[Health]老化に関する最新知見①/40代の体の中で起きること

今年8月に発表されたスタンフォード大学の研究論文が話題になっているそうです。

この研究で分かったことは、老化は年齢と共にゆっくりと進んでいくのではなく、44歳と60歳付近で起きる体内の顕著な変化が、老化につながっている可能性があるということなのだそうです。

この記事ではこの論文の最新知見もふまえて40代で起きる体内の変化について考えてみました。


40代の体の中で起きている変化

40代は、脂質やアルコール代謝が急激に変化し、心血管疾患や代謝関連疾患のリスクが高まる年代になります。

代謝の変化

高齢者は肝機能や腎機能が低下していることが多く、薬物選択において重要な特性になっているのですが、40代からこの兆候が始まるようです。

肝機能が低下してアルコール代謝が低下するため、これまでと同じアルコールの量でも体に負担がかかってきます。

また脂質代謝の低下によってメタボリックシンドロームや動脈硬化のリスクが高まります。

年代別の肥満率をみると、女性は年齢とともに肥満率が上昇しますが、男性は40代が肥満のピークとなっています。(厚労省国民健康・栄養調査結果の概要)

見た目の変化


肌の水分量の低下とはりのなさが目立つようになってきます。

これまでの食生活によって、最終糖化産物AGEsの肌への蓄積が進んでいると、肌の黄ばみ、くすみ、たるみ、しわなどが現れてきます。

心血管疾患のリスクの上昇や更年期障害

血管は徐々に硬くなってくるため心血管系疾患のリスクにも気を付ける必要が出てきます。

女性の場合女性ホルモンの減少が血圧上昇を引き起こしますし、男女とも更年期によるホルモン低下は体だけでなく、不眠、うつなどの精神症状も引き起こすことがあります。

筋肉の変化

40代では筋繊維が痩せ、細胞数、特に速筋の細胞数が減ってきます。

筋肉細胞の数は基本は生まれた時から変化せず、筋線維が太くなったり細くなったりすることで、筋肉量が増えたり減ったりしているのですが

加齢による変化として、30代くらいから筋肉は細くなってきて、さらに40〜50代では特に速筋の細胞数が減っていくとされています。
何もしないと80代になる頃には下肢の筋肉の1/3が失われると言われています。

速筋の数が減ると瞬発力が無くなるので、動きが鈍くなったり、転倒の可能性が高まってきます。

まとめ

今回は、40代に見られる体内の変化について考えてみました。
生理学的な変化が訪れるこの時期の過ごし方は、その後の健康にとって非常に重要であると感じました。

次回は、60代に訪れるもう一つの変化のピークとして、睡眠や免疫機能の変化にも触れていきたいと思います。

また、これらの変化にどのように対処できるか、日常生活で取り入れられる具体的な対策についても考えてみたいと思います。


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