あの日と、何も変わっちゃいない。
矛盾したことを書く。
色々なことが変わってしまった。
大切なひとがいなくなってしまった。
守りたかったものがなくなってしまった。
夢に描いた生活が、
夢見た通りの形で叶うだなんて。
流石にそこまでは、鵜呑みにしていなかった。
何かしら、理想と現実は乖離するはずさ。
それくらいには現実を受け止めていたつもり。
だけど、夢の輪郭さえも崩れてしまうとまでは。
それほどのレベルで、
私は私を諦める覚悟をしていなかった。
確かなのは、
おそらく、確かなのは。
まだ私が生きていて、
あなたもまた生きているということ。
明日も生きていたい。
明日も生きていこうよ。
こんな戯言を、一日分だけ、達成しよう。
死の風が、我々に吹いてきても。
一日分だけ。一日分だけ。
あいつといたかった。
あそこにいたかった。
ああすればよかった。
あれはどこにいった。
何もかも、吹き飛ばされてしまった。
何もかも、変わってしまった。
それでも。ねえ。
馬鹿みたいな話さ。
好きだったものは、今でもやっぱり好き。
飽きもせず。
馬鹿みたいな話さ。
今日も、死ななかったから。
私は今も。
あの日と、何も変わっちゃいない。
こんな自分が、少し、かわいいぜ。
あなたはどうだい?