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lilvaのホタルビーム学(前編)

本記事はペンシルパズル Advent Calendar 2023の13日目です。

お久しぶりです。lilvaです。初めましての方は初めまして。本日は13日、成宮由愛ちゃんの年齢……以下略。今年は久しぶりにホタルビームのお話をします。内容は……3年ぶりくらいの開講、ホタルビーム学です。


0. 概要

本記事は、私がX(旧:Twitter)上で3年ほど前に実施した「ホタルビーム学」という手筋解説問題集を改めて纏めなおしたものです。
当時は見つけていなかった内容も含め、140字の枠から解放された手筋解説をします。
当時の内容の一覧は以下URLより確認できます。(同じ内容をこれから話します)
https://twitter.com/lilva_0419/status/1294184162186813440

注意事項

  • 本記事では、ホタルビーム自体の解説はいたしません。手筋解説が中心です。ニコリでの歴史等はより詳しい方へお聞きいただければと思います。

  • 手筋の分類には私の主観が含まれていることをあらかじめご了承ください。

  • 書き終わっていません!!(12月中には後編を書き上げたい…)

本講義の単位取得について

本講義では以下の問題に満点を100点として配点が定められております。25点以上の得点をもって、めでたく単位取得となります。

  • 各章の章末問題(正解判定)

  • 期末試験(アンサーキー)

それでは開講いたします。ホタルビームの世界へ、ようこそ。


1. 基礎編

まずは簡単な問題を解いてみましょう!
過去に開催された「ペンシルパズルデビュー週間」からの出題です。

ホタルビームのルール説明 : ニコリ公式のURL

 ルールの簡易説明
  ・黒点から線が出て黒点以外の場所に入ります。
  ・数字は線の曲がる回数を表しています。
  ・最後に全部が繋がるようにしましょう。

・問題1-1 : XのURL(2020/2/16) / ぱずぷれのURL

・問題1-2 : Xのリンク(2020/2/18) / ぱずぷれのリンク

いくつか基本となる手筋を紹介して、流れを確認します。
ちなみに手筋名の後のX-X-Xというのは私がつけた手筋番号で、記事付録にて一覧で紹介しますのでここではお気になさらず。

・手筋1-1 : 0の直進(N-1-0)
0のホタルはまっすぐ線を伸ばします。多分ルールを読んで一番はじめにわかる入り口がこれだと思っています。

・手筋1-2 : 1の2択(N-2-1)
0を調べたら次は1を調べたくなりますよね。一番わかりやすいパターンは、1が前に進めなくて、左か右かどっち?ってなっているタイプです。

・手筋1-3 : 始めの一歩(L-1-0)
少し気づきにくいですが大事な基本手筋。どんなホタルでも必ず黒点から線が伸びます。いつでも最初に使えますが、使い切ったらそれで終わりの手筋です。

・手筋1-4 : 線の押し合い(L-2-0/L-3-1)
他のペンシルパズルを解いたことがあれば見えやすい手筋です。線がぶつからないようにどんどん伸びていきます。

あまり意識はしないですけれど……厳密に言えば、異なる線同士がぶつからないように×をつける手筋と、伸ばせる方向が一方向しかないので伸ばす手筋、2つの組み合わせからできています。

・手筋1-5 : 回数不足(N-5-1)
×をつける手筋はもう一つあります。この白丸に繋いでしまうと曲がる回数が足りないという形です。

赤が手筋1-5、青は手筋1-4

・手筋1-6 : カウントダウン(N-4-0)
大きな数字でも押し合いをしているうちに0の直進(N-1-0)や1の2択(N-2-1)が使えるようになっていることがあります。

手筋ではないのですが、ホタルビームでよくある勘違いとして、左の3のように自分自身につながる可能性は禁止されていない点が、初心者キラーなポイントです。3以上のホタルでは自分につながる可能性を考えないといけません。

・手筋1-7 : 繋ぐ場所ここだけ(L-5-1)
先の方を見て、繋ぐ場所が他にないことを確認します。例題右の左下にあるホタルはまっすぐ進むとぶつかってしまいます。

・手筋2-1 : 1の探索(N-2-2)
2章の標準編でまた出てきますが、見やすいものなら☆1でも使えます。もう1択になっている1のホタルを引いてしまいましょう。

・手筋1-8 : ひとつながり確定(C-1-1)
ホタルビームの大切なルールが「ホタルはひとつながりになる」というルールです。最後のホタルに残された繋ぎ方の中で、ひとつながりになるものはどれかを考えましょう。

完成!

