リンゴジュースはそのパッケージを箱買いします。(一度同じだと思って買ったパッケージがじつは、リンゴが切ってあるパターンのパッケージで、良ちゃんの嫌が発動してしまった事があった)
スプーンはプラスチックを揃えて。
おもちゃは部屋中無限に並べましょう。
松ぼっくりはもうずっと持っとけい。
ある障害福祉センターのSTの先生に良ちゃんを見てもらったのがきっかけでした。
先生曰く、良ちゃんのこだわりは無理に矯正しない方がいいと。
例えば、無理矢理に白ごはん以外のものを食べさせたりした結果、食べる事そのものを嫌になってしまうことがあるかもしれない、ということでした。
そうか、そういうものか、と僕も妻も大いに納得したので、上記の方法をとったのであります。
そして現在、
良ちゃんの好物は、牛丼と、鶏の唐揚げと、カレーと、豚バラの肉吸いで、ジュースは炭酸以外はなんでも飲み、スプーンはどでかいステンレスを使うし、iPadばっかり見て、松ぼっくりには見向きもしません。
なんのことはない、結局、何も難しいことはなく、子供を信じて見守るだけでよかったのでした。
これって、考えてみると、普通の子育てとあまり変わらないような気がします。
みんなが子供の頃に持っているちょっとしたこだわりが、より増幅されて表に出てしまうだけなのでしょう。
さて良ちゃん。
消えていったこだわりもあるが、新たな百ヶ条も着々と追加されています。
-下校帰宅時はすぐにシャワーへ直行するものとす。
-寝るときは家族全員で布団に入らねばならぬ。
-etc.etc.etc.etc.etc.etc.etc.etc.etc.etc.etc.etc.etc.etc.etc.etc.etc.etc.etc.etc.…
オッケー。信じて見守ります。