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言葉という治療薬
2020.08.25
産後1ヶ月検診での出来事。
信頼する担当医師に会える日ということで、私の勝手な想いですが、頼れる姉に会うような気持ちで病院に向かいました。
担当医師の診察前に、まずは助産師面談がありました。
そして、この助産師面談で、私はとても勇気をもらうことになります。
最初は、基本的なこと、睡眠や食事はとれている?などの話から始まりました。助産師さんは、泣きながら話す私をたくさん受け止めてくれました。そして、「涙を見せてくれて、私は少し安心したよ。我慢しなくていいからね。」と、やさしく寄り添ってくれました。
そして、「質問あれば遠慮なく言ってね」というので、私は「娘を亡くしたばかりで…こんなこと言うのも気が引けるんですが…次の妊娠を希望しているものの…不安と恐怖でいっぱいです…。」と伝えたところ、返ってきた言葉。
ママが一歩踏み出してくれたら、
あとは私たちが全力でサポートするから。
優しいまなざしで助産師さんは、私にそう言いました。これほどのチカラのある言葉を、過去に誰かからかけてもらったことはなかったです。
「そうだ、ひとりぼっちで闘うわけじゃない!」そう思うと、チカラが湧いてきて、目の前がいっきに明るくなりました。
その後、医師から診察がありました。胎盤の病理検査の結果は、異常なし。やはり原因不明のまま。子宮の戻りは、もう少しということで、お薬が出ることとなりました。
そして、次の妊娠について医師がかけてくれた言葉。
私たちもね、次の妊娠では何かしてあげたいと思うの。
そういって、予防としてではあるが、次の妊娠ではお守り代わりに血栓対策でバイアスピリンを処方することを提案してくれました。
不育症ついても質問しました。医師からは、「経歴からして気にしなくてもいいとは思う。調べてもわからないことも多いから、どこまで調べるか、どこまで知りたいかかな。」と言われました。この大学病院で調べられる範囲は一部分、詳しく調べるのであれば専門病院になるとのこと。悩みましたが、大学病院で検査してもらえる範囲でお願いしました。(後日、数値は問題ないとの結果をもらいました。)
【2021.03.27追記】結局迷いがあり、杉WCへ不育症検査に行き、結果待ち中。
【今までの妊娠経歴】
2014年(33歳)胎嚢確認後、心拍確認できず初期流産(自然排出)
2015年(34歳)第一子出産
2018年(37歳)妊娠陽性反応後、胎嚢見えず化学流産
2020年(39歳)子宮内胎児死亡にて第二子出産
39歳である私は、不妊治療にすぐ切り替えるべきかも相談しました。そして、医師から返ってきた言葉。
私は、あなたのメンタルが心配だよ。不妊治療は精神的な大変さがあるから、今はまだ赤ちゃんを想う時間とカラダを休める時間があるといいなと思う。だから、四十の声が聞こえてくる頃、もし、気力が戻ってきたら治療をするのもいいと思う。
そうだなと思いました。実際に、私はココロとカラダが回復するのに精一杯でした。現在、産後から7ヶ月が経ち、生理周期もメンタルも安定するところまで来ましたが、これまで娘を想う時間と、自分のために過ごす時間を十分に取れたからだと思います。
そして、四十も、もうそこまで来てますが…死産後は、人間ドックや歯医者など自分メンテナンスに時間を掛けて不安要素を取り除いていたこともあり、最近ようやく妊活をスタートできるようになりました。(再検査に引っかかった話はまた別の機会に書きます。)
残された時間は少ないと言う事実は変えられませんし、すごく焦る気持ちもありますが、もう少しだけ見極めの時間としてタイミングを取ってみて、治療をするかどうかを夫婦で話し合っているところです。
担当医師には、親身になってアドバイスをくださったことに心の底から感謝してます。そして、まだ聞きたいことも出てくるだろうからと、「希望するならば、もう1ヶ月後に診察予約しておく?」と言ってくださいました。当時の私は「病院の予定がなくなること=頼れる場所がなくなること」だったので、とても安心したのを憶えてます。
担当医師と助産師さんは、私を「言葉」で治療してくれて、前を向かせてくれました。
赤ちゃんが亡くなったことは悲しくて、この先も悲しい気持ちはかわりませんが、この大学病院へ転院できたこと、そして、担当医師や助産師さんから言葉という治療薬をもらえたことは、不幸中の幸いともいえる出来事だったと思います。娘からのギフトに今日も感謝です。
「ひとりで闘わなくていいんだよ」
そんなメッセージが誰かに届くといいなと思います。
お読みいただき、ありがとうございます。
lily