さて、ホタルビームの解き方は掴めましたか?残りの問題もやってみましょう!標準編で紹介する考え方も混ぜているので気持ち難しめです。

・問題1-3〜1-6 : XのURL(2020/2/18)

・問題1-3 :  ぱずぷれのURL
 ヒント : 始めの一歩から1の2択に繋げます

・問題1-4 :  ぱずぷれのURL
 ヒント : 線の押し合いが活躍します

・問題1-5 :  ぱずぷれのURL
 ヒント: 始めの一歩の後に使う、追加の手筋1-9がポイントです

・問題1-6 :  ぱずぷれのURL
 ヒント : ひとつながりを大切にしましょう

問題1-5で必要になるので、追加でもう一つだけ手筋の紹介です。

手筋1-9 : 線の詰め込み(N-6-1)
4や5など大きな数字が狭い場所に置かれている時はくねくねさせることで回数を稼ぐことができます。狭いスペースを有効活用しましょう。

以上で基礎編の内容はマスターです。最後に1問、章末問題を出題します。

・章末問題 : ぱずぷれのURL
サイズ : 10×10
難易度 : ☆1〜☆2 (パズスク基準)
配点 : 5点 (正解判定の表示で得点)
注意 : 数字のないホタルは、曲がる回数に指定がないことを表します。(過去の基礎編ホタルビームでは混乱を避けるため使用していませんでした)


2. 標準編

続いて標準編です。ここでは4つの手筋を紹介します。

・手筋2-1 : 1の探索/2の探索(N-2-2/N-3-0)
1や2は線の曲がり方のパターンが多くないので、注目すると1択であったり、途中まで線を伸ばせたり、ということがあります。

過去のホタルビーム学で2つの適用パターンを解説します。

・問題2-1 : XのURL(2020/4/13)改題 / ぱずぷれのURL

わかりやすいパターンが1を前に伸ばすタイプです。1は1度でも曲がったらあとはまっすぐ進むのみなので、先端から左右を確認してどちらにも行けないときには前に1マス進むしかありません。
上の問題では以下の赤線部分がポイントです。また、カウントダウン(N-4-0)との組み合わせで、青線部分も伸ばしていける場所になります。

2でも同様に左右を確認して、どちらに行ってもうまくいかないなら前に進むパターンは簡単に作れます。わかりやすいのは壁際に置く以下のような配置です。

伸ばすパターンの逆、もう一つの見つけにくいパターンは、正面を全部確認して繋ぐ当てがないので×をつける形です。次の問題を例に解説します。

・問題2-2 : XのURL(2020/4/14) / ぱずぷれのURL

まずわかるところを埋めました。さて……次はどこが決まるでしょうか。

見つけやすいのはここです。この2は左に繋ぐ当てがないので右に行きます。

これで右の2つの1は前にこれ以上進まない1択になりました。
もう一つ見つけにくいやつがあります。どこでしょう。

正解は上の1です。正面はまだ広いですが、繋ぐ当てはありません。

これによりさらに左上2の行先が確定します。

そのまま進めます。赤い部分で1の探索、2の探索を使っています。左上の青×は手筋2-4の中で紹介するの孤立ループ回避(C-3-2)の一番簡単な場合です。

あとは左の1を正面に伸ばした後、ひとつながりになるように手筋2-4の突然発生(C-2-0)を使うか、その代わりに軽い先読み(C-1-2)を使ってあげればよいです。

完成!

