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映画「夢みる小学校」完結編 上映会に行ってきました!

映画「夢みる小学校~完結編~」を見てきました!
ずっと観たかったこの映画。
やっと上映会に参加し観ることができました。

前回観た映画「自由な学校」は、トエックというオルタナティブスクールのドキュメンタリーでしたが、今回は学校法人とのことで自身の経験した既存の学校教育との違いを踏まえた感想を書いていきたいと思います。(ネタバレでしかないです。)

(※映画からちょっと時間空いてるのでそれ違くない?みたいなことがあったらコメントで教えてください!)

「夢みる小学校」「きのくに子どもの村学園」とは

この映画では、認可校である「学校法人 きのくに子どもの村学園」をはじめとする「子ども主体の公立学校」が3校登場します。

30年前から「探求学習」を実践しているテストがない、「先生」がいない、「きのくに子どもの村学園」。

戦後はじめて学校法人として認可されたこの自由な学校では、子どもたちの多くが寮生活を送りながら学んでいます。
国内外の教育関係者やマスコミからも注目され、現在は学校の数も増えました。

夢見る小学校、きのくに子どもの村学園HPより抜粋

「きのくに子ども村学園」の特徴

1.教科学習ではない体験型学習

きのくに子どもの村学園では、教科学習ではなく体験型のプロジェクトワークを行います。

1年に1回、子どもたちはプロジェクトの中身や、大人や友だちの顔を見てクラスを選びます。
そのため、どのクラスもいろいろな学年の子どもたちがいます。

「劇団きのくに」(表現)
「工務店」(木工、園芸)
「おもしろ料理店」(食の研究)
「ファーム」(農業)
「じっけん工房」(実験)

きのくに子どもの村学園/小学生のカリキュラム

上記の中から自分の興味関心に合わせたプロジェクトを選択し、木工では椅子や校庭の遊具、渡り廊下の屋根を作ったり食の研究では蕎麦の実の栽培から蕎麦作りをしたりと体験を通した学び(体験型学習)を行っています。
遊具作りや蕎麦作りなどの体験を通して、みんなで一緒に必要な計算をしたり、分からないことをプロに聞いたりと学びを深めていきます。

従来の試験や、受験のための学びではなく「自分の頭で試行錯誤し考える力をつける」ことを目的としています。

2. とにかく自由で子ども主体 

きのくに子どもの村学園の活動をみていて驚いたのが、とにかく子どもが自由に、いきいきとしていること!
周囲の大人は、子ども達の可能性を信じて待つ姿勢を大切にしています。

子ども達だけでのこぎりを使うシーンや、なかなか自分の意見を言えない子に子どもたち同士で問いかけて意見を引き出そうとするシーンなど「私ならこの場面で絶対介入してやいのやいの言ってしまいそうだな…」という場面にも大人の姿は出てきません。

学習計画や行事の立案も子どもと大人の話し合いで決まります。

何か問題が起きても、クラスミーティング、寮のミーティング、そして全校集会など子ども達同士での対話を通して課題を解決します。

きのくにの大人は失敗も、困難も大切な学びの機会として歓迎し、自分たちの力でできるまで子どもたちを見守っています。


子どもの失敗も許容できる懐の広い大人になりたいと思った26歳です。

3.評価はつけない、宿題もなし

公立の小中学校には成績をつける義務はないとのこと、ご存知でしたか!?
恥ずかしながら、私は知りませんでした!!

そんな成績評価ですが、きのくに子どもの村学園の通知表には、成績評価が載っていません。記載されるのは日々の子どもの活動の様子をまとめたスタッフからのコメントのみです。

私からしてみたら、何それいいな〜て感じです!
比較的いい子ちゃんだった学生時代ではありましたが、それでも通知表をもらう日のハラハラするあの感覚は思いだすだけでもしんどいですね、、、(人から点数つけられてるというあの感覚がなんか嫌だった、先生も嫌だったよね、ごめんなさい)

確かに、子どもたちを評価することで学びへのモチベーションアップ、入試などでの成績順位の出しやすさなどあるのでしょうが、よくよく考えたら
評価をする先生達、評価される子ども達、評価に一喜一憂する保護者達の誰もがハラハラドキドキ神経すり減らす行為のように思えて一体誰得なのだろうと思ってしまいました。

きのくに子どもの村学園では宿題もないそうです。
宿題に関しては意見が分かれるところかと思いますが、私は宿題は自学で良いのではないかと思っています。(個人的に自学ノートは大好きだった。動物の図鑑をイラストにして写してまとめてただけだけど)

本来学びは楽しいものであるべきだと思うのです!

確かに宿題をやればやった分、学力は上がるかもしれません。
しかし、学びを強制して受け身な姿勢で取り組んでもらうのではなく、必要だと感じたら自学に取り組む、楽しいと思う勉強をする。でも良いのでは?と思ったのでした。

印象に残ったこと

1.学びを楽しむ子どもたちの姿

何より、子ども達が楽しそう!いきいきしている!
時にはめちゃ真剣な顔してる!
と、子どもたちの色々な表情を引き出すことができる素敵な場所だと思いました。

きのくに子どもの村学園にいる誰もが、自分は何のためにここにいるのか、役割を理解しているように見えるというか、みんなで同じ目標に向かって夢中になれるものがあるというか、そんな場所であることが子ども達の心理的安全性に通じているように見えました。

2.やりたいことやってる温かい大人たち

子ども達はさることながら、周りの大人達も素敵!
やりたいことやってます!て感じ。(現に校長先生は長期でお休みもらってなんか高い山に登ってらっしゃいましたね。山男って素敵だね。)

子ども達がどんなに危なかっしくノコギリを扱おうが、蕎麦打ちでよく分からないダークマターを生み出そうが、温かい目で見守ることができるのは周りの大人の懐の広さだよなあ。

と、今にも「来年の抱負は懐広く!」とか言いだしそうな人がここにいます。

3.成長を実感する子どもたちの姿

なんといっても1番印象に残ったのは、卒業式!
卒業式ってなんであんなに泣けるんですかね!
(自分の子じゃないのに!)

恐らく完結編だから?なのかもしれないですが、
小学生だった子が中学生になり、その子達が中学校3年生になって卒業する時、小学生時代の卒業式とシンクロさせて成長を感じられる演出が素敵、、、

どの卒業生達も、自分自身の成長を実感して言語化できていて、大人な顔をしている、、、
将来はこうなりたい、こんな職業につきたい、こんな社会課題を解決したい。

自分の頭で考え、決断する力を身に付けて、熱く夢を語る卒業生の言葉に胸を打たれました。

おわりに


この映画を作成されたオオタ・ヴィン監督はすべての学校がきのくに子どもの村学園のようになってほしいというメッセージを込めたわけではないとのこと。

きのくに子どもの村学園はひとつの教育のあり方であり、これからの時代を生き抜く力を身につける新たな学びの場の選択肢であると思います。

そろそろ、日本の教育変わらないといけないんじゃない?と誰もが思っているものの今の教育システムをいきなりこの学校のように変えることは現実的には難しいと思います。(公教育携わってないからわかんないけど、何かは変わってるのかもしれない、もし何か劇的に変わっているとするのならこれは私の杞憂です。)

ただ、保護者や地域の意見を変えることで、少しずつ学校が良くなるかもしれない、何かが変わるかもしれない、そう思いました。

子どもたちに関わる方々には是非とも見てほしいと思います!


「夢みる小学校~完結編~」の上映スケジュールはこちら

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