【侍ジャパン観戦記】2022ハーレム・ベースボール・ウィーク🇳🇱(大会ガイド編)
オランダのアムステルダム郊外の街、Haarlemで2年に一度開催される国際大会、ハーレム・ベースボール・ウィーク。
連載第2回は日本で一番詳しい大会ガイドを目指して書きました!
※本内容は2022年7月時点での情報になります。
▼侍ジャパン公式サイトの大会情報
▼現地の公式サイト(英語表記に切り替え可能)
大会概要
オランダ王立 野球・ソフトボール協会が2年に一度開催する大会。
2022年の第30回大会は7月8日(金)に開幕、15日(金)に閉幕する8日間のスケジュール。
出場国は、🇳🇱オランダ、🇯🇵日本、🇺🇸アメリカ、🇨🇺キューバ、🇮🇹イタリア、🇨🇼キュラソーの6チーム。なおキュラソーは当初予定されていた🇹🇼台湾が辞退したため、代替出場でした。日本とアメリカは大学代表が出場。
オランダは元ヤクルトのバレンティンを、キューバは元読売のセペダを選手登録。イタリアの監督は元ドジャースのピアッツァでした。
なお今大会から従来の9イニング制に代わり、7イニング制が導入され、8回からタイブレーク(無死1、2塁)が採用されています。
まずオープニングラウンド(予選)で全チーム総当たりで5試合行い順位を決定し、準決勝(または5位決定戦)、決勝戦(または3位決定戦)を行う形式です。
決勝戦の前には「Old Stars Game」と題したOB戦も3イニングのみ実施されていました。
都市アクセス
そもそもハーレムってどこ!?って思う方がほとんどかと思います。
ハーレムはアムステルダム中心部から西に約20km。距離としては東京〜川崎くらいの場所にあります。
オランダの玄関口となるのはアムステルダム郊外のスキポール空港。
空港から中央駅までは普通電車だと3駅17分とアクセスも良好。
今回参加した各国の選手は球場近くのホテルに一堂に会して宿泊していましたが、ハーレムへはアムステルダム中心部からもアクセスは容易。
実際に私は会期前半はAmsterdam Sloterdijk駅(中央駅からハーレムに向かって1駅目)近辺のホテルから直通列車(20分)で、会期後半は空港の隣駅のHoofddorp駅からハーレムまでバス(30分)で移動していました。
球場アクセス
鉄道、バス、自転車、自動車でのアクセスが可能。
鉄道の場合
最寄り駅:Bloemendaal(ブルーメンダール)、徒歩10分。
Haarlemの隣駅。アムステルダム中央駅から30分毎(Haarlem経由Hoorn行)のSprinter(普通列車)に乗り5駅目、所要時間は23分。
無人駅ですので、ov-chipkaart(交通系ICカード)の方は駅の出入口にカードリーダーにタッチを忘れずに。
駅を降りるとすぐ、線路の反対側に向かうアンダーパスがあるので、それを通り反対側へ。出てすぐ左手方面に、線路沿いの歩行者専用の小道を進むと到着します。駅からは約10分(信濃町から神宮よりは近いかも)。
バスの場合
最寄りバス停:Haarlem, A. Fokkerlaan、徒歩5分。
Haarlem駅から30分毎に出ている2番系統のバス(Haarlem Noord Spaarne Gasth行)に乗って10分ほどです。
自転車の場合
球場を出てすぐのところに、大会運営事務局のスタッフが常駐している駐輪場があります。
オランダは自転車道の整備が行き届いていること、レンタサイクルのOV-fietsも利用できることから、Haarlemに泊まる方は自転車が一番アクセスしやすいかもしれません。
自動車の場合
レンタカーで向かう方は、球場から少し離れた場所に駐車場が設けられていたようです(HP情報のみで自身は未確認)。
チケット
なんと半年前から公式サイトで指定席前売り券が発売開始。1日券や大会期間通し券などが発売されていましたが、1試合ごとの販売ではないので要注意。当日券も現地で購入できるようでした(前売りより若干割高)。
土日や決勝戦のチケットに関しては、常設席は普通に売り切れます!仮設スタンドでの観戦でも構わないという方は焦る必要はありませんが、良い席で見たい!という方は早めの手配をオススメします。
一塁側常設席は指定席(1~4)、三塁側常設席(5)は自由席、仮設席(6~7)はどこも自由席です。一塁側仮設席の前の通路が車椅子スペースでした。
なお、常設席最上段は、BBQ席(10)やVIP席(8~9/11~12)になっていたりもします!バックネット裏の正面はメディア等の関係者席になっていて座れないので要注意(そもそも上方にしか座席なし)。
2022大会参考価格(1€=¥140円くらいでした)
予選 2試合日 常設席€25/仮設席€20
予選 3試合日 常設席€30/仮設席€25
決勝 順位決定 常設席€40/仮設席€35
期間 通し券 常設席 €195/仮設席 €150
一塁側指定席・三塁側自由席とも同じ料金のようでした。
試合までの流れ
120分前 打撃練習(ホーム45分・ビジター45分)
サブグラウンドで実施。前に試合がない場合にはメイン球場で行うことも。
30分前 守備練習(ホーム10分・ビジター10分)
日本チームはいつも通りのシートノック。
10分前 選手入場、国歌斉唱
スタメン発表に合わせて選手がベンチから出て整列。
毎度のことながら異国の地で流れる「君が代」は心が震えます。
なお、準決勝の試合順は、オープニングラウンドの順位で決まり、
第1試合:5位ー6位(順位決定戦)
第2試合:1位ー4位(準決勝その1)
