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#2 社会人になってから大学院?3度目の学生になってみた話【TESOL】

大人になってからも学びたい。けれど何を始めたらいいか分からない。

生徒には「学び続けることの大切さ」みたいなものを論しているのに、自分自身は、力不足を感じながらも、日々の忙しさに精一杯で何もできず悶々と過ごしていました。

そんな教師生活2年目の時、
TESOL (Teaching English to Speakers of Other Languages)
という学問に興味が沸き、いつか大学院で学びたいと思うようになりました。

ただ、大人になってから何かを始めるのは勇気が必要です。

うまく時間は取れるのかな、
本当に意味はあるのかな、
今更自己投資していいのかな、、、などなど
うじうじ悩んでいました。

しかし、人生の転機が急に訪れたので、現在は教師をいったん辞め、
オーストラリアの大学のTESOL修士課程をオンラインで受講することにしました。

そして実は私は教員免許も4年大学を卒業後、社会人になってからまた大学に入り直して取ったので、これで学生になるのは、かれこれ3度目です(汗)

そんな私の3度目の学生生活がどのように始まって、どのようなプログラムなのか、受講してみて感じた事を卒業間近の今、備忘録として書き留めたいと思います。


TESOLって何?


《 1 》どんな学問なのか

英語の教師であれば、一度はTESOLを聞いたことがある方も多いと思います。知らない方のために以下概要です。

TESOLとはTeaching English to Speakers of Other Languagesの略です。世界中において、英語を母国語としない人々に対して、英語を指導する事のできる国際資格として認知されており、世界標準の英語の様々な教授方法や、指導案の作成方法、文法や発音の指導方法に関して専門的な知識を持ち合わせています。

(TESOLとは | 一般社団法人日本TESOL協会, n.d.)

つまり、英語を教えるにあたり、世界標準の専門的な知識を身に着けることができるというわけです。日本では教員免許があれば、TESOLは必須ではありませんが、海外の学校や塾の応募欄を見てみると、このTESOLの受講が必須である場合が多いです。

《 2 》TESOLを学ぼうと思った動機

私は海外で幼少期を過ごしたこともあり、自分自身が英語という第二言語をある程度自然と獲得したということを自覚しています。

そのため、人が第二言語を習得するとき、どのような脳の働きが関係していて、どのような実践が効果的なのか、ということをもっと深く研究し、教える際の説得性を高めたかったのです。

いつかやりたいと思っていて実際に始めることになったきっかけは、夫の突然のシンガポールへの転勤です。

まだ教師を辞めたくなかったのですぐにシンガポールについて行く決心はできなかったのですが、もしついて行くならシンガポールにいる間に大学院に行こう!このタイミングがベスト!と直感的に思ったのです。

なので、結局教師をいったん辞め、シンガポールについて行き、勉強を始めることにしました。


ここの大学で学びたい!


《 1 》ウーロンゴン大学TESOL修士課程の概要 

今回TESOL修士課程は、ウーロンゴン大学 (Wollongong University)で受講することに。シドニーがあるニューサウスウェールズ州にある公立大学で、様々なプログラムや学部を提供しています。

今回のウーロンゴン大学TESOL修士課程オンラインプログラムの特徴・魅力は以下です↓

① 学費が他の大学に比べて安いこと
② すべてオンラインで受講できること
③ 教員経験があり、頑張れば1年で卒業可能なこと

まず①
TESOLは様々な大学で受講可能だと思います。
私はすでに教員として都内で働いていたので、短期プログラムや学士ではなく、実践的な学びや研究ができるMaster’s degree (修士課程)に興味がありました。しかし、学費を調べてみると500万円くらいと高額でした。

そんな中、見つけたこの大学は学費はおよそ2021年の時点で400万円弱ほどでした。さらに、教員経験が3年以上あれば、単位が免除されて安くなるとのことですぐ問い合わせをしました。単位免除については後ほど記載します。

オーストラリアにはアメリカやイギリスなどと比べると
安いけれど質の高い教育プログラムを提供している大学がたくさんあるのでオススメです。

次に②
私はシンガポールに引っ越す予定だったので、オーストラリアに留学するのではなく、海外から受講できる+仕事をしながらでも学べるコースを探していました。他の大学の中には長期休みに現地への授業参加が必須なところもありましたが、ここの大学は、

《すべてオンラインで完結する》

というのが最大の魅力でした。

確かに、授業は学校専用のMoodleというオンラインプラットフォームで完結し、時にはオンライン授業などの参加も求められましたが、基本それらは自由参加で、すべて自分の時間で進めることが可能でした。生徒の中には働きながら世界のさまざまな場所から受講している教師の方々がたくさんいたので、そのような人たちのと意見を交換できるというのもまた魅力でした。

最後に③
30歳前になんとしてもTESOLの修士課程をやりたいと思っていました。けれど2年通うのは、自分の今後の立場やキャリアのことなどを考えると難しいかもしれないとなかなか一歩が踏み出せませんでした。

そんな時、この大学は
3年以上の教員経験があれば最短1年で卒業可能です

教員免許状や大学の成績表などを提示し、通常は72単位必要なところを、最大で24単位免除、また実習単位も免除されました。学費は単位数で決まるので、ここでだいぶ抑えられたと思います。

