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飼い主の私ができること⑤ 犬のしつけトレーニングについて考える 

10年前に旅立った愛犬が、進行性網膜萎縮症で2歳で失明した当時のことを振り返りながら記しています。

光を失った代わりに音に敏感になり、それに付随して、一時期、吠える声も大きくなりました。
これまで基本的なしつけはできていましたが、犬のトレーニングについて考えるようになりました。


自宅でのトレーニングを受けてみる

試しに自宅にて、紹介された犬のトレーニングレッスンを受けることにしたが、結果、あまり手応えはなかった。

ウチの犬は、光を失っている分、音に敏感になったためか、様々な生活音を聞き分けられるようになっており、擬似的な音声には惑わされなかったからだ。

例えば、ドアフォンに反応して吠えたりするのを解消する場合、ドアフォンを実際に鳴らしたり、ドアフォンに似た音を他から出力しても、リアルとそれ以外を聞き分けて反応するため、吠えの問題は解消されなかった。

そもそも、何より困ったのは、口がキレイで、食いしん坊でないことだった。

犬のしつけトレーニングやレッスンを受けた経験のある飼い主の方は、成程と納得してくれるであろう。

特に、褒めて育てる、褒めてトレーニングをする、陽性強化の方式は、犬にも飼い主にも負担は少なかったが、使うご褒美には、魅力的なモノが不可欠になる。

どんなにお腹を空かせているであろうときも、どんなに魅力的なスペシャルなオヤツを用意しても、ウチの犬は、ご褒美には惑わされず、レッスンに飽きると、ひとりでハウスに戻り、寝ていた。

残念ながら成果が無いのにレッスン料がかなり嵩んだため、トレーニングを受けること自体を辞め、自分が本格的に、犬のしつけトレーニングを学ぶ方向にシフトしようと思った。

ドックトレーナーから学んでみたい

目の見えない犬と飼い主のためのサークル」に以前、参加したことを書いた。

そこで出会ったインストラクターが、
犬のしつけは ”トレーニングよりマネジメント”と言っていた台詞に共感していたので、犬のトレーニングを学ぶなら、その先生が講師をしているところで学びたいと思い、インストラクターコースを受講した。

講義パートをひととおり勉強し、実技パートの3日間の集中キャンプに参加した。

時折、触れているが、元々、犬を含む動物全般が苦手な自分としたら、犬のしつけを学ぶトレーニングコースを、ましてやインストラクターコースを受講するなんて大躍進である。

料金もそれなりにする。

まして、実技パートは本物の犬を取り扱う。
自分の犬ならば、性格も好きなこともウイークポイントも把握しているが、はじめましての犬のそれらは当然分からない。

比較的、トレーニングに慣れている犬たちを揃えてもらっているとはいえ、
犬種も違えば、大きさも違う・・・当たり前であるが、短時間で彼らの特徴を掴む必要があった。

自分の犬のインストラクターになりたい

同期として参加メンバーは20人。当然ながら、かなり意欲的な面々。

ほとんどが動物看護師、ドックトレーナー。
インストラクターコースであるのだから当然である。

普通の飼い主は、自分以外は同期には居なかった気がする。

皆が、トレーニングについて、インストラクターを目指していることについて、意欲的に話していた。

一方で、私は、自己紹介で、ウチの犬が遺伝性の疾患で失明していること、一飼い主として、目が見えない自分の犬のトレーナーに、インストラクターになる為に学びたいと思った経緯を話した。

夜、同期同士で、犬のトレーニングへの想いを熱く語った。

例のサークル立ち上げに携わったことに触れたら、思いの外、そのサークルが知られていて、驚いた記憶がある。

そのこともあり、私は一飼い主という立場での参加であっても、すんなり仲間に入れてもらえた気がしている。

ハンドリング試験を受けてみて

初日に、ひとりひとり異なる課題が与えられ、最終日にはパートナーを組んだ犬以外と、理解度を測るためにハンドリングの試験を受ける。

私は小型犬を飼っており、組んだパートナーは中型犬。
そして、試験は大型犬だった。

一生懸命、練習したリードワークは焦って散々。
他の課題もあったが、緊張して殆ど覚えていない。

結果は当然芳しくなく、総評では案の定、次のステップに進むまでに幾つかの課題が与えられた。

課題をこなすのはキツかったが、一飼い主では味わえない、実りある濃密な体験をしたと思っている。

このときの経験は、その後の犬たちとの暮らしの中でかなり活かされたので、今、振り返っても満足している。

その後、暫くの間、支持するインストラクターの元へトレーニングに通った。

自分の犬のインストラクターになれたという手応えはあった為、その後は、その上位のコースに進むことは選択しなかった。


飼い主としての想いや取り組んだことを当時を振り返りながら記しています。
次回は、動物に関するボランティア活動などについて、お付き合いいただければ幸いです。

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