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『 ACEと占い関係 』 第一話
『 ACEと占い関係 』というストーリーを読みました。
ここでのACE( The Adverse Childhood Experiences )とは、
日本語で、逆境的小児期体験、つまり、子供時代のトラウマです。
大人になってから身体に影響することも多々あります。
その件を、占い師の母がいる娘が知り、お母さんとの会話から始まるストーリー。
そのお話の中で、紹介されている本が沢山ありまして・・・
地球人向けの本は、
・・・
メモのようなお手紙のような初めにそういうことが書かれていた。
今日、私が初めて訪れた『 査定・交換センター 』のスタッフさんは、その見知らぬ人の数枚の束を私に手渡し、
「はい。こちらはプレゼント。あなたのお役に立つと思いますよ」
「ありがとうございます」受け取りながら、次の予定が見つかって良かったと思う。
「リストに書かれた本は、この街の図書館や提携図書館には数冊しかありません。
他にも読みたい本があれば、島に居る地球人に依頼すると、もしかしたら手に入るかもしれせん。
そちらのカウンターでも、依頼受付で申請が通ると、センター内と島内の提携掲示板にも貼り出されますよ」
私は、指された方向を見て場所を確認した。
「わかりました」
ここは、奇人変人ファンタジマ という、ファンタジー世界の島らしい。
私は地球人で、気がついたらこの島に迷い込んでいた。
夢と思い、大通りを歩いていたら、こちらの『 査定・交換センター 』を見つけて、私物を換金した。まさかの高額で夢みたい。プレゼントされた内容も気になる。この夢を満喫してから起きようと思う。それまでは、探検したり夜遊びもするぞ。
そういう雰囲気をスタッフさんは察したのか、
「もう夕方だから、図書館に行くのは明日か、宿を予約してからの方が良いと思います。でも、個人的には、この島に慣れないうちは、夜の外出はおすすめはしません。
図書館で本を借りる時は、島民の証明証が必要です。仮登録でも良いです。受付のある市役所はまもなく閉館しますから、明日以降ですね」
話しながら、地図を渡された。
「この地図は地球人向けで、この青丸印に地球人専用のホテルがあります。
街の中心にランドマークの塔があって、どこからでも見えるので、もし、どうにも道に迷ったら、塔を目指してください。すぐ近くに街の案内所があります。
そして、この赤色のエリアには入らない方が良いです。この島の一部はゆっくり変化していて、たまに、大切な記憶も失うくらいのエネルギーが出ています」
夢とはいえ、大切な記憶をなくすのは困る!悪夢だけなら是非とも無くしたいのだけど!
「近づきません」
お礼を言って、教えてもらったホテルへ向かう。
地図を見ると、ホテルから図書館も市役所も歩いて行ける距離。10分くらいかな。
他には・・・。地球人向けの地図だから、ぱっと見、書かれてあることが、日常生活とほとんど変わらない気がした。
公園とか見てみたいな。それらは後で詳しく調べることにして、
歩いているのは街の大通り。道が舗装されている。異世界ファンタジーは、石畳の道が多いイメージだったわ。
歩道の植え込みも、地球にありそうな形をしている。
歩道と車道が分けられていて、路面電車が走っている。日本の路面電車に近いかな。写真で見たポルトガルの路面電車と大通りにも重なるところがある。
車はいろいろな形があって、まるでテーマパークのよう。
島民も、さすがファンタジー世界と思うような見た目をしている。
建物の多くは石造り。地球でいうと建築様式は、バロック建築かな。ウィーンのベルヴェデーレ宮殿の入口と屋根以外と似ている。はたして、それはバロック建築に分類されるのだろうか?
考えても分からないし、顔を上げると、街の中心にある塔が見える。ここから歩いて10〜15分くらいかもしれない。
ホテルからも近いし、公園もあるし、近いうちに行ってみたい。
街の西の方角からの夕空も地球とあまり変わらないかもしれないけど・・・とはいえ今日が初めてだから分からない。一番星の方角は違う気がする。月みたいな衛星もあるのだろうか? …スタッフさんに注意されたし、今夜は見るのをやめておこう。
予定通り、日が暮れる前にホテルに辿り着いた。
地球人向けのホテルは、日本でお馴染みのビジネスホテル風で、作ったのは地球人なのかもしれない。これは夢だから、作ったのは地球人の私ね。
チェックインをして部屋に着いたら、安心して疲れが出たのか眠くなった。
このままベッドに寝て目が覚めたら、元の世界に戻って、私のベッドにいるかな。
そういえば、明晰夢を見たくて練習し続けてたけど、その弊害ではないよね。
このまま眠ったら、この異世界とはおさらば…
まだ、プレゼントの内容を全部読んでいないわ。
体を起こし、バックの中からメモお手紙を取り出した。
査定・交換センターでチラ見した内容から想像すると、
子供時代のトラウマは、身体に影響する件を、女の人が知って、占い師のお母さんと会話するストーリーで、関連本がたくさん出てくるのかな。多分。
【 あなたは、約30年前の精神的ストレスが、現在の身体のさまざまな病気や不調と関係あると考えたことはありますか? 】
文体が急にお手紙のようだ。そして、冷や汗が出てきそう。
確かに私は30代で、お薬を服用してるけど、スタッフさんよく分かりましたね。
現実世界だっだら20代前半で健康体と間違えられることが多いのに。
スタッフさんの見た目は地球人と変わらない気がしたけど、異世界だから特殊な能力があるのかしら?
私は、子供時代のトラウマは、精神的に強くなったし、癒して、たぶん乗り越えたはず。
けれど、こういう本のリストをプレゼントでいただいたのは、まだ回復していないから?
もしかしたら、私は夢の中でも…というより、潜在的に、回復方法を探しているのかもしれない。
( 続く)
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