『要注意?同じ漢字だけども日本と中国で違う意味をもつものとは』
大家好!こんにちは!Lilian中国語スクールです。
今回は日本語にもある漢字だけど意味が全く違う、うっかり間違えやすい言葉について説明したいと思います。
中国人は「日本語は漢字がいっぱいあって、その漢字は中国から来たものだから、日本語は分かりやすい」と思って日本語を勉強する人が多いです。また日本人も同様に「中国語は漢字だから、なんとなく意味が分かる」と思っている人が多いですよね。たしかにそうとも言えるのですが、思い込みは危険です。
中国語の「汤(tāng)」、これは何を示すがおそらくご存知でしょう? 日本語の漢字だと「湯」ですが、お湯ではなくてスープの意味ですね。
日本人は中国でレストランのメニューを見て「汤」の字をみつけると「なんだ、お湯って…」と思ってしまうのですが、一方、中国の訪日旅行客は日本の温泉でのれんに書かれた「湯」の字を見て「スープだって」と内心ニヤリとするわけです。
とはいえ、中国語の「汤」も言語的な本来の意味にはお湯という意味もあり、「汤泉(tāng quán)」となると日本語の温泉の意味になります。「温泉(wēn quán)」は日本語同様に温泉の意味です。
なお余談ですが、中国には「汤」という苗字の方もいます。「スープさん」だと思うと、ちょっと面白いですね。
ビジネスで使う言葉でも注意が必要
「湯」のように、日中で同じ漢字を使うけど意味が異なる、間違えそうな言葉が多数あります。そのうち、ビジネスでも使いそうな言葉を例文を交えて、いくつか説明しましょう。
1)頻繁に出てきて日本人には紛らわしいのが「経理(jīnglǐ )」。中国語では日本語でいう経理課の経理ではなく、まさしくマネージメントの意味です。社長にあたる役職の「总经理(zǒng jīnglǐ )」はジェネラル・マネージャー(GM)。日本語の「経理」は中国語では「会计(kuài jì)」。改めて漢字を見てみると日本語でも「経理」より「会計」のほうが的確かもしれませんね。
我想明天去那家公司直接找经理问一下情况
「明日その会社に行って直接マネージャーに状況を聞きたいと思っています」
Wǒ xiǎng míngtiān qù nà jiā gōngsī zhíjiē zhǎo jīnglǐ wèn yīxià qíngkuàng
中国の一般的な規模の会社では、「経理」という役職がついた人が非常に多いです。営業など顧客対応の人でよくあるのが「客户经理(kèhū jīnglǐ)」。メーカーや流通などはブランド管理の「品牌经理(pǐnpái jīnglǐ)」、プロダクト管理の「产品经理(chānpǐn jīnglǐ)」などがあります。
営業担当の場合、入社して1年くらい経ち、一人でお客さんとやりとりできるようになると早々に「経理」をつけてしまう感じでしょうか。
中国では肩書きがある人が対応すると安心という顧客側の事情があり、またクレームなど何か問題があった場合に「我想找经理说((平社員ではなく裁量のある)マネージャーと話したい Wǒ xiǎng zhǎo jīnglǐ shūo)」という人が多いので、「経理」がついた人も実に多いのです。
2)中国語の「输入(shū rù)」は、日本語の「入力する」の意味です。英語のインプット。
如何在电脑上输入中文?
「パソコンでどうやって中国語を入力しますか?」
Rúhé zài diànnǎo shàng shūrù zhōngwén?
なお、日本語の「輸入」は中国語で「 进口(jìng kǒu)」、「輸出」は中国語で「 出口(chū kǒu)」といいます。
厳密にいうと、言語的には「输入(shū rù)」「输出(shū chū)」にも日本語同様の輸出入の意味を含んでいますが、それらは主に新聞や論文などに使われる書き言葉という感じです。
3)中国に駐在すると中国人の上司や同僚の家族とも顔見知りになりますが、下記のような中国語を言われた時にギョッとしないようにしてください。「爱人(ài rén)」は日本語漢字だと「愛人」ですが、その意味は「愛する人」で,夫や妻を指しています。
这是我的爱人
「私の妻(夫)です」
Zhè shì wǒ de ài rén
4)中国語の「勉強(miǎn qiǎng)」も日本語の「勉強」とは全く意味が異なります。「強制する」という意味になります。
我也不能勉强你
「私も無理強いできませんが」
Wǒ yě bù néng miǎn qiǎng nǐ
日本語の「勉強」は「学习(xué xí)」。
5)中国語の「结束(jié shù)」は「終わる」という意味です。
辛苦的国内出差终于要结束了
「大変だった国内出張もついに終わります」
xīnkǔ de guónèi chūchāi zhōngyú yào jiéshù le
「终于要结束了(ついに終わる zhōngyú yào jiéshù le)」「已经结束了(もう終わった yǐjīng jiéshù le)」の形でよく使います。
以上、一見日本語と同じ漢字に見えるが中国語にすると意味が全く異なる言葉で、ビジネスでも使いそうなものを、例文を交えていくつか説明しました。このような似て非なる言葉はたくさんあるので、一つずつ違いを認識して注意して使っていきましょう。
なお、中級以上のレベルになると、中国語で的確な単語が思い浮かばない時に日本語漢字に中国語発音をゴリ押しして言ってみたりすることも結構多いのではないかと思います。時にはそれで相手に通じたりするのですが、自分が思ってもみない意味を含んでいるかもしれないので、追って辞書でしっかり調べるなど、注意が必要です。
筆者の経験からすると、多くの在中日系企業では日本語漢字をそのまま中国語として読んで、それが社内で通用している場合があります。例えば「営業」や「経理」など、日本語の意味のまま「営業(Yíngyè)」や「経理(jīnglǐ)」と中国語読みして使っている。
日本語を話す中国人が多いと、日本語でも中国語でもどちらでも意味が分かるので、使い方が曖昧になっていくのです。ただし、日本語を解さない顧客などが入るとその「曖昧な言葉」はとたんに通じなくなりますし、また書き言葉にするとかなり奇妙な感じになりますので、注意して日中両言語を使い分け、それぞれ的確な言葉を使うことが大切です。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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