飼い主の私ができること④ 犬を通じて友人ができる
10年前に旅立った愛犬が、進行性網膜萎縮症で2歳で失明した当時のことを振り返りながら記しています。
私にとって初めて家族に迎えた犬だったこともあって、犬を連れて様々なところへ出かけました。
ありがたい事に、旅先で出会った友人との親交が今も続いています。
犬の友達が欲しい
私が犬を飼ったことが初めて、だったこともあって、犬友(いぬとも)と呼べる友人は、周りに誰も居なかった。
犬友が居たらいいな、と思っていたし、また、犬自身にも、犬の友達がいた方がいいのかも、と漠然と思っていた。
そのときはまだその想い漠然としていて、何より最初は犬を連れてお出かけするのが楽しくて、トイレのしつけができると、日帰りでもお泊まりでも、よく犬を連れてお出かけをした。
ピクニックやイベント、セミナー、トレーニング、犬の温泉、ペンション、コテージ、ホテル・・・思いつくまま全て。笑
その中で、多分この先一生、かけがえのない存在となる友人との出会いが旅先であった。
友人との出会い
旅先で出会った彼女は、同じ犬種を飼っていた。
初対面で、私はその彼女の犬に、戸惑うほど熱烈に懐かれた。
一方、私の犬は我関せずで、彼女にもそんなに懐かなかったが、彼女は全く気にしていない様子だった。
おおらかさなのか、何か惹かれるものを感じて連絡先を交換し、1ヶ月後に再会した。
偶然にも犬同士が1歳差、私たちは同い年だった。
積極的な彼女に連れ回される形で、ふたりでも犬連れでも、よくお出かけをした。
彼女は、見えなくても可愛いことには変わらないよ、と言い、私の犬の目が見えないことを全く気にせず接してくれた。
彼女の存在が嬉しかった。
もう一頭家族に迎える
自分に犬友はできたが、犬自身はどうなのだろう・・・と考えていた。
飼い主のエゴなのはわかっていたが、目の見えない犬を守ってくれる、弟分的な存在の犬が居たらいいな、と漠然と思っていた。
それから一年後に、同じ犬種の子犬を迎えた。
失明してから迎えた弟分のことを、当然ながら彼は見たことがない。
二週間くらい、その様子を伺っていたが、子犬の様子を気配で読み取っている様で、子犬が甘噛みしてきても怒らなかった。
私は何をするときも先住犬を優先する様にし、子犬は、兄貴の真似をして、トイレもすぐに覚えた。
子犬は半年で兄貴を追い越し、逞しくなった。
いつしか、大勢がいるときなど、兄貴を守る様に、前で庇う仕草をする様になった。
2頭はいつも一緒にいた。
丸まって一緒になって眠っている様子は、つい起こしたくなるほど、たまらなく愛おしかった。
多頭飼いをひとりで面倒を見るのは大変なことも多いが、それを上回る安らぎを彼らからもらったと思っている。
元々、犬が苦手な私が、2頭も飼っているなんて・・・と、客観的に自分をみると、ちょっとおかしかった。
いつしか、私は、自分の犬だけではなく、他の犬たちや飼い主さんに対して、自分ができることで何かの役に立てたら、と思い始めていた。
飼い主としての想いや取り組んだことを当時を振り返りながら記しています。
次回は、犬のしつけインストラクターに興味を持った話などについて、記そうと思います。お付き合いいただければ幸いです。