以上、内容はシンプルに先を確認するだけなのですが、☆1レベルの簡単なものから見つけづらいものまで、幅の広い手筋でした。

・手筋2-2 : 行先判断(L-5-1)(New!)
こちらは新規の内容になります。ただし難しい内容ではなく、「繋ぐ当てのない方向に進まない」という手筋に名前をつけただけです。一番簡単な例は次のようなものです。

×の方向には繋ぐ当てがない

一番左上のホタルは繋ぐ場所ここだけ(L-4-1)としても処理できます。
上の例は簡単なものですが、下のように大掛かりな仕掛けを作ることもできます。

上から線が入ってくることで一気に発動する配置

また、ひとつながり確定(C-1-1)のように終点が確定している場合に、終点がない方向へ行かない、というのもこの行先判断の手筋として考えることができます。

・手筋2-3 : 充填判断(N-5-2)
手筋2-2と組み合わせて使う、繋ぐ当てのない方向を生み出す手筋がいくつかあるるのですが、そのうち一番簡単な場合がこの充填判断です。この方向には曲がる回数を稼ぐための十分なスペースがない、という考え方です。

・問題2-3 : XのURL(2020/4/15) / ぱずぷれのURL

1の探索、2の探索を何回か使うと下図左のような形になるので、赤×の部分で
充填判断を使って分岐先の可能性を排除しましょう。右も同様です。

・手筋2-4 : 突然発生(C-2-0)
突然発生はひとつながりルールを活かしたホタルビームの華とも言える手筋です。どのホタルから来ているかは不明のまま、ひとつながりになるにはこっちから線が来ているはずだ、と黒点以外から線が伸びていきます。

・問題2-4 : XのURL(2020/4/16)改題 / ぱずぷれのURL

まずこれまでの手筋で確定する箇所を埋めた後、赤線のところから線が伸びていきます。これが突然発生の考え方です。

ひとつながりルールを守るために線が伸びる

線をそのまま伸ばしていくと、2のホタルにぶつかります。繋ぐと曲がる回数が合わないので、間に×をつけることができます。同じことを繰り返しながらどんどん線が伸びていきます。

今度は上の数字なしホタルを見ます。曲がる回数は問題ないですが、繋ぐとそれ以上突然発生ができず、ホタルがひとつながりになれません。同様に×をつけながら伸ばしていくと、右のホタルによって突然発生の線が回収されました。

青の×は手筋2-1または手筋2-3

ひとつながりにするために、回収したホタルの右からさらに突然発生が起こります。そのまま伸ばしていき、最後にもう一度突然発生できなくなってしまう部分に×をつければ、無事ひとつながりにすることができました。

完成!

もう一つ、突然発生に似た考え方を例題を通して説明します。

・問題2-5 : XのURL(2020/6/19)改題 / ぱずぷれのURL

まずこれまでの手筋で確定する箇所を埋めた後、左上の2の2択に注目します。青のパターンはこれ以上突然発生ができないような孤立したループができてしまっています。

したがって、赤のパターンで確定し、0の下から突然発生が始まっていきます。
赤×の部分は突然発生の連鎖が止まってしまう箇所、青×の部分は曲がる回数が合わない箇所です。

突然発生がどんどん連鎖していきます。

赤×は回数が合わない箇所、青×は手筋2-3

下の図の、5や右上の3は孤立ループを回避していると考えることもできます。

あとは突然発生の連鎖が止まってしまう赤×にも気をつけつつ、最後まで突然発生を追ってあげれば完成です。

完成!

突然発生の考え方は掴めたでしょうか。演習問題として追加で2問出題します。

・問題2-6 : XのURL(2020/4/17) / ぱずぷれのURL
 ヒント : 線の色分けを使うと大きな突然発生も見つけやすいです。

・問題2-7 : XのURL(2020/4/18) / ぱずぷれのURL
 ヒント : 突然発生の連鎖が止まらないようにとにかく追いかけましょう。

以上で標準編の内容はマスターです。最後に1問、章末問題を出題します。

・章末問題 : ぱずぷれのURL
サイズ : 10×10
難易度 : ☆2〜☆3 (パズスク基準)
配点 : 5点 (正解判定の表示で得点)


後編→Coming soon…

3. 付録

私が本記事を作成するにあたり、手筋を整理するために作成した資料(Google スプレッドシート)を一部分共有します。手筋番号は、ルール要素に応じて大きく「線の手筋」、「数字の手筋」、「連結の手筋」と分類し、その中で似たような手筋はまとめつつ番号付けしたものになっています。雰囲気で眺めてください。

ホタルビーム手筋集(仮)