ただ、1年で卒業するには授業を1学期に最大コマ数で取る必要がありました。授業内容的にはかなりハードです。

大学やコースの詳しい詳細などについてはこちらを参考にしてください ↓



まずは何する?願書提出・入学までのプロセス


《 1 》留学エージェントを選ぶ&書類作成

仕事をしながら自分で調べて願書を送るというプロセスはなかなかハードルが高いので、留学エージェントを探し、そこにすべてお願いすることにしました。

私が利用させていただいたのは、ICCコンサルタンツというエージェント。
カウンセリングから出願手続きまですべて無料でサポートしてくれます。

まずこちらの無料個別カウンセリングに行き、大まかなスケジュール、入学条件、必要書類などを確認しました。担当の方はとても丁寧に教えてくれました。3月開講の春学期と7月開講の秋学期があるのですが、私は秋学期の入学に向けて大体半年前の1月ごろから書類の準備を始め、2月に出願しました。

ここで、一番大変だったのは、履歴書の作成、TOEFL ibtの再受験、そしてなんといっても免除申請に通るための書類の作成でした。教員免許があれば大丈夫だと思っていたのですが、出願後、大学で受講した教育に関する科目の「※シラバスがほしい」と追加で言われ時は焦りました。もちろん、卒業してから時間が経っていたので、手元のはないので、大学に問い合わせ、それらを日本語から英語に訳すのが大変でした。(エージェントで有料で翻訳をやってくれますが、私は自分でやりました汗)早めの出願準備をオススメします。

※科目の概要が記載されているもの

出願のプロセスについてこちらのページも参考にしてください ↓

《 2 》合格後にしたこと

合格通知はメールで届きます。そこに今後のステップや受講費の入金などの手続きが記載されていました。

その後、特にしなければいけない準備はありませんが、「勉強する環境を整えること」と「英語力を少しでも上げる」ことはやっておきたかったので始まる前に準備しました。

勉強する環境を整えることは、自分の生徒にも言ってきたことですが、
部屋の整理やツールの購入、課題の管理などをどうするかなどの計画などを始まる前に整えたのは本当に良かったです。

私は普段から Google driveの愛用者でそこにすべての論文や書類などを保管しているのですが、加えて iPadを購入し Good Notesというノート作成アプリをダウンロード。こちらが本当に便利です。

こちらのアプリでは科目ごとにノートを作成できたり、論文などのPDFを読み込んで書き込みをして整理できたりととても便利でした。もっと早くから知りたかったです!

そして、英語力に関しては、とにかく多読をすることを心掛けました。
たくさんの論文を読むことになるので、興味がある読書(フィクションやノンフィクション)を読んで読むスピードに慣れておきました。


いざ始まる!実際の授業とは


《 1 》授業の流れや課題とは?

どんな風に授業が行われるのか、実はネット上などの情報はほぼなく、とても緊張していました。

オンラインで受講する場合、先生からの連絡、授業動画の視聴、課題の提出などはすべてMoodleというサイトを使って行います。

週単位で課題やタスクをこなすのですが、このような流れが多かったです。
① その週の単元について先生による授業動画やノートを見る
② その週に出される論文を読む(平均3冊くらい)
③ 意見交換フォーラムに投稿する

このサイクルが1学期の13週分あるわけです。

そして、単位獲得には、Assessmentとして論文課題やプレゼン課題が出され、期限以内に提出します。

私は1学期に4科目受講しているのですが、1科目あたりに論文課題が2つあり、論文の文字数が大体3000ワード~7000ワードほど。論文1つに対して最低でも参考文献は10冊ほど読まなければいけないため、1学期に最低でも24000ワードを書き、80冊ほどの文献を読む必要があります。

オンラインと言えど、先生からのサポートやクラスメイトと交流する機会はたくさんあり、また、想像していたよりもはるかに大変でした。

これまでの論文の課題などには、例えば「実践的なスピーキングカリキュラムを作りその有効性を述べなさい」や研究課題として実際に自分が興味がある教育内容について研究テーマを決め、インタビューや観察をなどを通して結果を考察する課題などがあり、大変でしたが、自分のスキルや考えが深まる気がしました。

課題提出間近。パソコンとiPadがお友達。

受講してみて思ったこと


今はとりあえずすべての課題を終えほっと一息、
卒業の認定にドキドキしています。

3度目の学生になって、TESOLを受講して思ったのは

① 学びたいと思ったらいつでも始められる
② 教育者として学び続けることは大切
③ 言語習得は奥が深い
です。

総じて修士課程をやって、考えの幅が広がったこと、人生の目標が明確になったこと、いろいろな人と意見交換できたことは、とても良かったと思います。

これからこのnoteでも度々学んだことをアウトプットしていけたらなと思っています。

もしTESOLについて少しでも興味がある方や留学を考えている方がいれば、何かのヒントになれば嬉しいです。

※こちらの記事に出てくるプログラム内容は2021年秋のものです。受講される際は最新情報をご確認ください

参考文献:
TESOLとは | 一般社団法人日本TESOL協会. (n.d.). 一般社団法人日本TESOL協会. http://tesol.or.jp/whatistesol.html

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