第3試合:2位ー3位(準決勝その2)
となります。
※準決勝はホスト国🇳🇱オランダが第3試合固定のため、オランダはオープニングラウンド4位通過でしたが第2試合→第3試合(19:30開始)へと変更になりました。
この辺りは2019年のBFAアジア選手権でも同様に、ホスト国🇹🇼台湾の試合がデーゲーム→ナイターゲームに変更になったことがありますので、国際大会のローカルルールに注意が必要です。
試合進行
選手登場曲はリクエストできたようで、駒大・林選手は椎名林檎のNIPPONで打席入り(ちなみに立大・山田選手はDef TechのMy Wayでした)。
7回にはTake Me Out to the Ball Gameをスタジアムみんなで大合唱♪
NPBのように、ファールや投手交代時にもBGMやジングルが流れたり、終始にぎやかな雰囲気で、注目のカードはスタジアムDJが場内を盛り上げていました。
試合が終了するとMVPの選手にボランティアキッズから記念品の贈呈もありました。
球場環境
両翼100m、中堅122mのフィールド。内外野とも天然芝で、走路のみ赤土。投手陣に話を聞いたところ、マウンドは硬めとのこと。
ビジターチームは一塁側。ブルペンがフィールドの外の囲われたエリアにあり、間近で見ることができます。
ホームチームは三塁側。ブルペンはファールゾーン内にあります。
飲食について
スタンドを出たところに出店があり、軽食(ハンバーガーやホットドッグなど)、コーヒー、スムージー、ビールなど。しっかりとしたご飯はありませんが、軽食は一通り揃うので不便はしません。
また、無料で飲料水の給水サービスがあり、各自ボトルに詰めて飲んでいる姿も多く見られました。日本同様にスタンドを歩く飲料の売り子もいましたので、違和感なく楽しめるかと思います。
支払いは今大会から完全キャッシュレス化。現金は使えませんので、クレジットカードで決済です。ちなみにMLBグッズ売ってる出店なんかもあったりしました。
その他
展示室が開放されてます
スタンドの下にはこじんまりとしていますが、展示室があり、過去のトロフィーや雑誌など、オランダ野球・ソフトボールの歴史が詰まった資料の数々があります。
開催期間中はずっと開いていたようなので、試合の前後などの空き時間でぜひ見学されることをオススメします!
サブグラウンドも開放されてます
また、メイン球場のすぐ隣のサブグラウンドが開放されていることが多く、特に試合後はキャッチボールやミニゲームで遊ぶ子どももたくさん見られました。
開放されていない時でも、地元の少年野球や、女子ソフトボールが行われているのを見られました。
今大会からライブ中継が手厚くなりました
今回はそれまでと違い、複数台の固定カメラが球場に設置され、インターネット中継が行われていました。時差は約30秒ほど。
人気カードは英語での実況・解説付きだったようです。日本からでもほぼリアルタイムに中継を見ることができたらしいです。
ちなみに全試合Youtubeでアーカイブ視聴可能です!
公式記録は大会Webサイトから
全試合の公式記録、大会期間を通じての打撃・投手・守備成績などは、全て公式サイトにまとまっています。記録を振り返るにも非常に便利。
言葉について
オランダの言語はオランダ語なのですが、ほぼ英語が通じました。しかもオランダ人の英語はネイティブではないので、日本人でも聞きやすい英語!
また、今はスマートフォンの翻訳アプリも便利になりましたね。オランダ語しか書いていない場所(そもそもそのような場所がほとんどない)でも、スマホで撮影してアプリに読み込ませるだけで、瞬時に文字認識して翻訳してくれます。
どうしても意思疎通が難しい場合にも、お互いすぐスマホを出してやりとりすれば、あっという間に仲良しに!
ちなみに私は空港でLyca Mobileの10GB使えるプリペイドSIMを購入し、普段日本で使っているXPERIAに入れて使っていました。回線速度も速く、国際ローミングもできましたので、全く不便はなかったです。
支払いについて
オランダはキャッシュレス先進国。ほぼ銀行口座直結のデビットカードか、クレジットカードでの決済になっています。
日本から行く人はほぼクレジットカードだけで大丈夫でしょう。なお、現地の大手スーパーAlbert Heijnはクレジットカードでの支払いができないので要注意(空港内店舗は利用可能)。ちなみに私はJUMBO(スーパー)かSPAR(コンビニ)で食料調達してました。
交通系ICカードのov-chipkaartは鉄道、メトロ、トラム、バスで利用可能。購入に€7が必要になりますが、鉄道は切符購入時に毎回€1の手数料が取られるので、たくさん乗るなら購入したほうがお得。駅の券売機で購入できますが、購入後に券売機で有効化が必要だったり、最低限の残高がないと乗車できなかったりするので、詳細は別途ご確認ください。
また、市内観光もするならHaarlemやBloemendaalもアクセス可能なAmsterdam & Region Travel Ticket(フリーパス、1日用〜3日用がある)も便利。
なお、2週間の滞在中、念の為に€20だけキャッシングしましたが、都市部だけなら本当に現金不要でした。私が唯一現金払いしたのは、郊外をサイクリング中に乗った渡船。アムステルダム市内の渡船は無料運行なので、そもそも支払う必要もありませんでした。
次回予告
次回はいよいよ試合本編に入っていきたいと思います!
ゲームレポートは全3回ほどになる気がしていますので、のんびりと更新をお待ちください!