グルテンフリー雑穀を美味しく食べる方法/大豆サポニンとリポキシゲナーゼ
小麦アレルギーの方向けの雑穀パンを作りたくてグルテンフリー雑穀を購入してみました。
こちらの記事では、グルテンフリー雑穀の特徴と、美味しく食べるための方法について調べた内容を書こうと思います。
グルテンフリー雑穀の特徴
大豆含量が多いことのメリットとデメリット
グルテンフリー雑穀は麦類が含まれないため、その代わりとして大豆類の含量が多くなっており、タンパク質量が多くなっています。
栄養の面では優秀ですが、大豆ならではの難しさがでてきます。
総量が多いこともありますが、大豆を他の雑穀と大きさを揃えて食べやすいように挽き割りに粉砕してあることも影響してきます。
大豆サポニンとリポキシゲナーゼ
大豆には青臭みや渋みがあり、これらの原因は大豆に含まれるリポキシゲナーゼとサポニンによるものです。
これらをどう取り除くかが、美味しさのカギになるようです。
大豆に含まれる酵素リポキシゲナーゼは脂肪酸と反応してヘキサナールなどの揮発性のアルデヒドを生成し、これが青臭みの原因となります。
またサポニンは加熱中に出てくる泡、アクの部分で渋み、えぐみの原因となります。
ただ、大豆サポニンにはさまざまな健康効果もあるので、これは許容範囲であればあえて取り除かなくてもいいという気もします。
気になる場合はアクを丁寧に取り除くことが大切だと思います。
大豆含量が多いものほど、えぐみや渋みが出やすくなるかもしれません。
もう一つの問題はリポキシゲナーゼになりますが、粉砕された大豆を浸水する過程で酵素反応により青臭みが出てくると思われるので、これをきちんと取り除くことで、素材の美味しさを引き出すことができると考えました。
美味しくするための方法
具体的にどのような下処理をすればリポキシゲナーゼの影響を最小化できるか考えました。
方法①リポキシゲナーゼを失活させる
リポキシゲナーゼは酵素なので、加熱により失活します。
ですのでこれ以上ヘキサナールを発生させないために加熱処理を行います。
方法②開放系でヘキサナールを揮発させる
既に発生したヘキサナールについては、揮発性のアルデヒドであるため開放系で揮発させれば問題ないと考えました。
具体的な下処理の方法としては、浸水後の雑穀をふたをしないで鍋で茹でる方法か、先にローストして浸水させる方法などを考えています。
ラップをしてレンジ加熱、もしくは蓋をして加熱では揮発が不十分になって青臭みが残る可能性があるかもしれません。
まとめ
グルテンフリー雑穀には、麦類が含まれない代わりに、大豆が多く含まれています。
これは栄養価を高めているのですが、粉砕されているために青臭みが生じやすくなっています。
これに対しては開放系で加熱する下処理を行うと青臭みを取り除くことができて、より美味しく食べることができると思いました。
またえぐみや渋みに対してはアクを丁寧に取り除くことが大切だと思いました。
小麦アレルギーの方向けの雑穀米粉パン
上記の課題があるため、雑穀の配合を少し減らし、その代わりにいりごまを組み合わせて香ばしさや旨みを補おうと考えています。
モルトが使えないため生地があっさりしている分、具材の配合を減らすと全体の旨みが減ってしまうためです。
小麦アレルギーの方向けの雑穀米粉パンも、制限のある中ですが美味しく作れるように工夫していきたいです。
参考資料
下山田真. (2017). “Manufacturing of Soymilk.” 日本調理科学会誌, 50(6), 277-279.
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