てん

恋は二度死ぬ

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それでも、優しく愛おしい毎日は続く「わたしのお嫁くん」

『わたしのお嫁くん』が最終回を迎えました。 ただいま、絶賛お嫁くんロス。こんなにも好きになれる作品に出逢えたことに、とても感謝しています。ああさみしい。 以下、ネタバレ注意。 ◇ 『わたしのお嫁くん』は作品全体を通して「優しさ」と「愛」に溢れた作品でした。メインの2人の間に流れる優しさと愛情はもちろん、その2人を支える周囲の人達もそれぞれの愛を腕いっぱいに抱えていて、その様子を愛おしく感じ続けた3ヶ月間。 最終回、二人が別れるに至った理由はお互いの幸せを願った結果でし

    • 32歳の波瑠ちゃんへ【お誕生日に寄せて】

      32歳ですって。 波瑠ちゃん、お誕生日おめでとうございます。 ドラマをこんなふうに前のめりで見るなんて、いつぶりでしょうか。お嫁くん、毎週楽しみにしています。 コロナ禍以降、東京から離れてしまったわたしはあなたの事をこれまでのように必死に追いかけてはいませんでした。それでもふと目の端で捉えたあなたの姿や名前、聞き間違えるなんてもう出来なくなったあなたの声に喜びを覚えるのは、好きになってからずっと変わりません。 「忙殺」という言葉が比喩でもなんでもない状況で、絶え間なく作

      • 「わたしのお嫁くん」から始めるジェンダー解体と性的同意のはなし

        ドラマ「わたしのお嫁くん」が面白い。 歳を重ねるにつれ、いわゆるラブストーリーには手が伸びにくくなっていたわたしが毎週水曜の放送をこんなにも心待ちにするなんて、と自分でも驚いています。 同名の漫画が原作のこのドラマの主人公は、誰もが憧れるバリキャリだけど、家事が苦手なズボラ女子の速見穂香。そこに、家事好きな年下後輩男子の山本くんが彼女の"嫁"として名乗りを上げ、一緒に暮らし始めるコミカルなラブストーリー。漫画原作なのをいいことに時々時空が歪んだりもするけれど、それもご愛嬌と

        • 水川かたまりの『女装』について考える

          アメトーークの『女性役やってる芸人』ご覧になりました?いやー、ほんっとによかったですね。かつて、水川かたまりさんの女装新規としてド派手に空気階段沼にすべり落ちた私にとって、この日は夢のような回でありました。夢だけど、夢じゃなかった。 滑り落ちた時の記事です 女性誌に女の子として登場したり、いろんなCMに女装して出たり、女装アイドルデビューして武道館で踊ったり、なにかあるたびに女装姿を披露することがこの一年で増えたかたまりさんはアメトークでも二番手の好ポジション。 ビビり-

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          世界は愚かで、そして優しく美しい【空気階段「fart」】

          空気階段第五回単独公演『fart』を見ました。 第四回単独公演『anna』でがっしりとハートを掴まれて以来、関西の劇場に2人が来るたびに足を運ぶようになったけれど、単独公演を劇場で見るのはこれが初めてのことです。 チャンピオンになって初めての単独公演はかねてより夢だと公言していた、全国ツアーです。 『fart』と銘打たれた公演は14公演全て中止することなく完走しました。 このとてつもなく多忙な状況で、関係者の誰一人として濃厚接触者にもならず完走しきったことは奇跡だと思いま

          世界は愚かで、そして優しく美しい【空気階段「fart」】

          お笑いは世界を救わなくとも、人生に疲れた女は救う(空気階段のKOC優勝に寄せて)

          2021年10月2日。 キングオブコント2021で空気階段が優勝し、悲願の14代目チャンピオンとなりました。あまりに嬉しすぎて「もう空気階段がKOC獲れたこと以上に、嬉しいことなんてないのでは?」と我が事のように祝杯をあげまくり、一週間後に迫っていた資格試験の勉強をここに来て疎かにしてしまうくらいには浮かれました。 これまで応援している役者さんやアイドルが賞を貰い受けることは度々あったけれど、ここまで明確に「戦って勝ち上がり、頂点に立つ」という推しの姿が見られることはそうそ

          お笑いは世界を救わなくとも、人生に疲れた女は救う(空気階段のKOC優勝に寄せて)

          ここ数日、annaを引きずったまま踊り場の過去回を聞いて過ごしてるんですが、#23でまさしくannaのような展開が発生しててひっくり返ってる すごい

          ここ数日、annaを引きずったまま踊り場の過去回を聞いて過ごしてるんですが、#23でまさしくannaのような展開が発生しててひっくり返ってる すごい

          この時代、この国に、君が生きていることがうれしい 【空気階段「anna」】

          空気階段 第4回単独ライブ「anna」を観ました。表題作「anna」が本当に良くて何回も見ています。全体通しての感想は迂闊にネタバレしてしまいそうなので、一番好きなコントの感想を書きますね。(注:映画の予告編レベルのざっくりとしたあらすじが載っています。未見の方は是非配信をご覧になってからお読みくださいね) ◇◇ どうしてこんな人がパーソナリティをやれているんだろう?って聴けば聴くほど不思議に思う、ハチャメチャなパーソナリティのラジオ番組。そんなラジオ番組がつないだ、とあ

