水甕3月号作品
「手放す前に」~シンタニ優子
父母の納骨終えしの報せには深まる秋の重き言の葉
慕わしき父の戒名なぞり読む野菜ばかりのポトフを掬い
『はだしのゲン』買い来し父は無言にて我が本棚に並べて行けり
夫の手を引いて踏み締む砂浜の砂が鳴いてる日ごと大きく
「ぱたから」と誤嚥予防の反復にグラスの水も共に震えて
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残り少ない命ですが、このnoteを閉じる前に、2024年に水甕に掲載された私の歌をアップします。
掲載される3ヵ月前が締め切りなので、時間にズレがあります。
2024年の7月号を最後に、私の辞世の歌になっています。
読んで頂けたら幸いです。