手作りの沼
1974年から1982年まで放送された「大草原の小さな家」というTV番組があって、西部開拓時代のアメリカを舞台に、当時の日本では考えられないような社会問題(差別問題や宗教観、伝染病、性被害に児童虐待など)を取り上げた内容に惹かれ、私はよく観たものだった。
西部開拓時代のアメリカと言ったら、1870年代から1880年代にかけを呼ぶのだけど、インフラストラクチャーの整った環境の今、一言で言われる「開拓」がどういうことなのか、安易には想像できない。
アメリカに渡って来たドイツ系移民族にアーミッシュと呼ばれる宗教団体があって、移民当時の生活様式をそのまま保持していることで有名なんだけど、今でも生活様式は、リアル「大草原の小さな家」なんだよね。
自給自足の真似事で、純正のクリームをシャカシャカ振って、バターを作ったことがある。いやぁ美味しいんだわ、ホント!
家族に乳製品アレルギー者がいるので、バターの手作りはしなくなったけど、このアーミッシュの人たちは、バターを作るのに先ずは搾乳からする。
違うわ、牛を飼うことからだわ。
違うわ、飼料を育てることからだわ。
このアーミッシュの生活を体験できるよう、観光化されている場所もあるらしい。はた織りしたり、畑仕事をしたり、ジャムを作ったり、羊の毛を刈ってセーター編んだり。
期限限定だから楽しめるのだと思う。水汲みから始まる365日はさすがにキツイよね。
今日のオチは、我が家が似非アーミッシュになったという小噺です。
粉を打って麺をこねて、出汁からスープを作って、チャーシューを焼いて、ラー油を作って一杯のラーメンを食べる。
街へ行って暖簾をくぐれば即食べられるラーメンを一から作る。夕飯のために朝から仕込みが始まる。
この作業を、引きこもり歴の長い息子が取り組んでおりましたよ。
製麺機まで買っていたとは!
沼は深そうです。