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頼れるマイチーム

October.2020

この頃の日中は、夫は仕事、息子は保育園、私は家の中でひとり、悲しみにくれながらも、どうにか生活を立て直そうと、もがいていました。

泣いている時間以外は、マインドフルネス・ヨガ・ウォーキングでカラダを動かす時間や、グリーフや妊活関連の本を読む時間を大切にしていました。Amazon Kindleを検索する中で、なんとなく矢沢心さんの「ベビ待ちゴコロの支え方」が目に止まり読み始めました。

矢沢心さんは、なかなか思うような結果が出ない不妊治療の中で、担当の先生にかけられた一言で、揺らぎかけていた気持ちにもう一度火をつけてもらったそうです。その話をアスリートである夫の魔裟斗さんにしたところ、「先生は名トレーナーみたいだなぁ」と言ったというエピソードが書いてありました。

そのエピソードを読んだ時に、私も以前、大学病院の担当医や助産師さんから、言葉という治療薬をもらっていたので、この「名トレーナー」発言に、めちゃくちゃ共感しました。

その時、ふと思いついたこと。

「マイチームを作ろう!」

産声のないお産を経験して、人生を振り返った時、私の人生にとって、「チーム」が大事なキーワードであることに気がつきました。こういう気付きもお空の娘からのギフトだと思うと、感謝の気持ちでいっぱいです。

中高6年間と人数多めの運動部に在籍してたこともあり、元々「チーム」という考え方が好きだったこともあります。

社会に出てからも、自慢できるような学歴があるわけでないし、何か突出した才能があるわけでもない。そんな私はひとりだと大したことないけど、誰かと一緒にチームを組むことで、大きなチャレンジや困難も乗り越える経験を何度もしてきました。そんなことを思い出しました。

いのちの経験をして、深い悲しみの中、もう過去に戻ることはできない。一から自分の生活を作り直し、悲しみとともに家族と幸せに暮らせるようになりたい、そして、残された少ない時間の中で高齢妊活をする私をサポートしてもらうには、チームが必要だと思いました。そして、スポーツのチームに置き換えて考えることが、私にはとてもフィットしました。

チームメンバーをノートに書いていくと、産後に私がこれまで過ごす中で、ほぼチームが出来上がっていたことも気がつきました。

●夫:パートナー
夫と私は、正反対。喜怒哀楽がはっきりした私は攻撃型、いつも平坦な心の夫は守備型。何度も駆け上がる私の後ろを守ってくれて、ここぞという時だけ攻撃にも参加してくれる。凸凹コンビだけど、私にとっては最高のパートナー。

●息子(5歳)・お空の娘:最強の応援団
私たち夫婦を全力で応援してくれる、可愛い愛すべき二人の子供たち。二人の存在が何よりの原動力。

●鍼灸の先生:フィジカルトレーナー
死産のことを知っており、隔週で全身をメンテナンスしてくれる。サバサバした頼れるお姉ちゃん的存在の先生。

●マインドフルネスの先生:メンタルトレーナー
オンラインクラスに参加しているだけなので、死産のことは知らない。経験豊富な先生たちは、いつも不安や悲しみに寄り添うような温かいクラスを展開してくれて、ココロをフラットな状態にしてくれる。

鍼灸やマインドフルネスの先生は、私が勝手に「マイチーム」の一員にしてることは知りません。なんだか恥ずかしくて言えてませんが、専門分野で私を支えてくれる、とても頼れる存在です。

ただ、この時なんとなく、もう一人メンバーが必要な気がしていて、「誰かに背中を押してほしい」、そんな感覚がありました。この後、その誰かと出会うことになります。

お読みいただき、ありがとうございます。

lily


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