#12 英文法をゼロから学び直したい。文法が苦手な英語教師が好きな参考書
本当にお恥ずかしいのですが、英語教師なのに英文法が苦手です(汗)
正確に言えば、「日本で教える英文法」が苦手です。
幼少期を海外で過ごした私は、ある意味自然に英語を習得した部分も大きいと思っています。そして、文法について深く考えることなく、日々使っていました。
それに、模試などに出てくる文法問題は、原理を理解していなくても「感覚」で解けてしまい、なぜその答えが正しいのか説明できずにいました。
しかし、日本で英語の教員になるからには、英語の文法や文法用語を知り、教える必要がありました。
そこで、私は夏休みの期間に中学英語の文法を学びなおしました。
その時にいいなと思って生徒にも進めていた参考書について書き留めておきたいと思います。そして、最後に、日本の英語教育が取り扱う「文法」について思うことを書きたいと思います。
ゼロから英文法が面白いほどわかる本
使用した文法書がこちら ↓
スタディサプリの人気講師、肘井学先生が書いた参考書です。
「英語が全く読めなくても必ず読める」というコンセプトで作られているようで、現場の生徒の声をもとにして作られたそう。
なぜこれを買ったか。
単純に、タイトルに興味が沸きませんか?(笑)
文法苦手、嫌いだった私にとって「面白いほどわかる本」って本当ですか?と、ある意味反発心と突っ込みを入れたくなったので買いました。
そして、買ったもう1つの理由は、
これまた単純に「全ページカラー印刷」だったからです。
子供かもしれませんが、私は参考書が苦手です。
文字がぎっしり書いてあったり、絵がなかったり、白黒であればあるので
テンションが下がってしまうのです。
なのでこの本はぱっと見、私にぴったり!と思って買ってみたのでした。
そして、実際とても役に立ったのです。
《 1 》おすすめしたい理由
まずどんな人におすすめなのか、以下にまとめました。
そして、上記の方におすすめな理由は主に3つ
① 難しい文法用語が飛び交っていない
これ、かなり重要だと思っています。
文法を説明するのに、知らない文法用語を使いながら説明されるとそれだけで頭の中で「?」となります。
その点、この本は各章に必ず使用される用語が説明されています。
私が最も苦手なのは、SVO、SVCなどの文型です。おそらく、これを使って詳しく学ぶのは日本だけなのではないかと思うくらい、海外では聞いたことがありませんでした。(海外の先生に聞いたら Cの補語の概念は初めて聞いたと言われました・・・)なので、それぞれ、S, V, CやOとは何か、文型の形が変わるたびに丁寧に説明してあり、わかりやすかったです。
SVOC以前に、例えばVの「動詞」という用語がわからなくても、それまでも例文付きで説明してくれるのだからすごく親切です(笑)
② 各文法事項に見取り図つきで英文法の全貌がわかる
どこまで勉強したらいいのか、自分がどこでつまづいているのか、英語の文法を勉強していると分からなくなります。
けれど、この本は全体の英文法の見取り図、その単元の見取り図がついているので、どこから始めたらいいのか、この単元が今後どこにつながっているのかがわかりやすかったです。また、学ぶ順番も理にかなっているかなと自分の中では思いました。
③ 基礎練習問題が各章についている
各章に用語の説明→全体図→文法事項の説明→そして練習問題がついています。その練習問題の量も本当に丁度良い。多すぎるとやる気がなくなりし、少なすぎると定着が不安だし。
そして、この基礎問題は本当に基礎なので、きちんと解説ページを読めば解けるものです。なので、確認問題と言えるかもしれません。
《 2 》おすすめ使い方
私の場合は、単元ごとに左の解説ページを自分なりにノートでまとめて、自分が解説するときをイメージしながら読み込んでいました。
そして、そのあとに確認問題を解き(これらは感覚で解けてしまうのですが・・・)答えを見てどうしてその答えになったか、解説と照らし合わせて確認。そして、教科書や他の参考書の問題も解くというのも繰り返していました。すると感覚で解いていてたまに間違える細かい文法やも解けるようになり、他人に説明できました。(教師になる前にやっておけって感じですよね・・・)
《 3 》唯一のマイナスポイント
先ほどから述べている通り、これは本当に基礎編なので、応用などの練習問題を解きたい場合はなどはあまり役に立たないかもしれません。
また、難しい文法、例えば、仮定法などはもう少し説明があってもよかったかなと思いました。より詳しい説明などは補足が必要でした。
他の参考書を進めながら、ほんとうに基礎のところでつまづいたら使うか、英語を全く知らない初心者の方にとっては良いかもしれません。
最後に:日本の英語教育の文法について思うこと
日本の英語教育は長年、文法知識や和訳を行ってきたことで、より実用的な英語、コミュニケーションとしての英語という大切な部分を見失っている場面も多々あると感じています。
いきなり文法から英語の学習を始めるのではなく、まずは感覚でコミュニケーションをとるということもある程度大事で、学ぶのに一番早い方法だと思います。細かい文法はわからなくても、感覚を生かすことができれば、話せるようになるからです。そしてあとからこのような参考書で原理がどうなっているか理解するほうがとっつきやすいかもしれません。
しかし、その「感覚」というのは、長年にわたり英語を聞いて読むというインプットをしないと身に着けることはできません。
「だって響き的に合っているから」という感覚を身に着けるためには、相当な量のインプットが必要になると思います。
なので授業では、なるべくこのインプットとアウトプットのバランスを考えて授業づくりをしなくてはならないな、と思っています。文法だけを教える、文法を教えるがメインの授業となってしまうと、英語は使えるようにはなりません。
ただ、よりアカデミックな英語を、とくにライティングやリーディングにおいては、文法をある程度生徒が理解することは、言語を学ぶ上で大切だとも思っています。わかりやすい文章を書いたり、難しい文章などをかみ砕いて理解するためには、文法の知識は必要だからです。
私の場合は、夏の間に文法の原理や用語をおさらいしたことで、「あれ?この言い方どっちが正解だっけ?」と悩むことが少なくなり、生徒にも説明できるようになったことで、理解を促すことができました。
今さら聞けない中学の文法をもう一度ゼロから始めたいという方にこの参考書は役に立つと思います。