          この時代、この国に、君が生きていることがうれしい 【空気階段「anna」】

          「女装新規」という名の沼を行く

          どうも。空気階段の水川かたまりさんの女装新規です。 ……今までいろんなものを好きになってきたけれど一番公言しにくい落ち方をしてしまいました。KOUGU維新の巻尺ではギリギリ落ちなかったのに。女装新規ってなんだよ、って自分でも思います。顔の整った芸人を好きになった女性ファンが揶揄されてしまう「顔ファン」ですらない。 女の子を演じる水川かたまりさんを定期的に摂取し続けた結果、女の子としての水川かたまりさんを好きになってしまいました。ふりむけばそこに沼があって……いつの間にか両足

          「女装新規」という名の沼を行く

          バレンタインの夜に

          月曜日だ。今日出勤すれば火・水とお休み。世間のみなさんが始まった一週間を憂いている中、わたしは間近に迫った休日の気配を感じて浮かれております。わーい それでも世の中がお休みの空気をガンガン醸し出してる土日に働くのは、まぁ、普通に憂鬱。だけど、電車がいつもに増して空いているのは好き。ボタンを押さないと開閉しないたった2両のワンマン電車に揺られながら、もうこのまま終点駅まで行ってしまおうか…そう思うのはいつも日曜の朝。でも、その場限りで手にする自由とお給料を天秤にかけては「よっ

          バレンタインの夜に

          そこにいたのは、弱者としてのヤクザ【ヤクザと家族 The family】

          任侠映画は苦手だ。 仁だとか義だとか、それらしい理由をつけてあの人たちは殺したり奪ったりする。彼らのかっこよさが理解できない訳では無いけど、そのかっこよさの向こうで泣いている人のことを考えてしまう。どうして彼らがこうももてはやされるのかわからない、わたしはずっとそう思っていた。 「ヤクザと家族 The family」はヤクザを題材にしているけれど、任侠映画ではないと思う。(それ故に“あのタイトルバック”はめちゃくちゃ滾る) 家族を持たない、行き場のなかった一人の人間がヤクザ

          そこにいたのは、弱者としてのヤクザ【ヤクザと家族 The family】

          君に会いたいから、凧をあげますね

          会いたい人に気軽に「会おうよ」と言えなくなって一年たちました。おひとりさま行動が大丈夫なわたしですら、人恋しさに時々どうかなりそうになる時がある。Twitterとかzoomでもいいんだけどさ、やっぱり会って顔見て話したい。 いつもなら「あそぼ」の三文字だけで召集をかけられる友人に、しばらく会っていませんでした。うちの県のように緊急事態宣言が出てない地域であっても、県外へ出かけることはもちろん、県内の友人に会うことすら自粛を求めるムードが日に日に強まっているように感じます。

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          花束みたいな恋は出来なかったけれど

          今、わたしの周りで話題沸騰中の『花束みたいな恋をした』を観てきました。Twitterを遠ざけてる今、鑑賞した後の反応は直接目にしていないにしてもどこからかその熱がじんわりと伝わってきてるから、わたしの周りの「彼」にも「彼女」にもきっとしっかりとあの物語が響いてるんでしょう。サブカルに身を浸してる友人が多いから、それぞれがこのカップルたちの恋に「思うところあるんだろうなぁ」って思う。 「あるんだろうなぁ、いいなぁ」って思っています、わたしは。 わりと早い段階で…詳しく言うと

          花束みたいな恋は出来なかったけれど

          あこがれの街

          東京を離れて、実家に一旦帰ることになった。 休職に入った4月上旬からずっと考えていて、いろんな人に相談して決めた。次のアパート更新が来年の1月で「次はもう少し郊外でも良いから、広い部屋にしたいから引っ越そう」とか考えていたんだけどなあ。 東京はわたしにとって、ずっと憧れの街だった。 ……3年半住んだ今でもそうかもしれない。 憧れのまま離れることは、ある意味、わたしらしい気がする。 この間見たドラマで、東京を離れて実家に帰ることになった女の子が「都落ちですよ」ってバツが悪

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          辞めることは逃げることじゃない

          「好きなこと」を探している。先日の診察でお医者さんに言われてから、好きなことを、好きなものを、大切にしたいものを。吐き出すのを少しやめて、自分の中で思考を練り続ける必要があると思って日記を止めてみたら、あっという間に13日が過ぎた。記録をつけていないと、どんどん記憶は風化していく。この二週間、いったいわたしはどう生きたのかうまく思い出せない。言葉の通り、風に吹かれた砂のようにどこかにいってしまう。働いている時だってそうだったはずなのに、どうしてだろう。今はそれがとてもこわい。

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          休職日記 22日目

          またしても期間が空いてしまい、一体今が何日目なのかわからなくなって数えた。22日目らしい。なんだかんだ続いている自分えらい。 ………これは…続いているのか? ……まあいいか。 日曜日には実家からお肉が届いた。恋焦がれた地元産の牛肉だ。こちらのスーパーでももちろん牛肉は売られているけれど、豚・鳥と違って牛は値段の違いが露骨に出てしまうからなかなか手が出せない。東京と地元では同じ金額を出しても手に入る肉の質が段違いだし。 年に一度ほど、わたしが精神的に切羽詰まると、それを察し

          休職日記 22日目